【第11回】MRI専門技術者認定試験 過去問

2016年出題、問題数50問

目次

第1部

1)核磁気共鳴現象を示す核種を選択して下さい。(正解 2 つ) 

1.2H
2.4He
3.16O
4.28Si
5.129Xe

解答
1.○p:1 n:1陽子と中性子が共に偶数だと非磁性核→核磁気共鳴現象を示さない
2.×p:2 n:2
3.×p:8 n:8
4.×p:14 n:14
5.○p:54 n:75
解説

2)超伝導体の臨界条件を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.温度
2.湿度
3.質量
4.磁場
5.電流密度

解答
1.○Nb-Ti合金:9.5K Nb3Sn化合金:18K、これ以上高いとクエンチとなる。
2.×
3.×
4.○Nb-Ti合金:12T Nb3Sn化合金:22.5T、これ以上高いとクエンチとなる。
5.○ある電流密度以上になるとクエンチとなる。

3)MT パルスについて正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.TE が延長する。
2.SAR が上昇する。
3.解像特性が向上する。
4.脂質は MT 効果が弱い。
5.プリパレ―ションパルスである。

解答
1.×TEには関係ない。
2.○
3.×解像特性には関係ない
4.○
5.○

4)受信バンド幅を広げた場合について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.SNR が向上する。
2.短い TE を設定できる。
3.傾斜磁場システムの負荷が高まる。
4.磁化率アーチファクトが大きくなる。
5.ケミカルシフトアーチファクトが大きくなる。

解答
1.×1/√BWでSNRが低下する。
2.○BWを広げると逆数のサンプリング時間が短くなり短いTEを設定できる。
3.○FOV=BW/GからFOV一定とするとBWが大きいとき傾斜磁場Gも大きくなるため負荷がかかる。
4.×磁化率アーチファクトは改善する。
5.ケミカルシフトは小さくなる。
解説(化学シフト)

5)Gradient Echo 法について正しい文章を選択して下さい。(正解2つ) 

1.FA を浅くすると T2 強調像を撮像できる。
2.造影を行う場合は、TE は最短値を用いることが望ましい。
3.静磁場強度が高くなると opposed phase と in-phase の間隔は狭くなる。
4.T1 強調像を撮像する際は、SNR が最大となる FA(flip angle)が望ましい。
5.バランスド SSFP は、ダミーパルスの印加方法や印加数により画像コントラストが変化する。

解答
1.×GREなのでT2*強調画像。FA小TE大でT2*WI、FA大ではTR大TE大でT2*WI。
2.×opposed phaseのTEで撮像するとparadoxical suppressionが生じて信号低下する恐れがある。
3.○
4.×TRが短いシーケンスではFAは小さい方がSNRが良い。cosαE=exp(-TR/T1)
5.○

6)小脳橋角部腫瘤の MR 検査について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.類皮嚢胞腫は、造影検査が有用である。
2.Thin slice などの高分解能画像が有用である。
3.髄膜腫は、T1WI と T2WI のいずれも CSF と等信号を示す。
4.聴神経腫瘍は、造影後の硬膜との付着状態が参考となる。
5.epidermoid cyst は、拡散強調画像において T2 shine through の影響で高信号を示す。

解答
1.× エピデルモイド。類表皮種(デルモイド)と異なるので注意。どちらもDWIで高信号でありクモ膜嚢胞の鑑別などに用いる。大抵の場合造影しても増強されない。
2.○
3.×T1WIでやや低信号T2WIでやや高信号のこともあるがCSFと等信号とは言い難い。
4.×髄膜腫で硬膜との付着状態が参考となる、聴神経腫瘍も造影検査はする。
5.○エピデルモイドはT2WIでも高信号。
解説(DWI所見)

7)TR 150 ms、TE 2.2 ms、NEX 2、位相エンコード数 256、心拍数 60/min の場合の、拍動によるゴーストアーチファクトのゴースト間のピクセル数を求めて下さい。(正解1つ)

