b値

目次

用語

拡散によるコントラストをどの程度強調するかの指標
b値の単位は〔s/mm2〕  (ADC〔mm2/s〕の逆数)

解説

b値を高くすると、上図Gの上昇に装置性能上限界があるため、δとΔを延長せざるを得なく、TEが延長する。

b値を高くすると灌流の影響は減少し、拡散係数の違いによるコントラストはより大きくなる。

↓拡散強調画像の信号強度S

関連→ADC

過去問

19-問題 12 拡散強調像について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. b値の単位は拡散係数の単位の逆数である。
2. IVIMは灌流の影響を除外した拡散モデルである。
3. FA値を得るためには3軸以上のMPG印加が必要である。
4. 拡散係数が大きい組織を評価する場合はb値を大きくする。
5. Axial diffusivityは異方性が最も強い方向の拡散係数である。

1.○b値[s/mm2]、拡散係数[mm2/s]
2.×拡散と灌流の影響を考慮したモデル。
3.×6軸
4.×
5.○アナイソトロピック拡散の長軸方向。

19-問題 27 Single-shot EPI法の拡散強調像について正しいのはどれか。

1. 低いb値では強いMPGを印加する。
2. 低いb値では灌流の影響を受ける。
3. ケミカルシフトは周波数方向に生じる。
4. b値の組み合わせを変えてもADCは一定である。
5. 受信バンド幅に関係なく画像歪みは実行TEを短縮すると低減する。

1.×高いb値で強いMPGを使う。
2.○b値を高くすると灌流の影響は小さくなる。
3.×各位相エンコードステップが独立しておらず水と脂肪の位相ズレが積算し位相方向へケミカルシフトが発生。ケミカルシフト
4.×高いb値ではSNRが低下しノイズの影響によりADCも低下する。
5.×画像歪みは変わらない。

18-問題10 拡散強調画像について正しいのはどれか。

1. b 値の単位は平方メートル毎秒である。
2. IVIM は灌流の影響を除外した拡散のことを言う。
3. FA 画像の作成には 3 軸以上の MPG 印加が必要である。
4. 拡散の異方性が完全に無い場合、FA 値の算出はできない。
5. 拡散係数の算出には 2 つ以上の b 値による撮像が必要である。

1.× b値は〔s/mm2〕 ADCは〔mm2/s〕
2.×IVIM:Intra Voxel Incoherent Motion。拡散強調画像には灌流と拡散の両方が関与しているが、拡散だけの情報が欲しいためにb値を高くして灌流の影響を排除している。IVIMは灌流と拡散を同時に観察するもの。
3.×6軸
4.×FA値は0〜1。等方性拡散が強くなると0に近づき、異方性拡散が強いと最大値1に近づく。異方性が無い場合は0となる。
5.○

17-問題 12 正しいものを選べ。

1. b 値は MPG を印加する間隔に依存しない。
2. 拡散係数の単位は秒毎平方メートルである。
3. 低い b 値では灌流の影響で拡散係数は低くなる。
4. b 値の増加に伴う信号低下は、拡散係数の小さい組織のほうがより顕著である。
5. b 値が同じ場合、十分な大きさの容器内では拡散時間を変化させても ADC 値は変化しない。

1.×b値=γ2G2δ2(Δ-δ/3) γ:磁気回転比、G:MPGの強さ、δ:MPGの印加時間、Δ:始めのMPGと次のMPGまでの時間
2.×平方ミリメートル毎秒(mm2/s)
3.×低いb値ほど灌流の影響は強くなり拡散係数は大きくなる
4.×拡散係数が小さい(DWIで高信号)ほど信号低下しにくい、拡散係数が大きいほど信号は大きく低下する→よりコントラストが大きくなる
5.○

1 7-問題 13 正しいものを選べ。FA:fractional anisotropy、IVIM:intravoxel incoherent motion 

1. FA 画像は 3 軸以上の MPG が必要である。
2. FA 値による拡散異方性は、0.5 より 1.5 のほうが強い。
3. IVIM は灌流の影響を除外した拡散のことである。
4. Radial diffusivity は拡散異方性が最も強い方向の拡散係数である。
5. b 値を大きくすると拡散係数の大きい組織は ADC 値を過小評価してしまう。

