【MRI認定 11】ケミカルシフト

ケミカルシフト(化学シフト)についてまとめました。

出題は結構多いです。

 

解説が結構雑だったため、改めて2023/8/1にリライトしました。

目次

ケミカルシフト

水と脂肪の境界で発生し、共鳴周波数に差があることにより画像上で脂肪がズレて表示される現象を言います。

第14回 MR専門技術者認定試験

上記の画像では上が油で下が水なのですが、上の油が右側(画像ではLの方向)にズレているのがわかります。

これは脂肪が水よりも共鳴周波数が低いため、周波数エンコード方向において磁場勾配の低い方へシフトしたためとなります。

ですからケミカルシフトの発生する理由は、水と脂肪の共鳴周波数の差ということになります。

ではどうして共鳴周波数に差が生まれるのでしょうか?

共鳴周波数差が生じる理由

共鳴周波数

まず共鳴周波数について、

ラーモアの式より求めることができます。

例えば、1.5T装置の共鳴周波数は、、、  

このように静磁場強度と磁気回転比をかけることで求めることができます。

磁気回転比は不変の値のため、静磁場強度が変わることでしか共鳴周波数は変わりません。

ということは、

水と脂肪に共鳴周波数の差があるのは、水と脂肪の受けている磁場の強さに差があるということです。

実行磁場

静磁場中に置かれた電子は、静磁場と反対方向に磁場-bを発生させます。

そのため実際に水素原子が受ける磁場はB0-bということとなりこれが実行磁場となります。

上の図はそれぞれ水と脂肪の水素原子と、周りの青い部分は電子密度を表しております。

電子密度は青色の濃さで表し、青が濃いほど電子密度が高いことを表しているので、右の脂肪の方で電子密度が高いことがわかります。

先ほどの反対方向の磁場-bは、電子密度が高いほど大きくなるため、脂肪の水素原子が受ける実行磁場は水の水素よりも低くなるのです。(実行磁場=B0-bの “-b” の部分が大きくなるため。この効果を磁気遮蔽と言います)

ということはラーモアの式より、実行磁場の低い脂肪の共鳴周波数は水の共鳴周波数よりも低くなるのがわかります。

これがケミカルシフトの共鳴周波数差となります。

 

より深掘りとして、では電子密度の差はなぜ生まれるのでしょうか。

それは共有結合による電気陰性度の違いから生じるのです。

共有結合と電気陰性度について

共有結合とは原子が互いに不対電子を出し合って、電子対を共有する結合を言います。

例としてフッ素の共有結合では、最外殻に電子が7つあり、うち1つが不対電子となります。

それぞれ1つずつ不対電子を出し合い、共有結合しています。

水の場合はこのような共有結合をとります。

原子には電気陰性度というものがあるのですが、電気陰性度が大きいほど共有電子対を引っ張る力も強くなります。

HとOではOの方が電気陰性度が大きいため自分の方(Oの方)へ電子を引き寄せます。

ではもう少し感覚的に捉えてみます。

電子を引き寄せるということは、電子の存在分布は電気陰性度の高い方へ強く分布することとなります。

H2Oの青色で囲われた部分の電子分布についてみていきます。

電気陰性度はH:2.2 < O:3.44なので、酸素の方がより電子を強く引き寄せます。

電子は酸素に集まり酸素周りの電子密度が高くなります。

 

次に脂肪について、、

脂肪の結合は様々ですが例として脂肪酸CH2をみます。

電気陰性度はH:2.2 < C:2.55 < O:3.44なので、水素より炭素の電気陰性度が大きく、炭素の電子密度が高くなります。

しかし、酸素に比べると電気陰性度は低いため、電子密度は酸素には劣ります。

 

これらを踏まえて実行磁場の図に当ててみます。

MRIの対象となるのは水素原子ですが、水素の電子密度は結合し合った相手の電気陰性度に依存することがわかります。

水の水素原子では、共有結合した酸素の電気陰性度が大きいために電子を引き剥がされて電子密度が希薄となっています。

これを脱遮蔽というのですが、そのため反対方向の磁場-bは小さくなります。

脂肪の水素原子では電子密度が水の水素原子よりも高いため磁場-bが大きくなるのです。

少し説明がくどくなりましたがこんな感じと思っていただけると良いと思います。

ケミカルシフトの大きさ

皆さんご存知と思いますが3.5ppmです。

表示はMRSと同様に、左肩上がりで、左にゆくほど数値が高くなります。

単位はppmで、δ(デルタ)値と言います。

ケミカルシフトには基準物質があり、テトラメチルシラン(TMS)という物質がδ値0ゼロとして、

脂肪はそこから1.1ppm、水は3.5ppm高く、両者の差が3.5ppmとなります。

 

ちなみにですがテトラメチルシランが基準物質となる理由は、

電気陰性度がSi:1.9 < C:2.55であり、メチル基部分の炭素と水素の電気陰性度がとても高くなるからだそうです。

 

mmpとは百万分率のことであり、

3.5ppmは0.0000035ということになります。

画像上での大きさ

ケミカルシフトの大きさは3.5ppmということでしたが、実際の画像上ではどのくらいの大きさとなるのでしょうか。

ズレの大きさを知るにはHz単位に変換する必要があります。

方法は簡単で、共鳴周波数に3.5ppmをかけるだけとなります。

1.5Tの場合は共鳴周波数が64MHzのため×3.5ppmは約224Hzとなります。同様に3Tは128MHzのため約447Hzとなります。

ケミカルシフト
1.5T:224Hz
3T:447Hz

つまり静磁場強度が倍となるとケミカルシフトも倍になります。
(※224→447Hzとちゃんと2倍になっていないのは四捨五入などで概算したため。実際にはちゃんと計算するとなります。)