1.33 pixels
2.51 pixels
3.77 pixels
4.85 pixels
5.95 pixels

解答
1.×
2.×
3.○ 間隔D=(Ny*TR*NSA)/動きの周期T
D=(256*0.15*2)/1=76.8
4.×
5.×

8)低信号として観測されるアーチファクトを選択して下さい。(正解 2 つ)

1.N/2 artifact
2.Lip like artifact
3.Cross talk artifact
4.Flow void artifact
5.Magic angle artifact

解答
1.×EPI特有のアーチファクト。読み取り磁場勾配の正負が対称でない場合や渦電流の影響により発生し、位相方向にFOVの1/2ずれた位置に画像が現れる。
2.×パラレルイメージングにおいて位相エンコード数を減らし過ぎたことにより折り返しを完全に展開できず発生。画像中央付近に唇状の高信号。
3.○スライス同士が重なることによる。
4.○流速による。
5.×靭帯などが静磁場に対し55°となることでT2延長が生じ高信号となる。マジックアングル

9)脳の拡散強調像(b 1000)において脳実質より高信号を示すことが多い疾患を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.髄芽腫
2.脈絡叢嚢胞
3.クモ膜嚢胞
4.海綿状血管腫
5.慢性期脳梗塞

解答
1.○
2.○
3.×デルモイドなどとの鑑別にDWIが使われる。
4.×
5.×
解説(DWI所見)

10)コンベンショナルスピンエコー法による拡散強調画像法の簡易シーケンスチャート を示す。b 値を求める式を選択して下さい。ただし、γ:核磁気回転比。(正解 1 つ)

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より

1.b=γ2G2δ2[Δ-(δ/2)]
2.b=γ2G2δ2[(δ/3)-Δ]
3.b=γ2G2δ2[Δ-(δ/3)]
4.b=γ2G3δ2[Δ-(δ/3)]
5.b=γ2G2δ[Δ-(δ/3)]

解答
1.×
2.×
3.○
4.×
5.×
解説(DWI)

11) Paradoxical suppression アーチファクトに関連するものを選択して下さい。(正解 2 つ)

1.RF
2.傾斜磁場強度
3.受信バンド幅
4.Opposed-phase
5.Contrast media enhancement

解答
1.×
2.×
3.×
4.○Paradoxical suppression:造影効果により水信号が増強され、水信号と脂肪信号の比率が同程度となった場合Opposed-phaseのとき互いに打ち消し合い低信号となる現象。
5.○

12)前立腺がんの MR 検査について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.一般的に T2 強調像で高信号を呈する。
2.MRS は乳酸とコリン(Choline)で評価する。
3.正常組織より見かけ上の拡散係数は低値となる。
4.拡散強調画像で T2-shine through の影響を受け難い。
5.拡散強調画像で高信号として描出する場合は b 値を小さく設定すると良い。

解答
1.×低信号。
2.×クエン酸とコリン。
3.○
4.○
5.×高いb値を用いる。
解説(MRSピーク)解説(DWI所見)

13)パルスシーケンスチャートを示す。Flip angle (FA)、TR、TE のパラメータ設定と得られる画像コントラストの組み合わせで正しいものを選択して下さい。(正解 1 つ)

1.アSmall イLong ウLong エSmall オShort
2.アLarge イShort ウShort エLarge オLong
3.アLarge イShort ウLong エSmall オLong
4.アLarge イLong ウLong エSmall オShort
5.アSmall イShort ウShort エLarge オLong

解答
1.×
2.×
3.○ FA大の時SEと同じTR小TE小→T1、TR大TE大→T2*、TR大TE小→ρ。FA小の時TE大→T2*、TE小→ρ。
4.×
5.×

