【第10回】MRI専門技術者認定試験 過去問

2015年出題、問題数50問

目次

第1部

1)女性骨盤撮像に関する記載について正しいものを選んでください。(正解2つ)

1.子宮腺筋症は、T2 強調像において点状出血による高信号の散在がみられる。
2.子宮腺筋症は、T2 強調像で低信号を示す筋層内病変で、境界不明瞭である。
3.Endometriotic cyst は、脂肪成分と非脂肪成分の境界にケミカルシフトが出現する。
4.成熟嚢胞性奇形腫は皮脂腺から分泌された皮脂を含むため、T1、T2 強調像で高信号を示す。
5.内膜症性嚢胞の T1 強調像の低信号は、凝固血液や脱落上皮、その壊死物質に起因すると考えられている。

解答
1.×点状出血はT1WIにより高信号。
2.○
3.×チョコレート嚢胞。ケミカルシフトは成熟嚢胞性奇形腫。
4.○
5.× チョコレート嚢胞。T1WIで高信号を示す。T2WIで低〜高信号。
解説(化学シフト)

2)化膿性髄膜炎について正しい記載を選んでください。(正解3つ)

1.造影後、リング状の増強効果を示す。
2.クモ膜下腔、軟膜が主体の DS 型がある。
3.硬膜、硬膜下腔、クモ膜が主体の DA 型がある。
4.造影後の FLAIR 像は脳表の髄膜の異常増強効果の描出に有効である。
5.造影後の FLAIR 像は脳表静脈の増強効果を消去した画像を得る上で有用である。

解答
1.×髄膜に沿ったびまん性の造影効果。
2.×PS型:軟膜:pia mater、くも膜下腔:subarachnoid
3.○DA型:硬膜:dura mater、硬膜下腔、くも膜:arachnoid
4.○
5.○

3) 次のk空間のデータ充填方法を示した図において、正しい記述を選択してください。(正解2つ)

1.(2)は(1)よりも SNR が高い。
2.(3)は(2)よりも撮像時間が短い。
3.(4)は(1)よりも撮像時間が短い。
4.(1)は(2)よりも位相方向の FOV が大きい。
5.(1)は(4)よりも周波数方向の FOV が大きい。

解答
1.× (2)はパラレルイメージングであり通常より1/(g√R)だけSNRが下がる。
2.○ (3)はEPIであり最速。
3.× (4)は部分エコー法であり撮像時間短縮とはならない、TEは短くできる。
4.○(2)は位相を間引きΔkが大きくなるためFOVが小さくなる。
5.× 変わらない。
解説

4)核磁気共鳴現象を示す核種を選択してください。(正解 2 つ)

1.2H
2.12C
3.24Na
4.40Ca 
5.129Xe

解答

1.○ p:1 n:1陽子と中性子が共に偶数だと非磁性核→核磁気共鳴現象を示さない
2.× p:6 n:6
3.× p:11 n:13 奇数ではあるが天然では存在しないため?
4.× p:20 n:20
5.○ p:54 n:75
解説

5)月経周期における MRI 画像の表記について正しいものを選んでください。(正解2つ)

1.月経期は子宮筋層の収縮は強く影響する。
2.排卵前期は junctional zone の蠕動の影響は少ない。
3.排卵前期は子宮筋層厚と子宮内膜の範囲は減少する。
4.黄体期は子宮筋層と子宮内膜ともに高い信号強度で示される。
5.卵胞期と排卵前期の間は junctional zone のボリュームの著明な変化はない。

解答
1.○
2.×蠕動の影響はある、排卵期で最大。
3.×厚くなる。
4.○黄体期は子宮筋層と子宮内膜ともに高い信号強度となるが、子宮内膜に関しては卵胞期の方が高いそう。
5.×

6)下記の画像は、造影後の T1 強調冠状断像である。最も疑われる疾患名を選択してく ださい。(正解 1 つ)<写真あり>

1. Myeloma
2. Astrocytoma
3. Meningioma
4. Ependymoma
5. Multiple sclerosis

解答
1.骨髄腫
2.星細胞腫
3.髄膜腫
4.上衣腫
5.多発性硬化症
画像がないため解答不可能

7)前立腺 MR 検査について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.前立腺がんは一般的に T2 強調像で高信号を呈する。
2.前立腺がんの MRS は乳酸とコリン(Choline)で評価する。
3.前立腺がんは ADC マップでの見かけ上の拡散係数は低値となる。
4.前立腺がんは拡散強調像で T2-Shine through の影響を受け難い。
5.前立腺がんは拡散強調像で高信号に描出する場合、b 値は小さく設定する。