バンド幅とケミカルシフト

1.5Tの場合、ケミカルシフトはどの画像でも224Hzとなります。

しかし、画像によってケミカルシフトの大きさが違って見えます。

その理由は画像により受信バンド幅の大きさが異なるからです。

極端な例にはなりますが、上記のようにFOVあたりのバンド幅(BW)が1000kHzの場合、ケミカルシフトの224Hzとは大体FOVの1/5くらいになります。

そこからバンド幅を10倍の10000kHzにすると、ケミカルシフトは画像の1/50ほどまで小さくなることがわかります。

ケミカルシフトが画像上、何ピクセル分ズレるかを表す式は下記となります。

分子にはHz単位でのケミカルシフトになるため、1.5Tでは224Hz、3Tの時は447Hzを入れればOKです。

分母は1ピクセルあたりの周波数となり、バンド幅÷マトリクスサイズ(=周波数エンコード数)となるため、バンド幅が大きくなるほど分母が大きくなるためケミカルシフトが小さくなることがわかります。

確認問題として、、

第6回-27
32KHz の受信バンド幅で 256 ピクセルの場合、3.0T の化学シフトは 3.6 ピクセルである。

計算すると3.576となると思いますが、これがケミカルシフトであり、3.576ピクセル分ズレることとなり問題の解答は正解となります。
(画像上では小数点以下は反映されないので3ピクセルのズレ)

また、1.5Tの場合だと224Hzを代入することになるので、ケミカルシフトが1/2になることも理解できますね。

 

バンド幅は広げるほどSNRが低下するため、バンド幅の広い画像ではざらつきが目立つこともわかります。

ちなみにですが、各メーカーによりバンド幅の定義が異なり、

1ピクセルあたりのバンド幅で表示する機種もあれば、FOVあたりのバンド幅で表示する機種もあるため、どのように設定変更すればアーチファクトを抑制できるかはあらかじめ使用する機種の特性を理解すべきかと思います。

EPIのケミカルシフト

ケミカルシフトはスピンエコーの場合、周波数エンコード方向に発生し、位相エンコード方向には発生しません。

エンコードの際、周波数方向には磁場勾配を利用し周波数の差をつけてエンコードをし、位相方向には位相の差をつけてエンコードするのですが、位相エンコードによる化学シフトの位相差はごく微量にしかなりません。

また各位相エンコードステップは独立しており、ステップの終わりには位相が元に戻る(位相エンコード磁場勾配の相殺、スポイラーによる横磁化の消失)ため位相エンコード方向にケミカルシフトが生じません

しかし、EPIでは磁場勾配を連続に反転させて一度の励起でk空間全てを埋めるため、各位相エンコードステップが独立しておらず水と脂肪の位相ズレが積算し位相方向へケミカルシフトが発生します。

各位相エンコードステップの位相差は小さいのですがこれが積算していくと大きな位相差となり大きなケミカルシフトとなります。

一方で周波数エンコード方向はというと、EPIのサンプリング間隔はとても短く設定するため、必然的にバンド幅はとても大きくなります。
(BW=1/サンプリング間隔)

そのため周波数方向にはケミカルシフトが現れません。

EPIのケミカルシフトの式は以下となります。

分子はHz単位でのケミカルシフトとなります。(1.5T:224Hz、3T:447Hz)

位相エンコード方向のサンプリング時間を短くするほど分母が大きくなり、ケミカルシフトを抑制することができます。

パラレルイメージングなどを併用し位相エンコード方向のサンプリング時間を減らすことで、理論的にはケミカルシフトを抑制できます。

しかし実際の臨床においては、パラレルイメージングを用いてもケミカルシフトで困ることはあります。

 

解説長い。。

読んでいただきありがとうございます。

結構長くなってきたので、『第2のケミカルシフト』はまた別記事にしようと思います。

2023/8/11 第2のケミカルシフト追加しました→第2のケミカルシフト

過去問

18-問題19 アーチファクトとその対策について正しい組み合わせはどれか。2 つ選べ。

1. 磁化率アーチファクト ––––––– TE の延長
2. ゴーストアーチファクト ––––––– 加算回数の増加
3. 化学シフトアーチファクト ––––––– 受信バンド幅の狭域
4. クロストークアーチファクト ––––––– インターリーブ法の使用 
5. トランケーションアーチファクト ––––––– 部分フーリエ法の使用

1.×TEを短縮することで位相分散による信号低下の抑制。
2.○
3.×受信BWと化学シフトは反比例の関係。
4.○
5.×マトリックス数の増加やBWの狭小。

18-問題21 EPI について正しいのはどれか。2 つ選べ。

1. T2 フィルタリング効果を生じる。
2. 位相方向への位相誤差は蓄積しにくい。
3. ブラーリングによるぼけが画像に現れる。
4. 収集するエコーは全てグラディエントエコーである。 
5. ケミカルシフトアーチファクトは周波数方向に現れる。