まとめると
①α大 SEと同じ(T2はT2*となる)
②α小 TE大ではT2*、TE小ではプロトン密度

14)図は頭部の MR 画像である。正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ) <写真あり>

1.図 a は造影後の T1 強調像である。
2.図 a では脳溝に異常は認めない。
3.図 b は造影前の FLAIR 画像である。
4.図 b では脳溝に異常を認める。
5.髄膜炎よりも髄膜腫が最も考えられる。

解答
1.2.3.4.5.画像がないため解答不可能

15)右麻痺を主訴とする症例の MR 画像である。正しい文章を選択して下さい。<写真あり> (正解 2 つ)

1.図 a は ADC マップである。
2.図 b は MR-angiography 正面画像で右の中大脳動脈の閉塞が疑われる。
3.図 a は発症後 1 時間の画像である。
4.出血の確認には FLAIR 画像も有効である。
5.被検者は話すことや言葉の理解度が低下していると予測される。

解答
1.2.3.4.5.画像がないため解答不可能

16)次の画像から最も考えられる疾患名を選択して下さい。(正解 1 つ) <写真あり>

1.膵炎
2.総胆管結石
3.腎盂腎炎
4.胆石
5.大動脈解離

解答
1.2.3.4.5.画像がないため解答不可能

17)Inversion recovery 法を用いた場合、時間 TI における Mz について正しい式を選択して下さい(正解 1 つ)
ただし、0:磁化、T1:組織の T1 緩和時間、TR:inversion pulse の印加する間隔 

1.Mz(TI)= M0- M0 ・exp(-TI/ T1)
2.Mz(TI)= M0-2M0 ・exp(-TI/ T1)
3.Mz(TI)= M0- 2M0 ・exp(-TI/ T1) + M0・exp(-TR/T1) 
4.Mz(TI)= M0- M0 ・exp(-TI / T1) + 2M0・exp(-TR/ T1)
5.Mz(TI)= M0- 2M0 ・exp(-TI/ T1) + 2M0・exp(-TR/ T1)

解答
1.×
2.○
3.×
4.×
5.×

18)下垂体の MR 検査で正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.疾患部はダイナミック造影検査で正常部より早期濃染する。
2.ラトケ嚢胞は T1,T2 強調像で脳脊髄液と同様の信号強度を示す。
3.T1 強調像の下垂体後葉の信号が消失する疾患として中枢性尿崩症がある。
4.成人の正常下垂体の大きさは年齢性別に関係なくほぼ一定での大きさである。
5.T1 強調像矢状断面の撮像では、化学シフトによる下垂体後葉と斜台の脂肪の重なりを避ける工夫が必要である。

解答
1.×正常部の方が早期に濃染。
2.×信号強度は様々、脳脊髄液とほぼ同様の信号強度を示すこともある。
3.○
4.×年齢性別で様々。
5.○周波数エンコード方向が上下の時、斜台の脂肪が化学シフトにより下垂体後葉に重なる恐れがある。周波数を前後にすることで避けられる。
解説(化学シフト)

19) ガドキセト酸ナトリウム注射液(EOB・プリモビスト)について正しい記述を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.臨床における通常投与量は 0.1mmol/kg である。
2.血漿中の R1 は Gd-DTPA 造影剤の約 1/2 倍である。
3.健常人は造影剤の約 4 割は糞中から排泄される。
4.投与後 1 分程度より肝臓の細網内皮系細胞に取り込まれはじめる。
5.NSF(腎性全身性線維症)に対して Gd-DTPA 造影剤と同様の取扱いを行う必要がある。

解答
1.× 0.1ml/kg
2.×血漿中EOBはアルブミンと可逆結合するためGd-DTPAに比べて約2倍のT1短縮効果がある。
3.○投与後4日目までに投与したGdの 57%が尿中に、39 %が糞中に排泄。
4.×肝細胞
5.○
解説

20)ω0 = γΒ0で表される関係について、正しい記述を選択してください。(正解 3 つ)