解答
1.×低信号。
2.×クエン酸とコリン。
3.○
4.○
5.×高いb値を用いる。
解説(MRSピーク)解説(DWI所見)

8)下記頭部の画像で、最も疑われる疾患名を選択してください。(正解 1 つ) <写真あり>

1. Lipoma 
2. Aneurysm
3. Arachnoid cyst
4. Epidermoid cyst
5. Multiple system atrophy (MSA)

解答
1.脂肪腫
2.動脈瘤
3.クモ膜嚢胞
4.類表皮のう胞
5.多系統萎縮症
画像がないため解答不可能

9)下の 1~5 のそれぞれの値が大きくなった場合、MR 信号の強度が上昇するものを選択してください。(正解 2 つ)

1. 試料の温度
2. 共鳴周波数
3. 縦緩和時間
4. 横緩和時間
5. 試料-受信コイル間距離

解答
1.×Boltzmann分布則より温度が高いと信号は低い。 Nα/Nβ=exp〔ΔE/(kT)〕=exp〔(γħB0)/(kT)〕
2.○
3.× T1が延長すると回復が遅くなり信号は低くなる。
4.○ T2が延長すると減衰が遅くなる。
5.×コイルに近い方が信号強度が高い。

10) 脂肪抑制法に用いられる SPAIR (spectral attenuated inversion recovery)の特徴で、正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.B1 不均一性に強い。
2.B0 不均一性に強い。
3.不飽和脂肪酸は抑制できない。
4.Null point の最適化が必要である。
5.RF パルスは比較的長い印加時間と反転時間を要するために TR は減少する。

解答
1.○断熱反転パルスを使用するため。
2.×周波数選択性のため静磁場不均一があると抑制不良となる。
3.○脂肪の主成分はメチレン基とメチン基であり水との周波数差は3.5ppmである。不飽和脂肪酸は水に近い共鳴周波数のため抑制されない。
4.○
5.×比較的長い印加時間と反転時間を要するためにTRは延長する。

11)臨床での1H-MRS について正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.信号強度は STEAM 法より PRESS 法の方が小さい。
2.領域選択の精度は,PRESS 法に比べ STEAM 法が優れる。
3.水や脂肪の信号を抑制することで代謝物のピークが得られる。
4.STEAM 法は PRESS 法に比べ短い TE での信号取得が可能である。
5.PRESS 法は、1つの 90°パルスと2つの 180°パルスを用いて stimulated echo を発生させる。

解答
1.× STEAM法の信号強度はPRESS法の半分。
2.○
3.○
4.○
5.× spin echoを発生 90°-180°-180°
解説(MRS)

12)ω0 = γΒ0で表される関係について、正しい記述を選択してください。(正解 3 つ)

1.γ は静磁場強度によって異なる値を持つ。
2.Β0は磁束密度を表し、単位は Wb/m2 である。
3.γ は磁気回転比と呼ばれる比例定数である。
4.ω0は角振動数を表し、単位は 1/radである。
5.磁気共鳴現象の基本を示し、ラーモア方程式とよばれる。

解答
1.×核種固有、静磁場強度に依存しない。
2.○
3.○
4.× rad/s
5.○
解説(ラーモア)

13)流れの影響について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.流れによる位相の変化は、位相分散のみに影響する。
2.流体の位相シフトは、傾斜磁場の印加を停止しても進む。
3.流速補正とは、流れによって発生した位相の分散を再収束させることである。
4.高次の流れを補正するために、正負の傾斜磁場ローブの面積を2項式に増やす。
5.傾斜磁場強度を2倍にし、印加時間を3倍にすると、位相シフトは6倍になる。

解答
1.×傾斜磁場と流れによる位相シフトでも変化する。
2.×傾斜磁場がなければシフトしない。
3.○
4.○
5.×印加時間の二乗となるため、位相シフトは18倍。

14)拡散強調像に関して正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.「b 値」の大きさと MPG 印加の時間間隔は関係する。
2.ADC の単位は mm2/sec で,「b 値」の単位は sec/mm2 である。
3.拡散係数「D」は、温度「T」と粘性係数「 η 」に比例する。
4.受信バンド幅に関係なく実効 TE を短縮すると画像歪みは低減する。
5.FOV を変えない場合、位相エンコード数によって画像歪みに変化はない。