1.○FSEのように後半の信号はT2値の長い組織の信号となるためT2フィルタリングが生じる。
2.×位相エンコードステップが独立せずに連続するため位相誤差が蓄積しやすい。そのためケミカルシフトは位相方向に出現する。
3.○
4.×90°-180°後にGROの連続反転によって信号取得するSE-EPIもある。
5.×EPIのBWはかなり大きく設定されるため周波数方向には出現しない。EPIでは位相方向に現れる。

17-問題 19 正しいものを選べ。

1. 磁化率アーチファクトを低減するため、受信バンド幅を狭くした。
2. マジックアングルアーチファクトを低減するため、TE を短縮した。
3. クロストークアーチファクトを低減するため、オーバーサンプリングを使用した。
4. ケミカルシフトアーチファクトは脂肪が周波数の低い方へシフトする現象である。
5. トランケーションアーチファクトを低減するため、位相エンコードマトリクス数を減らした。

1.×BWを広くする。位相分散の影響を少なくするためTE短縮、スライス厚やボクセルサイズの縮小でも低減できる。
2.×TE短縮では低減されない。TEの短いシーケンスで現れるためTEの長いシーケンスに変更する。マジックアングルの発生する組織と55°にならないようにポジショニングする。マジックアングル
3.×オーバーサンプリングは折り返しの防止法。クロストークはギャップを広くしたりインターリーブを用いる。
4.○
5.×マトリクス数を増やす。BWを狭くするなど。トランケーション

16-2)1H の共鳴周波数が 127.8 MHz の MRI 装置において、水と脂肪の磁化が In-phase を繰り返す周期で正しいのはどれか。ただし、R:繰り返し周期[s]、C:ケミカルシフト[ppm]、γ:磁気回転比[42.6 MHz / T]とする。

1. R = γ / 3*C
2. R = 1 / 2*C*γ
3. R = 1 / 3*C*γ
4. R = 1 / 6*C*γ
5. R = 6*C*γ

1.2.3.○4.5.
①共鳴周波数127.8MHzのMRI装置とは、磁気回転比γ(42.6MHz)で割って・・・127.8/42.6=3T、3T装置となる。
②3T装置のin-phaseは2.2msなため、in-phaseの繰り返し周期R=2.2ms=1/(3×3.5×42.6)・・・R=1/(3×C×γ)
ちなみにopposed-phaseの時は、、
②3T装置のopposed-phaseは1.1msのため、opposed-phaseの繰り返し周期R=1.1ms=1(6×3.5×42.6)・・・R=1/(6×C×γ)

16-21)アーチファクトに対する対策で正しいのはどれか。3 つ選べ。

1. 流れ—– Gradient moment nulling (GMN)の利用
2. 磁化率—– View angle tilting (VAT)の利用
3.ゴースト—– TRを短縮する
4. 化学シフト—– 受信バンド幅を広くする
5. トランケーション(打ち切り)—– 位相エンコード回数を間引く

1.○GMN=FC、GMR、MAST
2.○読み取り時に周波数エンコード傾斜磁場とスライス選択傾斜磁場を同時に印加しシフトした信号を本来の位置に戻す方法。
3.×間隔狭くなる 間隔D=撮像時間(TR×Ny×NEX)/動きの周期
4.○
5.×エンコード数を増やす

16-25)シングルショット EPI で得られた拡散強調画像を示す。この画像とアーチファクトについて正しいのはどれか。2 つ選べ。

1. 位相エンコードは RL 方向である
2. アーチファクトが原因で ADC 値が不正確になる
3. 周波数エンコード数はアーチファクトに影響しない
4. パラレルイメージングの倍速ファクターでアーチファクトの出現位置がかわる
5. アーチファクトは偶数エコー,奇数エコーの位相がそれぞれシフトすることが原因で発生する

1.×アーチファクトはケミカルシフト、EPIでは位相方向に出現するためこの画像ではAP方向が位相エンコード。
2.○アーチファクト部ではADCは低下する
3.×周波数エンコード数を少なくすることで改善する
4.○位相エンコード方向のサンプリング時間によってケミカルシフトの位置が変わる
5.×エヌハーフのこと
※ケミカルシフトの場合、出現は1方向にしか出ないが、画像では2つの位置に出現している。そのためNハーフも考えられるがNハーフでは実質のシフトもみられる。結局アーチファクトの見た目からケミカルシフトと考慮。

15-12) 脂肪抑制法に関する正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. 拡散強調画像には必要不可欠である。
  2. モーションアーチファクト低減に寄与する。
  3. Dixon 法の opposed phase 画像は脂肪組織が低信号になる。
  4. CHESS(chemical shift selective)法は低磁場装置に不向きである。
  5. STIR(short TI inversion recovery)法は脂肪の信号を選択的に抑制する。

?
1.○位相方向に大きくケミカルシフトが生じるため必須。
2.○腹部領域などにおいて呼吸によるアーチファクトは高信号の皮下脂肪が目立つため、脂肪抑制は有効。
3.×脂肪と水が混在する場合低信号。
4.○
5.×T1値に依存するため脂肪でなくとも低信号になる場合がある。非選択的脂肪抑制法。
2つ選ぶ問だが1、2、4は○と考えられる。
解説(DWI)

