緩和能

目次

用語

緩和能 (relaxivity):r1 r2
単位 [(mmol/L)-1s-1] 
「単位濃度あたりどのくらい緩和時間を短縮するか」というもの
主に造影剤の性能を表すのに用いる
緩和能が大きいほどT1、T2を短縮させる

解説

造影剤投与前T1,T2
造影剤投与後T1p,T2p
c:濃度、r1,r2:緩和能

元のT1=500ms、T2=50ms、造影剤(r1=5、r2=6)の濃度0.1mmol/Lで造影された時の溶液のT1,T2を求める場合

造影剤濃度がさらに高くなるとT1が短縮しより高い信号上昇を望めるが、T2も共に短縮してしまいTEよりも短くなるとかえって信号低下を招いてしまう。

以下は造影剤の緩和能です。参考程度に

Gd-DTPAやEOBはT1WIにて染まった血管や腫瘍などを高信号として描出するために用い、リゾビストはT2WIにて正常肝を低信号にすることでコントラストがついた腫瘍を目立たせるために用いる。

過去問

問題 7 縦緩和能(r1) 4 mM-1・s-1 の造影剤によって、縦緩和時間 1176 ms の組織が 0.1 mM の濃度で造影された。造影後の縦緩和時間[ms]はどれか。

1. 725
2. 750
3. 775
4. 800
5. 825

1.×
2.×
3.×
4.○ 
5.×

15-29) 造影検査に関する正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. 緩和時間の逆数を緩和能と呼ぶ。
  2. SPIO(superparamanager iron oxide)は T1 強調画像で活用する。
  3. 塩化マンガン四水和物は T2 強調画像にて陰性造影効果を示す。
  4. Gd-EOB-DTPA の血漿中の r1 値,r2 値は Gd-DTPA より高い値を示す。
  5. ガドリニウム造影剤 0.1mmol/kg 投与時の血中消失半減期はクレアチニンクリアランスが正常の場合約 30 分である。

1.×緩和時間Tの逆数は緩和速度R。緩和能rは緩和時間を変化させる能力の大きさ。
2.×SPIOはr1:24、r2:85でありT2短縮効果が強く陰性造影剤として用いられているためT2WIもしくはT2*WIで撮像。
3.○塩化マンガン四水和物:ボースデル。T1で陽性、T2で陰性造影剤として使用可能。
4.○
5.×正常:1.5時間。軽度:1.5〜2時間。中等度:4時間。重度:10時間。重篤:30時間。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次