解答
1.○ b=γ2G2δ2〔Δ-(δ/3)〕 G傾斜磁場強度、δMPG印加時間、ΔMPG間隔
2.○
3.× D=(kBT)/(6πηr)  kB:ボルツマン定数
4.×変わらない。
5.○
解説(DWI)

15)小脳橋角部腫瘤の MR 所見について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.類皮嚢胞腫は造影の使用が有用である。
2.Thin slice、高分解能画像が有用である。
3.髄膜腫の場合は T1WI、T2WI ともに CSF と等信号を示す。
4.聴神経腫瘍の場合、造影後の硬膜との付着状態が参考となる。
5.epidermoid cyst は、拡散強調像では T2 shine through の影響で高信号を示す。

解答
1.× エピデルモイド。類表皮種(デルモイド)と異なるので注意。どちらもDWIで高信号でありクモ膜嚢胞の鑑別などに用いる。大抵の場合造影しても増強されない。
2.○
3.×T1WIでやや低信号T2WIでやや高信号のこともあるがCSFと等信号とは言い難い。
4.×髄膜腫で硬膜との付着状態が参考となる、聴神経腫瘍も造影検査はする。
5.○エピデルモイドはT2WIでも高信号。
解説(DWI所見)

16)血液スピンラベリング(arterial spin labeling: ASL)について正しいものを選択してください。(正解 2 つ)

1.PASL は CASL より SNR が高い。
2.PASL は CASL より SAR が低い。
3.PASL は CASL より magnetization transfer(MT)効果が大きい。
4.FAIR(flow-sensitive altering inversion recovery)は CASL の一つである。
5.ASL の灌流画像は、ラベリング撮像を行った画像からラベリングを行わないコントロール画像を差分する。

解答
1.×CASLの方が高い。
2.○
3.×RFの連続照射によりオフレゾナンス照射となりMT効果が発生。
4.×PASLの一つ。
5.○

17)Inversion recovery 法を用いた場合、時間 TI における Mz につい正しいものはどれか。ただし、M0、T1、TR は以下とする。(正解 1 つ) M0:磁化 T1:組織の T1 緩和時間 TR:inversion pulse の印加する間隔

1. Mz(TI)= M0- M0 ・exp(-TI/ T1)
2. Mz(TI)= M0- 2M0 ・exp(-TI/ T1)
3. Mz(TI)= M0- 2M0 ・exp(-TI / T1) + M0・exp(-TR/T1)
4. Mz(TI)= M0- M0 ・exp(-TI / T1) + 2M0・exp(-TR/ T1)
5. Mz(TI)= M0- 2M0 ・exp(-TI/ T1) + 2M0・exp(-TR/ T1)

解答
1.×
2.○
3.×
4.×
5.×

18) Gd-EOB-DTPA について正しい記述を選択してください。(正解 2 つ)

1.臨床における通常投与量は 0.1mmol/kg である。
2.血漿中の R1 は、Gd-DTPA 造影剤の約 1/2 倍である。
3.健常人の場合、造影剤の約 4 割は糞中から排泄される。
4.投与後 1 分程度より肝臓の細網内皮系細胞に取り込まれはじめる。
5.NSF(腎性全身性線維症)に対して Gd-DTPA 造影剤と同様の取扱いを行う必要がある。

解答
1.× 0.1ml/kg
2.×血漿中EOBはアルブミンと可逆結合するためGd-DTPAに比べて約2倍のT1短縮効果がある。
3.○投与後4日目までに投与したGdの 57%が尿中に、39 %が糞中に排泄。
4.×肝細胞
5.○
解説

19) 心臓 MRI について正しい記述を選択してください。(正解 2 つ)

1.遅延造影は、アミロイドーシスの診断に有用である。
2.心臓 Perfusion MRI では、ガドリニウム造影剤による T2*信号減衰効果を利用する。
3.心電図同期法には、プロスペクティブ同期法にはフラッシュアーチファクトが発生する。
4.double-inversion recovery 法は、2つの非選択的 inversion pulse を用いる方法である。
5.心筋タギング法は、スライス内の磁化を空間的に変調させる選択的励起パルス(SPAMM パルス)を用いてシネ撮像を行う。