15-14) 受信バンド幅を広げたときの影響に関する正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. サンプリング時間は延長する。
  2. 化学シフトアーチファクトは低減する。
  3. 撮像可能なスライス枚数は増加する。
  4. モーションアーチファクトは顕著になる。
  5. SNR(signal-to-noise ratio)は向上する。

1.×短縮する。BW=1/ΔTs(サンプリング間隔)。Ts(サンプリング時間)=N×ΔTs。
2.○
3.○マルチスライス
4.×低減する。
5.×低下する。

15-20) アーチファクトに関する正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. 魔法角アーチファクトは撮像断面を変更すると消失する。
  2. 化学シフトアーチファクトは脂肪信号が高周波側へシフトする。
  3. SE 法における拡張期偽同期現象は T1 強調画像で発生しやすい。
  4. 打ち切りアーチファクトは急に信号が変化する領域で発生しやすい。
  5. 折り返しアーチファクトは全方向(周波数・位相・スライス方向)に出現する。

1.×静磁場に対して靭帯などが55°のときに高信号になる現象。断面を変更してもこの位置関係は変わらないため消失はしない。マジックアングル
2.×低周波側へシフト。化学シフト
3.×拡張期では流速がほぼ0となり拡張周期に一致すると止まった血液を撮像するので高信号となる。T2で発生しやすい。
4.○
5.○

14-7) 1-2-1 の二項展開パルス(binomial expansion pulses)によって水を励起する。H の共鳴周波数を f [MHz]、ケミカルシフトを C [ppm]とした場合のパルス間隔はどれか。

  1. C・f
  2. 2・C・f
  3. 1 / (C・f)
  4. 2 / (C・f )
  5. 1 / (2・C・f )

1.×
2.×
3.×
4.×
5.○二項展開パルスではout of phaseになるタイミングでRF照射していく。1/Cfの時in phaseなので1/2Cfでout of phaseとなる。
解説(化学シフト)

14-12)化学シフトに関する正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. 水の 1H 原子核の化学シフトは脂肪より約 3.5ppm 低い。
  2. 化学シフトアーチファクトは受信バンド幅を広げると強くなる。
  3. 第 2 の化学シフトアーチファクトはあらゆる方向に出現する。
  4. 第 2 の化学シフトアーチファクトを利用すると脂肪を定量できる。
  5. EPI を除き化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に現れる。

1.×高い。
2.×小さくなる。
3.○
4.○Multipoint Dixon
5.×EPIが位相方向、その他は周波数方向に現れる。
解説(化学シフト)

14-38)水とサラダ油を混合したファントムの MR 画像を以下に示す。a の波線で囲まれた部分を拡大した画像が b、c、d であり、それぞれ受信バンド幅を変化させて撮像している。正しいのはどれか。3つ選べ。

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より
  1. c は b よりも受信バンド幅が広い。
  2. 位相エンコード方向は L-R である。
  3. SNR が最も高くなるのは d である。
  4. アーチファクト(位置ずれ)は一般的に、サラダ油で生じる。
  5. アーチファクト(位置ずれ)は静磁場強度が強いほど生じやすい。

1.○ケミカルシフト(CS)とSNRに注目する。BWが大きいほどCSは小さくなるため、BWのサイズはb<c<dとわかる。またBWは大きいほどSNRが低くなるためdで一番SNRが低い。
2.×CSは周波数方向に現れる。aを見ると左右にずれていることが観察できるためL-Rが周波数方向、A-Pが位相方向。ちなみにEPIでは位相方向にCSが現れる。
3.×画像からでも判断できるが、論理的に考察するとBWが一番小さいのがbのためbが一番SNRが高く、dが一番低い。
4.○サラダ油(脂肪)が周波数の低い方にずれる。ちなみに上が油で下が水と思われる。
5.○
解説(化学シフト)

13-24) 化学シフトに関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)

1. 水の 1H 原子核の化学シフトは脂肪より約 3.5ppm 大きい。
2. 化学シフトアーチファクトは受信バンド幅を広げると強くなる。
3. 第 2 の化学シフトアーチファクトはあらゆる方向に出現する。
4. 第 2 の化学シフトアーチファクトは逆位相画像だけに見られる。
5. EPI を除き化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に現れる。

1.○
2.×小さくなる。
3.○
4.○
5.×EPIでは位相エンコード方向に、その他シーケンスは周波数方向に出現する。
解説(化学シフト)

12-3)MRS ピークについて正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1. プロトン密度が高いほど、高くなる。
2. 横緩和時間が短いほど、幅は広くなる。
3. シミング精度が高まると、幅は広くなる。
4. 静磁場強度が高いほど、分離精度は悪くなる。
5. ケミカルシフト(ppm)の値が低いほど、スペクトルの左側に出現する。

1.○
2.○
3.×シミングが悪いとピーク半値幅が大きくなり分解能が低下する。
4.×高磁場ほどSNRが高くピークの半値幅は狭くなる。
5.×スペクトル左ほど高い。
解説(MRS)解説(化学シフト)