1.×6軸
2.×FA値は0〜1。異方性拡散が強いと最大値1に近づく。
3.×IVIM:Intra Voxel Incoherent Motion。拡散強調画像には灌流と拡散の両方が関与しているが、拡散だけの情報が欲しいためにb値を高くして灌流の影響を排除している。IVIMは灌流と拡散を同時に観察するもの。
4.×組織内の拡散において楕円形モデルなるものがあり長軸方向のAD:Axial diffusivityが強い
5.○b値を大きくなるに従いSNRが低下して、ノイズ信号のバイアスに影響を与えADC値も低下する。

17-問題 28 拡散強調画像について正しいものを選べ。

1. SNR が足りないので b 値を大きくした。
2. 歪みが強いのでエコー時間を短縮した。
3. 胸部や腹部の撮像には呼吸同期が必須である。
4. b 値の組み合わせを変えても ADC は一定である。
5. ADC が高くても正常組織より高信号になることがある。

1.×b値が大きいほどSNRは低下する
2.×TEは歪みに影響しない
3.×呼吸同期なしでも十分な画像が得られる(例としてDWIBSなど)
4.×ADCは以下で計算されるが、正確に算出するにはADCの逆数分のb値が必要となる。b1は0として、b2は目的臓器のADCが0.7mm2/s程度の場合、b2=1400s/mm2程度となる。さらに高b値ではSNR低下によりADCが低下してくるためどんなb値でもADCは一定になるとは言えない。
5.○T2 shine through?

17-問題 37 前立腺がんの MRI 検査について正しいものを選べ。

1. T2 強調像は鉄沈着の診断に有用である。
2. T1 強調像は移行域での過形成結節との鑑別に有用である。
3. 造影ダイナミックの 1 相目は 90 秒以下が推奨されている。
4. High b value 拡散強調像の b 値は 500 s/mm2 以下が有用である。
5. 高分解能 T2 強調像は小さな前立腺がんや被膜外浸潤の診断に有用である。

1.×がんの診断
2.×移行域の過形成結節は肥大症で認められることがあり高信号と低信号が混在する。
3.×前立腺癌は早期濃染するため90秒では遅い。”以下”という言い方はいやらしいですね。
4.×PI-RADS v2以降ではhigh b-value DWIはb≧1400s/mm2としている。
5.○

17-問題 38 正しいものを選べ。
DWIBS:diffusion weighted whole body imaging with background body signal suppression、QSM:quantitative susceptibilitymapping、SWI:susceptibilityweightedimaging、CEST:chemicalexchangesaturationtransfer

1. DWIBS は全身の拡散強調背景抑制法である。
2. QSM は脂肪有率を定量的に算出した画像である。
3. SWI は磁化率強調像を定量的に得る撮像法である。
4. Computed DWI は 2 つ以上の b 値を利用して任意の ADC 値を求める手法である。
5. CEST イメージングは脂肪と水のプロトン間での交換が起こる現象を示した画像である。

1.○
2.×定量的磁化率マッピング。磁化率を定量的に算出した画像であり、脳の鉄沈着を調べ認知症などに用いる。
3.×磁化率強調像を得る方法、定量的ではない。頭部において静脈の画像を得たり、外傷や腫瘍などに用いる。
4.× 2 つ以上の b 値を利用して任意のb値の信号強度を求める
5.×水のプロトンと特定のプロトン間での交換。生体内ではアミドやヒドロキシ基(内因性CEST)。他にはヨード系造影剤など(外因性CEST)。

14-21)Apparent diffusion coefficient(ADC)に関する正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. ADC 値の単位は[s/mm2]である。
  2. 生体組織の温度は ADC 値に影響する。
  3. 運動検出傾斜磁場の印可時間や間隔は同じ b 値であれば ADC 値に影響しない。
  4. ADC 値を計算するためには運動検出傾斜磁場を 3 軸方向以上に印可しなければならない。
  5. 大きな MPG(b2)の信号強度を S2、小さな MPG(b1)の信号強度を S1 とすると ln(S1/S2)/(b2-b1)で求めることができる。

1.×mm2/s
2.○拡散係数D = kt / 6πηr(t = 温度、η = 粘度、r = 分子の半径)のため温度も影響すると考えられる。
3.×運動検出傾斜磁場:MPG、b=γ2G2δ2〔Δ-(δ/3)〕 G傾斜磁場強度、δMPG印加時間、ΔMPG間隔
4.×1軸でも可。
5.○それぞれのb値の信号強度の傾きがADC。

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