解答
1.○
2.×T1短縮効果、狭窄の無い部位では造影剤の流入により信号強度が上昇。
3.○
4.×始めに非選択的パルス、次に選択的パルス。
5.×SPAMMパルスは使用されるが非選択的励起パルスである。

20)SE 法と比べた高速 SE 法の記述について正しい記述を選択してください。(正解2つ)

1.磁化率効果を受けやすい。
2.ブラーリング効果で細かい構造がぼける。
3.T2 フィルタリングによって T2 の長い組織を強調する。
4.MT 効果や T2 フィルタリングによって脂肪が高信号になる。
5.TE 平均化と MT 効果により軟部組織のコントラストが高い。

解答
1.×磁化率効果は減少する。
2.○
3.○
4.×MT効果は脂肪に働かないのとFSEではJカップリングが成立しないため脂肪信号が高くなる。
5.×コントラストは低下する。
解説(FSE)

21)Parallel Imaging について正しいものを選択してください。(正解 2 つ)

1.ケミカルシフトを利用した技術である。
2.コイル感度不均一性を利用した技術である。
3.周波数方向の画像展開を主な目的とした技術である。
4.信号対雑音比はリダクションファクターに反比例する。
5.信号対雑音比はジオメトリーファクターに反比例する。

解答
1.×
2.○
3.×位相方向
4.×リダクションファクターの平方根に反比例。 SN(SENSE)=SN(FULL)/(g√R)
5.○
解説(化学シフト)

22)同じ大きさの FOV でマトリクス数を 512×512 から 256×256 に変更した場合、SNR は何倍になるか選択してください。ただしバンド幅は同じとする。

1. 2 倍
2. √2 倍
3. 4 倍
4. 4/√2 倍
5. 2/√2 倍

解答

1.×
2.×
3.×
4.○
5.×
解説

23)グラディエントエコー(GRE)法について正しい記述を選択してください。(正解2つ)

1.TR を短縮すると SSFP になる。
2.Balanced SSFP の信号強度は T1/ T2 に比例する。
3.Ernst angle(エルンスト角)は、T2 と TR から得られる。
4.Balanced SSFP(steady-state free precession)は動きに強い。
5.スポイルド GRE では、縦磁化の影響を無視することができる。

解答
1.○
2.×T2/T1
3.× cosαE=exp(-TR/T1)
4.○
5.×横磁化を消失させる。
解説(GRE)解説(SSFP)

24) MR スペクトロスコピー(MRS)について、正しい記述を選択してください。(正解 2 つ)

1.Cr(クレアチン)は病的な状態に敏感である。
2.Lactate はエネルギーの代謝障害が起こると低下する。
3.Cho(コリン)は細胞増殖や破壊の亢進が起こると上昇する。
4.NAA(N-acetyl-aspartate)は神経細胞障害や発達障害が起こると上昇する。
5.ppm(parts per million)表記では、化学シフトの差が静磁場強度に依存しない普遍的な定数となる。

解答
1.× 比較的安定したピーク。
2.×上昇
3.○
4.×
5.○
解説(MRSピーク)解説(化学シフト)

25) 下図は 27 歳の男性。最も疑われる疾患を 1 つ選んでください。<写真あり>

1.脳膿瘍
2.多形膠芽腫
3.多発性硬化症
4.転移性脳腫瘍
5.結節性硬化症

解答
画像がないため解答不可能

第2部

27)ペースメーカの MRI による影響の中で、静磁場から受ける作用を選択してください。(正解2つ)

1.ぺーシング閾値・・・・・ 心筋組織の炎症反応
2.マグネットモード・・・・・ 電池の残量を調べる機能
3.オーバセンシング・・・・・ ペースメーカの刺激の停止
4.ペースメーカリセット ・・・・・ ペースメーカの安全機構
5.ラピッド心房ペーシング ・・・・・ 心臓を刺激

解答
1.×RFによる電流がリード先端に流れ温度が上昇しぺーシング閾値が上昇する。
2.○静磁場による。
3.×自己脈ではない信号を誤認識することによりその間ペーシングが行われなくなる現象。RF、傾斜磁場による。
4.○静磁場による。
5.×傾斜磁場と RF によるノイズが刺激電位となり、心臓を刺激するため。


28)脳神経で関連のある組み合わせを選択してください。(正解 3 つ)