11-4)受信バンド幅を広げた場合について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.SNR が向上する。
2.短い TE を設定できる。
3.傾斜磁場システムの負荷が高まる。
4.磁化率アーチファクトが大きくなる。
5.ケミカルシフトアーチファクトが大きくなる。

1.×1/√BWでSNRが低下する。
2.○BWを広げると逆数のサンプリング時間が短くなり短いTEを設定できる。
3.○FOV=BW/GからFOV一定とするとBWが大きいとき傾斜磁場Gも大きくなるため負荷がかかる。
4.×磁化率アーチファクトは改善する。
5.ケミカルシフトは小さくなる。
解説(化学シフト)

11-18)下垂体の MR 検査で正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.疾患部はダイナミック造影検査で正常部より早期濃染する。
2.ラトケ嚢胞は T1,T2 強調像で脳脊髄液と同様の信号強度を示す。
3.T1 強調像の下垂体後葉の信号が消失する疾患として中枢性尿崩症がある。
4.成人の正常下垂体の大きさは年齢性別に関係なくほぼ一定での大きさである。
5.T1 強調像矢状断面の撮像では、化学シフトによる下垂体後葉と斜台の脂肪の重なりを避ける工夫が必要である。

1.×正常部の方が早期に濃染。
2.×信号強度は様々、脳脊髄液とほぼ同様の信号強度を示すこともある。
3.○
4.×年齢性別で様々。
5.○周波数エンコード方向が上下の時、斜台の脂肪が化学シフトにより下垂体後葉に重なる恐れがある。周波数を前後にすることで避けられる。
解説(化学シフト)

11-24) MR スペクトロスコピー(MRS)について、正しい記述を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.Cr(クレアチン)は病的な状態に敏感である。
2.Lactate はエネルギーの代謝障害が起こると低下する。
3.Cho(コリン)は細胞増殖や破壊の亢進が起こると上昇する。
4.NAA(N-acetyl-aspartate)は神経細胞障害や発達障害が起こると上昇する。
5.ppm(parts per million)表記は化学シフトの差が静磁場強度に依存しない普遍的な値となる。

1.× 比較的安定したピーク。
2.×上昇
3.○
4.×
5.○
解説(MRSピーク)解説(化学シフト)

11-28) MRI画像のアーチファクトについて正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1. フローアーチファクトが出る間隔は、TE に依存する。
2. フローアーチファクトは、位相エンコード方向に出やすい。
3. 折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向にも出現する。
4. トランケーションアーチファクトは、バンド幅を狭くすると軽減する。
5.ケミカルシフトアートファクトは、脂肪信号が傾斜磁場の高い方へシフトする。

1.×TRに依存。 間隔D=(Ny*TR*NSA)/動きの周期T
2.○
3.○最大周波数の1周期あたり2回以上サンプリングできなければ発生。現在の装置では周波数方向は自動で折り返さないようサンプリングされている。
4.○
5.×脂肪は低い方へ出現。
解説(化学シフト)

11-39) 化学シフトアーチファクトについて正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1. 受信バンド幅が広いほど目立つ。
2. スライス選択方向にも出現する。
3. 送信 RF 強度に比例して強くなる。
4. 脂肪組織は周波数の低い方向に出現する。
5. 1.5T でバンド幅が 130Hz/px の場合、3 ピクセルずれる。

1.×広いほど目立たなくなる。
2.○
3.×RF強度と比例関係には無い。
4.○
5.× 42.6MHz/T×1.5T×3.5ppm=223.65Hz 223.65/130=1.72pix
解説(化学シフト)

10-1)女性骨盤撮像に関する記載について正しいものを選んでください。(正解2つ)

1.子宮腺筋症は、T2 強調像において点状出血による高信号の散在がみられる。
2.子宮腺筋症は、T2 強調像で低信号を示す筋層内病変で、境界不明瞭である。
3.Endometriotic cyst は、脂肪成分と非脂肪成分の境界にケミカルシフトが出現する。
4.成熟嚢胞性奇形腫は皮脂腺から分泌された皮脂を含むため、T1、T2 強調像で高信号を示す。
5.内膜症性嚢胞の T1 強調像の低信号は、凝固血液や脱落上皮、その壊死物質に起因すると考えられている。

1.×点状出血はT1WIにより高信号。
2.○
3.×チョコレート嚢胞。ケミカルシフトは成熟嚢胞性奇形腫。
4.○
5.× チョコレート嚢胞。T1WIで高信号を示す。T2WIで低〜高信号。
解説(化学シフト)

10-24) MR スペクトロスコピー(MRS)について、正しい記述を選択してください。(正解 2 つ)

1.Cr(クレアチン)は病的な状態に敏感である。
2.Lactate はエネルギーの代謝障害が起こると低下する。
3.Cho(コリン)は細胞増殖や破壊の亢進が起こると上昇する。
4.NAA(N-acetyl-aspartate)は神経細胞障害や発達障害が起こると上昇する。
5.ppm(parts per million)表記では、化学シフトの差が静磁場強度に依存しない普遍的な定数となる。

1.× 比較的安定したピーク。
2.×上昇
3.○
4.×
5.○
解説(MRSピーク)解説(化学シフト)

10-33)MRS ピークについての正しい説明を選択してください。(正解 2 つ)