1.ラーモア方程式とよばれる。
2.γ は静磁場強度によって異なる値を持つ。
3.Β0は磁束密度を表し、単位は Wb/m2 である。
4.γ は磁気回転比と呼ばれる比例定数である。
5.ω0は角振動数を表し、単位は 1/radである。

解答
1.○
2.×核種固有、静磁場強度に依存しない。
3.○
4.○
5.× rad/s
解説(ラーモア)

21)男性骨盤検査について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ) <写真あり>

1.図 a は ADC マップである。
2.図 b は T1 強調軸位像である。
3.この患者は生検を施行したほうが良い。
4.前立腺移行領域に前立腺癌が疑われる。
5.前立腺中心域は前立腺肥大(BPH)が認められる。

解答
1.2.3.4.5.画像がないため解答不可能

22) 図は肝臓の造影検査であり、図 a は脂肪抑制 T2 強調像、図 b はダイナミック検査 画像、図 c は造影 20 分後の画像である。正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)<写真あり>

1.用いた造影剤は SPIO である。
2.用いた造影剤は Gd-DTPA である。
3.←A の病変は肝嚢胞が考えられる。
4.←B の病変は多血の肝細胞癌が考えられる。
5.←C の病変は肝血管腫が考えられる。

解答
1.2.3.4.5.画像がないため解答不可能

23)月経周期における MRI 画像の表記について正しいものを選んでください。(正解2つ)

1.月経期は子宮筋層の収縮が信号強度に強く影響する。
2.排卵前期は junctional zone の蠕動の影響が少ない。
3.排卵前期は子宮筋層厚と子宮内膜の範囲が減少する。
4.黄体期は子宮筋層と子宮内膜ともに信号強度が高くなる。
5.卵胞期と排卵前期の間は junctional zone の範囲に著明な変化はない。

解答
1.○
2.×蠕動の影響はある、排卵期で最大。
3.×厚くなる。
4.○黄体期は子宮筋層と子宮内膜ともに高い信号強度となるが、子宮内膜に関しては卵胞期の方が高いそう。
5.×
子宮の変化

24) MR スペクトロスコピー(MRS)について、正しい記述を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.Cr(クレアチン)は病的な状態に敏感である。
2.Lactate はエネルギーの代謝障害が起こると低下する。
3.Cho(コリン)は細胞増殖や破壊の亢進が起こると上昇する。
4.NAA(N-acetyl-aspartate)は神経細胞障害や発達障害が起こると上昇する。
5.ppm(parts per million)表記は化学シフトの差が静磁場強度に依存しない普遍的な値となる。

解答
1.× 比較的安定したピーク。
2.×上昇
3.○
4.×
5.○
解説(MRSピーク)解説(化学シフト)

25)下記の画像は、造影後の T1 強調冠状断像である。最も疑われる疾患名を選択してください。(正解 1 つ)<写真あり>

1. Astrocytoma
2. Ependymoma
3. Meningioma
4. Myeloma
5. Multiple sclerosis

解答
1.星細胞腫
2.上衣腫
3.髄膜腫
4.骨髄腫
5.多発性硬化症
画像がないため解答不可能

第2部

26)添付文書への記載内容と解釈について正しい説明を選択してください。(正解2つ)

1.添付文書はいかなる場合も逸脱は許されない。
2.体内金属などのチェックは医療従事者が実施しなければならない。
3.静磁場内の磁場勾配(gauss/cm:mT/m)は測定位置によって異なる。
4.高周波磁場強度において B1+rms で標記すると撮像条件は厳しく制限される。
5.条件付 MRI 対応脳深部刺激装置植込み者の MRI 実施時には、主治医の立会いは不要である。

解答
1.×特段の合理的理由がある場合などは責任を問われるとは限らない。
2.×医療従事者でなくとも可能。ただし体内金属や手術歴のチェックはMR装置の運用者の義務と装置添付文書にあるそう。
3.○ガントリ開口部で磁力線が最も急峻に曲がっているところで高い。
4.×撮像条件は緩くなる。
5.○