1.外転神経 – 正円孔
2.舌下神経 – 頸静脈孔
3.顔面神経 – 小脳橋角部
4.動眼神経 – 海綿静脈洞
5.視 神 経 – マイヤーループ

解答
1.×外転神経は上眼窩裂を通る。
2.×舌下神経は舌下神経管を通る。
3.○
4.○
5.○
解説(脳神経)

29)肩関節の運動に関与するものを選択してください。(正解 3 つ)

1.回外筋
2.棘上筋
3.垂体筋
4.三角筋
5.大円筋

解答
1.×上腕骨橈骨ー尺骨
2.○肩甲骨ー上腕骨
3.×錐体筋?恥骨に付着する腹部の筋肉
4.○鎖骨肩甲骨ー上腕骨
5.○肩甲骨ー上腕骨

30)前立腺について正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.射精管は移行域を通過する。
2.前立腺肥大症は主として辺縁域から生じる。
3.前立腺は辺縁域、移行域、中心域にわかれる。
4.神経血管束は rectoprostatic angle を走行する。
5.前立腺外科的被膜は内腺領域と辺縁域の境界である。

解答
1.×中心域を通る。
2.×前立腺肥大症は移行域が好発部位。
3.○
4.○rectoprostatic angle→直腸と肛門挙筋に囲まれた領域。
5.○

31)下図はマルチスライス励起にて得られた腰部の SE 法 T1 強調画像である。矢印(⇒)に 見られる低信号帯域について考えられる記述を選択してください。(正解 3 つ)<写真あり>


1.spin-spin 緩和に起因する。
2.励起するスライスの順番に起因する。
3.バンディングアーチファクトによるものである。
4.無信号帯域幅の大きさは RF パルスの印加時間に影響する。
5.スライス選択傾斜磁場を強くすると無信号帯域幅は狭くなる。

解答
画像がないため解答不可能

32)脳について正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.レンズ核は被殻と淡蒼球である。
2.中心溝は前頭葉と後頭葉の境界である。
3.一次運動野は中心溝の前方に存在する。
4.錐体路は随意運動を支配する神経の主要経路である。
5.錐体路の経路は中心前回→内包後脚→中脳脚→錐体交叉→脊髄である。

解答
1.○
2.×前頭葉と頭頂葉の境界、別名ローランド溝。
3.○
4.○
5.×中心前回→内包後脚→大脳脚→錐体交叉→脊髄。大脳脚は中脳の一部。

33)MRS ピークについての正しい説明を選択してください。(正解 2 つ)

1.幅は横緩和時間に反比例する。
2.高さはプロトン密度に比例する。
3.右側のピークが共鳴周波数は高い。
4.幅はシミング精度が良くなると広くなる。
5.静磁場強度とケミカルシフト(ppm)は比例する。

解答
1.○共鳴周波数幅とT2
2.○
3.×左が高い。
4.×狭くなる。
5.×ppmは不変。
解説(MRS)解説(化学シフト)

34)性能や精度に関連する事項について、正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.受信バンド幅が狭いほど SNR は大きくなる。
2.画像の均一性には、傾斜磁場の直線性が大きく影響する。
3.画像の幾何学的なひずみと静磁場の不均一性は大きく関係する。
4.不変性試験は、不具合が起きた場合に問題箇所を特定するために行う。
5.スライス厚の評価には、信号が発生しない材料の大きさが異なるピンやプレートをいくつか並べたファントムを使用するのが一般的である。

解答
1.○
2.×RFや正磁場不均一などが影響する。傾斜磁場の直線性が影響するのは画像歪み(空間直線性)。
3.○
4.×機器の性能が設定基準を満足することを確認するため。機器の構成要素の性能変化を早期に発見するために行う。
5.×スライス厚にはくさび板などを用いる。ピンを用いるのは歪み試験。
解説(SNR測定)解説(均一性試験)解説(スライス測定)解説(歪み試験)

35)頸部の解剖について正しいものを選択してください。(正解 2 つ)

1.反回神経は右側の方が左に比べ長い。
2. 梨状陥凹は下咽頭がんの好発部位である。
3. 中咽頭は硬口蓋・軟口蓋移行部から喉頭蓋谷までをいう。
4. 黄色靭帯は椎体と椎間円板の後面に沿い、脊柱管の前壁を縦走する。
5. 腕神経叢は前斜角筋と後斜角筋の斜角筋隙を走行する。