1.幅は横緩和時間に反比例する。
2.高さはプロトン密度に比例する。
3.右側のピークが共鳴周波数は高い。
4.幅はシミング精度が良くなると広くなる。
5.静磁場強度とケミカルシフト(ppm)は比例する。

1.○共鳴周波数幅とT2
2.○
3.×左が高い。
4.×狭くなる。
5.×ppmは不変。
解説(MRS)解説(化学シフト)

10-48) MRI画像のアーチファクトについて、正しい文章を答えてください。(正解3つ) 

1.フローアーチファクトが出る間隔は、TEに依存する。
2.フローアーチファクトは、位相エンコード方向に出やすい。
3.折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向にも出現する。
4.ケミカルシフトは脂肪が傾斜磁場の高い方へシフトする現象である。
5.N/2アーチファクトはEPIで見られ、FOVの位相エンコード1/2の場所に見られる。

1.×TRに依存。 間隔D=(Ny*TR*NSA)/動きの周期T
2.○
3.○最大周波数の1周期あたり2回以上サンプリングできなければ発生。現在の装置では周波数方向は自動で折り返さないようサンプリングされている。
4.×脂肪は低い方へ出現。
5.○
日本磁気共鳴専門技術者認定機構ではアップされていないが原本より
解説(化学シフト)

10-49) 化学シフトアーチファクトについて、正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.TE を長くすると目立たなくなる。
2.化学シフトはスライス選択方向には見られない。
3.受信バンド幅を大きくすると、化学シフトも大きくなる。
4.3T では化学シフトが 7ppm となるため、1.5T よりずれが大きくなる。
5.32KHz の受信バンド幅で 512 ピクセルの場合、3.0T の化学シフトは 7 ピクセルである。

1.○
2.×スライス方向でも見られる。
3.×化学シフトは小さくなる。
4.×3.5ppmは不変。
5.○1pixelあたりのBWを算出し、化学シフトがどれだけずれるかを計算する。
1pixelあたりのBW=32000/512=62.5Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/62.5=7.152pixel
解説(化学シフト)

9-7)MRS ピークについての正しい説明を選択してください。(正解 2 つ)

1.幅は横緩和時間に反比例する。
2.高さはプロトン密度に比例する。
3.右側のピークが共鳴周波数は高い。
4.幅はシミング精度が良くなると広くなる。
5.静磁場強度とケミカルシフト(ppm)は比例する。

1.○共鳴周波数幅とT2
2.○
3.×左に行くほど高い。
4.×シミング精度が良くなると幅は狭くなる。
5.×比例しない、Hz表記では比例関係。
解説(MRS)解説(化学シフト)

9-12) 受信バンド幅について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.サンプリン時間に反比例する。
2.大きくなると SNR が上昇する。
3.大きくなると化学シフトが大きくなる。
4.大きくなると磁化率アーチファクトが小さくなる。
5.大きくなるとリンギングアーチファクトが大きくなる。

1.○
2.× SNRは低下する。
3.×化学シフトは小さくなる。
4.○
5.○トランケーションアーチファクト
解説(化学シフト)

9-26)Gradient echo (GRE)シーケンスについて 正しい記述を選択してください。(正解3つ)

1.3個のαパルスを異なった間隔で印加すると3個の FID と5個のエコーが形成される。
2.1.5 T の磁場において TE=4.5msec、9 msec であれば水と脂質中のプロトンは逆位相になる。
3.Balanced SSFP では3(X、Y、Z)方向の流速補償が成り立ち、流入効果とともに 血管内が高信号になる。
4.第2の化学シフトアーチファクトは、周波数あるいは位相エンコード方向とは関係ないので、どの方向にも現れる。
5.Balanced SSFP(steady-state free precession)の信号強度は T1/T2 にほぼ比例するので hydrography に適する。

1.○
2.×同位相
3.○
4.○
5.× T2/T1
解説(化学シフト)解説(GRE)解説(SSFP)

9-31)EPIでのアーチファクトについて 正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.磁化率アーチファクトは位相エンコード方向がめだつ。
2.化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に出現する。
3.折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向に出現する。
4.N/2アーチファクトは周波数エンコード方向にFOVの半分だけ位置ずれする。
5.T2 フィルタリングによる解像特性の劣化は、位相エンコード方向に出現する。

1.○
2.○
3.×位相エンコード方向
4.×位相エンコード方向
5.×
解説(化学シフト)

9-37)化学シフトアーチファクトについて 正しい文章を解答して下さい。(正解2つ)

1. EPI では、位相エンコード方向によく見られる。
2. 化学シフトはスライス選択方向には見られない。
3. 受信バンド幅を大きくすると化学シフトも大きくなる。
4. 3 T では化学シフトが 7 ppm となるため、1.5 T よりずれが大きくなる。
5. 32 KHz の受信バンド幅で 256 ピクセルの場合、3.0 T の化学シフトは 3.6 Hz である。

1.○
2.×スライス選択方向にも見られる。
3.×BW大きくすると小さくなる
4.× 3Tも1.5Tも3.5ppm
5.○1pixelあたりのBWを算出し、化学シフトがどれだけずれるかを計算する。
1pixelあたりのBW=32000/256=125Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/125=3.576pixel
解説(化学シフト)