28) MRI画像のアーチファクトについて正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1. フローアーチファクトが出る間隔は、TE に依存する。
2. フローアーチファクトは、位相エンコード方向に出やすい。
3. 折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向にも出現する。
4. トランケーションアーチファクトは、バンド幅を狭くすると軽減する。
5.ケミカルシフトアートファクトは、脂肪信号が傾斜磁場の高い方へシフトする。

解答
1.×TRに依存。 間隔D=(Ny*TR*NSA)/動きの周期T
2.○
3.○最大周波数の1周期あたり2回以上サンプリングできなければ発生。現在の装置では周波数方向は自動で折り返さないようサンプリングされている。
4.○
5.×脂肪は低い方へ出現。
解説(化学シフト)

29)クエンチに関する正しい記述を選んでください。(正解 3 つ)

1.クエンチを起こした場合は真っ先に酸素濃度をチェックする。
2.マグネットの緊急減磁装置のスイッチを押した時のみ発生する。
3.故意にクエンチを起こす場合は事前に消防署に連絡する必要がある。
4.クエンチが発生すると, 液体ヘリウムは体積が 100 倍のヘリウムガスになる。
5.マグネット内部の静磁場コイルが超電導状態から常電導状態へ遷移する現象である。

解答
1.○
2.× 臨界条件を逸脱しても起きる。
3.○
4.×約700倍
5.○
解説(クエンチ)

30)医療デバイスを植込んだ患者および医療従事者に対する対応について正しい説明を選択してください。(正解3つ)

1.保温下着による発熱は発汗が主たる原因である。
2.銅線を巻いた避妊リングは発熱の危険性がある。
3.医療従事者はコンタクトレンズをしないほうがよい。
4.条件付 MRI 検査可能人工内耳の最大の危険性はトルクである。
5.心臓ペースメーカ植込み者は漏洩磁場のある操作室には入室できない。

解答
1.○汗により衣類が湿り誘導電流が流れやけどの恐れがある。また金属線維などを含んでいる物もあり発熱の危険がある。
2.○銅は導電性が高いためRFパルス照射時に電流が流れると発熱する可能性がある。
3.×問題ない。
4.○
5.×5ガウスラインまではペースメーカに影響を与えず、操作室には5ガウスの漏洩磁場は無いと考えられるため入室は可能。

31)ペースメーカ植込み患者の MRI 検査を実施する場合、生体モニタにて連続的に心拍を監視することが義務付けられている。これに関して、検査中に最も気をつける必要のある現象を以下から選んでください。(正解1つ)

1.ペーシング閾値
2.マグネットモード
3.オーバセンシング
4.予期しない神経刺激
5.ペースメーカリセット

解答
1.×
2.×
3.○ペースメーカにはペーシング機能とセンシング機能がある。
ペーシング機能→設定脈拍数より自己脈が少ない時電気的刺激を加え脈拍を上げる。
センシング機能→自己脈が多い時脈拍を抑制する。
傾斜磁場などにより発生する誘導電流を誤って信号と認識しオーバーセンシングが起こると心停止となる恐れがある。
4.×
5.×

34) 一般的な血管走行について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ) 

1. 腓骨動脈は前脛骨動脈から分岐する。
2. 左腎動脈は右腎動脈に比べてやや長い。
3. 大腿骨頭に分布する動脈は大腿骨頭窩動脈のみである。
4. 肝門部では,腹側から背側に向かって肝・肝動脈・門脈の順に並んでいる。
5. 上腸間膜動脈は膵臓の背側を通り、十二指腸水平部の前面を越えて下行する。

解答
1.×膝下動脈→後頸骨動脈→腓骨動脈。膝下動脈→前頸骨動脈→足背動脈。
2.×右腎動脈の方が長い。
3.×上肢帯動脈、下肢帯動脈、大腿骨頭靭帯動脈。
4.○
5.○
解説(腹部血管)