解答
1.×左が長い。
2.○
3.○
4.×椎体と椎間円板の後面に沿うのは後縦靭帯。
5.×斜角筋隙は前斜角筋と中斜角筋と第1肋骨で囲まれた部位であり腕神経叢が通る。
解説(デルマトーム)解説(脳神経)

36) NEMA における画像均一性評価法で正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.均一度は 100×(Smax-Smin)/(Smax+Smin)で算出する。
2.スパンは ROI 内の最大信号値―最小信号値である。
3.ファントム撮像の TR は、ファントム内容物の T1 値の 5 倍以下である。
4.PIU(peak deviation non-uniformity)とは、100ピクセル程度の平均信号値から評価する方法である。
5.NAAD(normalized absolute average deviation)は絶対偏差から均一性を評価する方法で、高ノイズ画像に影響されにくい。

解答
1.×不均一性の式
2.× Δ=(最大信号値―最小信号)/2
3.×5倍以上
4.○
5.○
解説(均一性試験)

37)NEMA における歪みの性能評価法で正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.スライス厚は 5mm 以下とする。
2.ピクセルサイズは最大保証範囲の 1%以下とする。
3.測定値と実寸の誤差割合を算出し、平均誤差を歪とする。
4.測定はファントム中心を通る壁面間距離を 90 度以下で 4 本以上測定する。
5.測定ファントムは、リング、穴、ピンなど保障範囲の境界を定義できる構造物とする。

解答
1.× 10mm以下
2.○
3.×最大誤差
4.× 45°以下
5.○
解説(歪み試験)

38)図は慢性硬膜下血腫の T2 強調画像である。血腫が脳脊髄液(水)よりも高信号となる理由を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.MTC 効果
2.表皮効果
3.Inflow 効果
4.表面コイルによる影響
5.TR による縦磁化の影響

解答
1.脳実質の信号が下がる。
2.高磁場装置においてRFが体内に侵入しにくくなりB1不均一となる。
3.血流など流入することにより高信号となる。
4.コイルの感度分布によりコイル付近で高信号となる。
5.TRの長さによって強調される組織が変わる。
画像がないため解答困難ではあるが、1、3は考えにくい。

39)functional MRI について正しいものを選択してください。(正解 3 つ)

1.信号値は、灰白質容積に影響される。
2.脳活動を間接的に観察する技術である。
3.拡散強調画像を用いた functional MRI は利用されていない。
4.functional MRI では Task 画像と Rest 画像が加算された画像を得ている。
5.撮像の一つに、blood oxygen leveldependent (BOLD) 効果を利用した手法がある。

解答
1.○
2.○
3.×利用されている。
4.×差分する。
5.○
解説(DWI所見)

40) 静磁場強度変化について正しいものを選択してください。(正解 3 つ)

1.プロトンの共鳴周波数は静磁場強度に比例する。
2.静磁場強度が増加すると白質の T1 値は短縮する。
3.静磁場強度が増加すると灰白質の T1 値は延長する。
4.1.5 Tにおける90度RFパルスと3.0 Tにおける90度RFパルスは、同じRF強度である。
5.1.5 T において 4.6 ms で opposed phase が観察された場合、その opposed phase は3.0 T において 2.3 ms で観察される。

解答
1.○ ω0=γB0
2.×延長する。
3.○
4.× 
5.○正解としていいと思うが、実際1.5Tの4.6msで観察されるのはin phase、3Tの2.3msもin phaseである。

41)保守点検に関連する事項について正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.安全管理責任者は病院管理者が兼務できない。
2.保守管理医療機器とは、厚生労働大臣が指定する医療機器をいう。
3.減磁装置動作確認のために、マグネットをクエンチさせて点検する。
4.ヘリウム排気管(クエンチ管)やヘリウムガス排気口は、定期的に点検しなければならない。
5.専門的技術が必要な保守点検については、計画策定、実施および記録保存をメーカにすべて外部委託することができる。

解答
1.○医療機器安全管理責任者
2.○
3.×
4.×
5.×医療機器安全管理責任者の業務。
解説(クエンチ)

43)頸部血管の black blood image について正しい記述を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.乱流や層流は flow void 効果に影響を与える。
2.可動性プラークの性状評価には4D 収集が有用である。
3.GRE 法では flow void の原理を利用して血液信号を抑制する。
4.出血を伴うプラークは T1 強調像にて胸鎖乳突筋と等信号である。
5.不安定プラークの性状評価には脂肪抑制パルスを付加することが有用である。