9-38) 3 T 装置で、1 ピクセルあたりのバンド幅が 62.5 Hz、ETL=3、256 サンプリングで 収集したシーケンスでのケミカルシフトアーチファクトは画像上で約何ピクセルとなるか。(正解1つ)

1.1ピクセル
2.2ピクセル
3.3ピクセル
4.5ピクセル
5.7ピクセル

1.×
2.×
3.×
4.×
5.○37問と同様に
1pixelあたりのBW=62.5Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/62.5=7.152pixel
解説(化学シフト)

8-4)次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ) 

1.RF の波長は磁場強度に比例する。
2.磁化率効果は磁場強度に比例する。
3.力学的作用の内、トルクは磁場強度の2乗に比例する。
4.ppm で表す化学シフトは磁場強度が増大すると大きくなる。
5.磁場強度が高くなると縦緩和時間および横緩和時間が長くなる。

1.×比例しない。RF波長
2.○
3.○
4.×ppmは不変。
5.×T1は延長(比例ではない)する。T2は短縮する傾向がある。
解説(化学シフト)

8-17)下垂体の MRI で正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.T1、T2 強調像でラトケ嚢胞は脳脊髄液とほぼ同様の信号強度を示す。
2.ダイナミック造影は正常部より疾患部が早期濃染することを利用する。
3.T1 強調像の下垂体後葉の信号が消失する疾患として中枢性尿崩症がある。
4.成人の正常下垂体の大きさは年齢性別に関係なくほぼ一定での大きさである。
5.T1 強調像矢状面で周波数エンコードを前後方向にするのは下垂体後葉と斜台の脂肪の重なりを避けるためである。

1.×信号強度は様々、脳脊髄液とほぼ同様の信号強度を示すこともある。
2.×正常部の方が早期に濃染。
3.○
4.×年齢性別で様々。
5.○周波数エンコード方向が上下の時、斜台の脂肪が化学シフトにより下垂体後葉に重なる恐れがある。周波数を前後にすることで避けられる。

8-26)Gradient echo(GRE)シーケンスについて正しい記述を選択してください。(正解3つ)

1.balanced SSFP の信号強度は T1/ T2 にほぼ比例するので hydrography に適する。
2.3 個の α パルスを異なった間隔で印加すると 3 個の FID と 5 個のエコーが形成される。
3.第 2 の化学シフトによると 1.5 T の磁場において TE=4.5ms,9 ms であれば水と脂質中のプロトンは逆位相になる。
4.balanced steady –state free precession (balanced SSFP)では 3(X Y Z)方向の流速補償が成り立ち、流入効果とともに血管内が高信号になる。
5.第 2 の化学シフトアーチファクトは、周波数あるいは位相エンコード方向とは関係ないので、どの方向にも現れ筋肉や腸管全体を取り巻くように描かれる。

1.× T2/T1
2.○
3.× 同位相となる。約2.2ms:逆位相、約4.4ms:同位相、約6.6ms:逆位相、約8.8ms:同位相
4.○
5.○
解説(化学シフト)解説(GRE)解説(SSFP)

8-31)EPIでのアーチファクトについて、正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に出現する。
2.磁化率アーチファクトは位相エンコード方向がめだちやすい。
3.折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向に出現する。
4.T2 フィルタリングによる解像特性の劣化は位相エンコード方向に出現する。
5.N/2アーチファクトは周波数エンコード方向にFOVの半分だけ位置ずれする。

1.○EPIは位相方向、EPI以外は周波数方向。
2.○
3.×位相エンコード方向に出現。
4.×
5.×位相エンコード方向に出現。
解説(化学シフト)

7-6)3 テスラ装置の記述について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

 1.比吸収率(SAR)は 1.5 テスラの約 2 倍になる。
2.磁化率効果は 1.5 テスラより約 2 倍大きくなる。
3.化学シフト(ppm)は 1.5 テスラの 2 倍になる。
4.強磁性体に加わる回転力(トルク)は 1.5 テスラの約 4 倍になる。
5.第 2 の化学シフトアーチファクトの強さは 1.5 テスラより強く現れる。

1.× 2乗なので4倍 
SAR∝(σD(B0θR)2)/ρ
σ:電気電導度、D:デューティーサイクル、θ:フリップアングル、R:半径、ρ:密度
水分含有量の多い組織はσ電気伝導率が高くなる
2.○
3.×ppm表示では不変で3.5ppm
4.○
5.×変わらない。
解説(化学シフト)

7-12)次の記述について正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.比吸収率(SAR)は磁場強度に比例する。
2.磁化率効果は磁場強度に比例する。
3.J-カップリングは磁場強度に比例する。
4.化学シフト(Hz 単位)は B0 に比例する。
5.渦電流は電気電導率が高いほど大きい。

1.× 磁場強度の2乗
2.○
3.×不変
4.○Hzでは比例、ppmでは不変。
5.○
解説(化学シフト)

7-19) 受信バンド幅について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ) 

1.受信バンド幅とサンプリン時間は比例する。
2.受信バンド幅が大きくなると、化学シフトが小さくなる。
3.受信バンド幅が大きくなると、リンギングアーチファクトが大きくなる。
4.受信バンド幅が大きくなると、SNR は上昇する。
5.受信バンド幅が大きくなると、磁化率アーチファクトが小さくなる。