35)NEMA における画像均一性評価法で正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.均一度は 100×(Smax-Smin)/(Smax+Smin)で算出する。
2.表面コイルを使用する際は、感度補正処理が必要である。
3.スパンは、ROI 内ピクセルの最大信号値と最小信号値の平均である。
4.NAAD(normalized absolute average deviation)は絶対偏差から均一性を評価する方法である。
5.PIU(peak deviation non-uniformity)とは、100ピクセル程度の平均信号値から評価する方法である。

解答
1.×不均一度の式
2.×
3.×スパン=(Smax-Smin)/2、SAVE=(Smax+Smin)/2
4.○
5.○
解説(均一性試験)

36) エリアシングエラーの対処方法とし正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1. FOV を広くする。
2. 加算回数を増やす。
3. 受信バンド幅を広くする。
4. 位相方向のマトリクス数を減らす。
5. 周波数エンコード方向と位相エンコード方向を入れ変える。

解答
1.○エリアシング=折り返し
対処法:FOVの拡大、オーバーサンプリング、サチュレーションパルスの使用、表面コイルの使用、位相と周波数方向のスワッピングなど
2.×
3.×
4.×
5.○

37) 一般的な血管走行について正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1.右椎骨動脈は腕頭動脈から分岐する。
2.前脊髄動脈は椎骨動脈から分岐する。
3.後下小脳動脈は脳底動脈から分岐する。
4.左椎骨動脈は左鎖骨下動脈から分岐する。
5.前脊髄動脈は主として脊髄の前 2/3 部に分布する。

解答
1.×右鎖骨下動脈
2.○
3.×椎骨動脈
4.○
5.○
解説(脳動脈),解説(腹部血管)

38) 一般的に最大流速が最も遅い動脈を選択してください。(正解1つ)

1. 総頸動脈
2. 椎骨動脈
3. 下行大動脈
4. 浅大腿動脈
5. 総腸骨動脈

解答
1.×80-120cm/s
2.○30-50cm/s
3.×150-175cm/s
4.×80-120cm/s
5.×100-150cm/s
解説(脳動脈),解説(腹部血管)

39) 化学シフトアーチファクトについて正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1. 受信バンド幅が広いほど目立つ。
2. スライス選択方向にも出現する。
3. 送信 RF 強度に比例して強くなる。
4. 脂肪組織は周波数の低い方向に出現する。
5. 1.5T でバンド幅が 130Hz/px の場合、3 ピクセルずれる。

解答
1.×広いほど目立たなくなる。
2.○
3.×RF強度と比例関係には無い。
4.○
5.× 42.6MHz/T×1.5T×3.5ppm=223.65Hz 223.65/130=1.72pix
解説(化学シフト)

42)同じ大きさの FOV でマトリクス数を 512×512 から 256×256 に変更した場合、SNR は何倍になるかを選択してください。ただしバンド幅は同じとする。(正解 1 つ)

1.2 倍
2.√2 倍
3.4 倍
4.4/√2 倍
5.2/√2 倍

解答
1.×
2.×
3.×
4.○
5.×

43)卵巣腫瘍の MRI について正しい記述を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.卵巣癌の充実性部分は T2 強調像で高信号を示す。
2.漿液性嚢胞腺腫は拡散強調像(b 1000)で低信号を示す。
3.成熟嚢胞性奇形腫は脂肪を含むので T1 強調像で高信号を示す。
4.内膜症性嚢胞は高蛋白含有の液体を含むので T1 強調像で高信号を示す。
5.粘液性嚢胞腺腫は粘調度により T2 強調像で低~高信号の多様な信号形態を示す。