解答
1.○
2.○
3.×GRE法ではflow voidが生じない。
4.×胸鎖乳突筋より高信号となる。
5.○
解説(GRE)

44)卵巣腫瘍の MRI について正しい記述を選択してください。(正解 2 つ)

1.卵巣癌の充実性部分は T2 強調像で高信号を示す。
2.漿液性嚢胞腺腫は拡散強調像(b=1000)で低信号を示す。
3.成熟嚢胞性奇形腫は脂肪を含むので T1 強調像で高信号を示す。
4.内膜症性嚢胞は高蛋白含有の液体を含むので T1 強調像で高信号を示す。
5.粘液性嚢胞腺腫は粘調度により T2 強調像で低~高信号の多様な信号形態を示す。

解答
1.×充実性部分は低信号。
2.○
3.○
4.×出血によるメトヘモグロビンのT1短縮効果によりT1高信号。
5.×基本的にはT2WIで高信号。(粘調度により低信号化することも考えられる。)
解説(DWI所見)

45)図は 1.5T 装置において SE 法で得られた FOV とマトリクスサイズの等しい T1、T2 強調画像である。正しい記述を選択して下さい。(正解 2 つ)<写真あり>

1.矢印は出血である。
2.患者の右側の共鳴周波数が低い。
3.皮下脂肪内の腫瘤は脂肪腫を疑う。
4.画像上の左右方向が周波数方向である。
5.受信バンド幅は T2 強調画像より T1 強調画像のほうが大きい。

解答
画像がないため解答不可能

47)Balanced SSFP で撮像した下の画像について正しい記述を選択して下さい。<写真あり> (正解 3 つ)

1.in-coherent 型のシーケンスである。
2.矢印のアーチファクト部は位相が分散している。
3.リワインダー傾斜磁場が必要となるシーケンスである。
4.矢印のアーチファクトは、TR が T2 値より長い場合に目立つ。
5.矢印のアーチファクトを防ぐためには stimulated echo の発生を抑制する。

解答
画像がないため解答不可能解説(SSFP)

48) MRI画像のアーチファクトについて、正しい文章を答えてください。(正解3つ) 

1.フローアーチファクトが出る間隔は、TEに依存する。
2.フローアーチファクトは、位相エンコード方向に出やすい。
3.折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向にも出現する。
4.ケミカルシフトは脂肪が傾斜磁場の高い方へシフトする現象である。
5.N/2アーチファクトはEPIで見られ、FOVの位相エンコード1/2の場所に見られる。

解答
1.×TRに依存。 間隔D=(Ny*TR*NSA)/動きの周期T
2.○
3.○最大周波数の1周期あたり2回以上サンプリングできなければ発生。現在の装置では周波数方向は自動で折り返さないようサンプリングされている。
4.×脂肪は低い方へ出現。
5.○
日本磁気共鳴専門技術者認定機構ではアップされていないが原本より
解説(化学シフト)

49) 化学シフトアーチファクトについて、正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.TE を長くすると目立たなくなる。
2.化学シフトはスライス選択方向には見られない。
3.受信バンド幅を大きくすると、化学シフトも大きくなる。
4.3T では化学シフトが 7ppm となるため、1.5T よりずれが大きくなる。
5.32KHz の受信バンド幅で 512 ピクセルの場合、3.0T の化学シフトは 7 ピクセルである。

解答
1.○
2.×スライス方向でも見られる。
3.×化学シフトは小さくなる。
4.×3.5ppmは不変。
5.○1pixelあたりのBWを算出し、化学シフトがどれだけずれるかを計算する。
1pixelあたりのBW=32000/512=62.5Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/62.5=7.152pixel
解説(化学シフト)

50) クエンチについて、正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1.永久磁石型 MR 装置でもクエンチが発生することがある。
2.緊急減磁装置を作動させると冷媒が気化し、クエンチが発生する。
3.霧状の雲が天井近くに現れた場合、ヘリウムリークの可能性がある。
4.クエンチとは何らかの理由で超電導状態が保てなくなるため起こる現象である。
5.クエンチが発生した場合、クエンチが完全に治まるのを待ってから患者退避を行う。

解答
1.×ヘリウムを使ってないのでクエンチしない。
2.○
3.○
4.○
5.×早急に患者退避を行う。
解説(クエンチ)
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