1.×反比例
2.○
3.○トランケーションアーチファクト
4.× 1/√BW で低下する
5.○
解説(化学シフト)

7-21)化学シフトアーチファクトについて、正しい文章を選択してください(正解2つ)

1. TE を延長すると、化学シフトが発生しやすい。
2.スライス選択方向には、化学シフトは発生しない。
3.受信バンド幅を小さくすると、化学シフトは目立たなくなる。
4.スピンエコー法では、位相エンコード方向には化学シフトは発生しない。
5. 32KHz の受信バンド幅で 256 ピクセルの場合、3.0T の化学シフトは 3.6 ピクセル である。

1.×
2.×発生する。
3.×BW狭い方が目立つ。
4.○
5.○1pixelあたりのBWを算出し、化学シフトがどれだけずれるかを計算する。
1pixelあたりのBW=32000/256=125Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/125=3.576pixel
解説(化学シフト)

6-(15) 次の記述について、正しい文章を解答して下さい。(正解3つ)

1.J カップリングは磁場強度に比例する。
2.ケミカルシフト(ppm)は磁場強度に比例する。
3.自由誘導減衰信号は RF パルスにより発生した横磁化により観測される。
4.一般に MR 信号は π/2 位相がずれた実部と虚部から成り立つ複素数データをもつ。
5.1H のスピン量子数は 1/2 で、磁場内に置かれるとエネルギー準位が2つに分かれる。

a.×J カップリングは磁場強度と関係しない。
b.×ppmは比例しない、ちなみにHzは比例する。
c.○
d.○
e.○
解説(化学シフト)

6-(27) 化学シフトアーチファクトについて、正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1. TE を長くすると目立たなくなる。
2.化学シフトはスライス選択方向には見られない。
3.受信バンド幅を大きくすると、化学シフトも大きくなる。
4.3T では化学シフトが 7ppm となるため、1.5T よりずれが大きくなる。
5.32KHz の受信バンド幅で 256 ピクセルの場合、3.0T の化学シフトは 3.6 ピクセルである。

a.○
b.×スライス方向にも観察される。
c.×化学シフトは小さくなる。
d.×3Tでも変わらず3.5ppm。
e.○1pixelあたりのBWを算出し、化学シフトがどれだけずれるかを計算する。
1pixelあたりのBW=32000/256=125Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/125=3.576pixel
解説(化学シフト)

6-(30) MRI の原理について、正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.脂肪のメチル基は少ないので MRI には反映されない。
2.MRI の SNR は観測する対象の温度が下がると低下する。
3.31P-MR 画像のケミカルシフトアーチファクトは 1H に比べて大きい。
4.ケミカルシフトアーチファクトの大きさはバンド幅と温度に依存する。
5.EPI のケミカルアーチファクトはスピンエコーに比べバンド幅広いので小さい。

a.×反映される。中性脂肪のメチン基、メチレン基、メチル基の中ではメチン基が少ない。
b.×SNR上がる。ボルツマン分布則より。MRI原理1
c.○
d.×BWには依存するが温度には依存しない。解説(化学シフト)
e.○

ボルツマン分布則

5-(2) 次の記述について、正しい文章を解答して下さい。

a.Jカップリングは磁場強度に比例する。
b.自由誘導減衰信号はRFパルスにより発生した横磁化により観測される。
c.一般にMR信号はπ/2位相がずれた実部と虚部から成り立つ複素数データをもつ。
d.ケミカルシフト(ppm)は磁場強度に比例する。
e.1Hのスピン量子数は 1/2 で、磁場内に置かれるとエネルギー準位が2つに分かれる。

a.×磁場強度に依存しない。
b.○
c.○
d.×ppmは比例しないがHz単位では比例する。
e.○
解説解説(化学シフト)

5-(31) 歪みの現象について、正しい文章を解答して下さい。

a. EPI 法では、周波数方向に歪みは大きく出現する。
b. EPI 法では、ケミカルシフトと同方向に歪みは大きく出現する。
c. SE 法での静磁場不均一による歪みは、周波数方向に大きく出現する。
d. SE 法での傾斜磁場直線性不良による歪みは、周波数方向にのみ大きく出現する。
e. EPI 法での歪みの最大要因は、渦電流である。

a.×位相方向。
b.○EPIのケミカルシフトは位相方向に出現。
c.○
d.×位相にも歪む。
e.×磁化率の影響が大きい。
解説(化学シフト)

5-(33) 化学シフトアーチファクトについて、正しい文章を解答して下さい。

a. EPI では、位相エンコード方向によく見られる。
b. 3T では化学シフトが 7ppm となるため、1.5T よりずれが大きくなる。
c. 32KHz の受信バンド幅で 256 ピクセルの場合、3.0T の化学シフトは 3.6Hz である。
d. 受信バンド幅を大きくすると、化学シフトも大きくなる。
e. 化学シフトはスライス選択方向には、見られない。

a.○
b.×磁場によらず3.5ppm
c.×1pixelあたりのBWを算出し、化学シフトがどれだけずれるかを計算する。
1pixelあたりのBW=32000/256=125Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/125=3.576pixel
Hzじゃなくてピクセル。
d.×BW大きいと化学シフト小さくなる。
e.×スライス選択方向にも見られる。
解説(化学シフト)

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