解答
1.×充実性部分は低信号。
2.○
3.○
4.×出血によるメトヘモグロビンのT1短縮効果によりT1高信号。
5.×T2WIで高信号。(粘調度により低信号化することも考えられる。)
解説(DWI所見)

44)MRI の画像評価に関して正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.基本的に SNR と CNR は相関する。
2.CNR はファントム温度に依存する。
3.CNR は空間分解能の評価が可能である。
4.差分法の SNR は信号強度×√2/ 標準偏差である。
5.パラレルイメージングで SNR を測定する時は、空中信号法を使用する。

解答
1.○
2.○
3.×不可能
4.○
5.×空中雑音法や空中信号法は用いない、5定点差分法を使用。
解説(SNR測定)解説(空間分解能測定)解説(CNR測定)

45)ACR BI-RADS について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.Category 4 以上が悪性疑いである。
2.Mass と定義されるのは、5mm 以下の結節である。
3.単純 T1 強調像は脂肪抑制を併用することが望ましい。
4.ダイナミック MRI において、早期相は乳癌の描出に優れている。
5.Non-mass enhancement では、Time intensity curve の評価が有効である.

解答
1.○全6カテゴリー(1〜6)
2.×5mm以上の占拠性病変。
3.×脂肪を含む病変を描出。
4.○
5.×時相により染まるタイミングが一定ではない、またROIの設定も難しくカーブ評価は不要。

46)肩関節の運動に関与する筋肉を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.回外筋
2.棘上筋
3.垂体筋
4.三角筋
5.大円筋

解答
1.×上腕骨橈骨ー尺骨
2.○肩甲骨ー上腕骨
3.×錐体筋?恥骨に付着する腹部の筋肉
4.○鎖骨肩甲骨ー上腕骨
5.○肩甲骨ー上腕骨

47)人体に照射するラジオ波(RF)について正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1.人体の体表よりも中心部のほうが加熱されやすい。
2.同一のスキャン設定でTRを長くするとSARの値は大きくなる。
3.内股火傷を防止するには両方の太ももを接触させないようにパッドなどをはさむ。
4.JIS Z 4951:2012で規定している通常操作モードの平均SAR上限値は、頭部よりも全身のほうが小さい。
5.JIS Z 4951:2012 で規定している局所 SARとは、一定時間に任意の身体組織 10 g にわたって平均化した SAR のことである。

解答
1.×中心よりも表面で加熱されやすい。
2.×デューティサイクルはTRに反比例。
3.○
4.○
5.○
解説(モード)

48)頸部血管の black blood image について正しい記述を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.乱流や層流は flow void 効果に影響を与える。
2.可動性プラークの性状評価には4D 収集が有用である。
3.GRE 法では flow void の原理を利用して血液信号を抑制する。
4.出血を伴うプラークは T1 強調画像にて胸鎖乳突筋と等信号である。
5.不安定プラークの性状評価には脂肪抑制パルスを付加することが有用である。

解答
1.○
2.○
3.×GREはflow voidとならない。
4.×胸鎖乳突筋より高信号となる。
5.○
解説(GRE)

49)同じマトリクス数で FOV100x100mm を 200×200mm にしてバンド幅を1/2 とした場合、SNR は何倍になるか選択してください。(正解 1 つ)

1.4×√2 倍
2.4×2 倍
3.4/√2 倍
4.2×2 倍
5.2/√2 倍

解答
1.○
2.×
3.×
4.×
5.×


解説

50)図は 1.5T 装置において SE 法で得られた FOV とマトリクスサイズの等しい T1 強調 像と T2 強調像である。正しい記述を選択して下さい。(正解 2 つ)

1.矢印は出血である。
2.共鳴周波数は患者の右側が低い。
3.皮下脂肪内の腫瘤は脂肪腫を疑う。
4.画像の左右方向が周波数エンコード方向である。
5.受信バンド幅は T2 強調像より T1 強調像のほうが広い。

解答
1.2.3.4.5.画像がないため解答不可能
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