2018年出題、問題数50問
第1部
1) 緩和時間に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 縦緩和時間 ≧ 横緩和時間である。
2. T1 緩和はスピン-格子緩和とも呼ばれる。
3. T2 緩和はスピン-格子緩和とも呼ばれる。
4. スピン-格子緩和時間とは、縦磁化が初期磁化の 36.8%になる時間である。
5. スピン-スピン緩和時間とは、縦磁化が初期磁化の36.8%になる時間である。
2) 受信コイルに関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. Birdcage コイルは表面コイルとして用いる。
2. Array コイルは個々のコイルが重なるように配置されている。
3. 円形コイルはコイル面が静磁場方向と平行するように配置するとよい。
4. 筒型超伝導 MR 装置のガントリ内蔵コイルは Solenoid コイルが用いられる。
5. Circular polarization(CP)コイルの信号雑音比は Linear polarization(LP)コイルの 2 倍である。
3) k 空間に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. k 空間は複素数で表される。
2. 波数とは周波数の逆数である。
3. k 空間の中心は交流成分を意味する。
4. 空間周波数の単位は K(Kayser)で表される。
5. 位相エンコード数を少なくすると撮像時間は長くなる。
4) NEMAにおける歪みの性能評価法に関する正しい記述はどれか。(正解2つ)
1. スライス厚は 5mm 以下とする。
2. 歪率の許容範囲は±10%である。
3. EPI や GE の測定時は周りを水溶液に浸す。
4. 距離の測定間隔は 45°以下で 4 本以上とする。
5. 測定値と実寸の誤差割合を算出し、最大誤差を表記する。
5) NEMA における SNR 測定に関する正しい記述はどれか。(正解2つ)
1. 測定法は差分法である。
2. 算出式は SNR=S /(√2 × SD)である。
3. Fast SE 法は撮像シーケンスとして使用できない。
4. 体幹部はボディーコイルで,頭部はヘッドアレイコイルを使用する。
5. ファントムは T1 値が 1200ms 以上で T2 値が 50ms 以下のものを使用する。
6) パラレルイメージングのSNR測定に関する正しい記述はどれか。(正解2つ)
1. 位置依存性がある。
2. ジオメトリーファクターに依存する。
3. 臨床画像では空中雑音法を用いる。
4. 臨床画像では空中信号法を用いる。
5. 必ず感度補正を行った画像を用いる。
7) 同じ大きさの FOV でマトリクス数を 512×512 から 256×256 に変更し、受信バンド幅を 2 倍とした場合の SNR は何倍か。
1. 2 倍
2. 4 倍
3. 4× √2 倍
4. 4 / √2 倍
5. 2 / √2 倍
8) 頭部の解剖に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 穿通枝は中大脳動脈のみに存在する。
2. 前脈絡叢動脈は内頸動脈から分岐する。
3. 脳下垂体には血液脳関門(BBB)は存在する。
4. 黒質はメラニン色素を持っており橋に存在する。
5. 外側レンズ核線条体動脈(LSA)は穿通枝である。
9) 頭部の MR Venography に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. A は上矢状静脈洞である。
2. B はガレン大静脈である。
3. C は下矢状静脈洞である。
4. D は S 状静脈洞である。
5. A-D すべて架橋静脈である。
10) 上腹部の解剖に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 胆汁は胆嚢で生成される。
2. 副脾は膵内にも存在する。
3. 十二指腸は腹腔内臓器である。
4. 副腎は皮質と髄質に分かれている。
5. 肝門とは左葉内側区(S4)と尾状葉(S1)の間隙である。
11) 膝の解剖に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 膝を伸展すると前十字靭帯は緊張する。
2. 後十字靭帯より前十字靭帯の方が太い。
3. 前十字靭帯には2つの主要な繊維束がある。
4. 前十字靭帯より後十字靭帯の方が断裂する頻度が高い。
5. 膝を構成する靭帯は前十字靭帯、後十字靭帯、側副靭帯である。
12) 乳房の解剖に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 乳管は乳頭に集合する。
2. 副乳は乳房外には生じない。
3. 造影剤は母乳から排泄される。
4. 乳腺は腺葉が集まり小葉になる。
5. 乳腺はクーパー靭帯で固定されている。
13) 女性骨盤の MRI 検査に関する正しい記述はどれか。(正解1つ)
1. Dermoid cyst は T1 強調像で高信号、T2 強調像で低信号を示す。
2. 子宮腺筋症は点状出血により T1 強調像で散在する高信号を示す。
3. 成熟嚢胞性奇形腫における T2 強調像の低信号は shading とよばれる。
4. T2 強調像で低信号を示す筋層内病変で境界不明瞭なら子宮筋腫とされる。
5. Endometriotic cyst は皮脂腺から分泌された皮脂により T1、T2 強調像で高信号を示す。
14) 心臓の MRI 検査に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 薬剤負荷を行う際には前処置が必要である。
2. 心臓サルコイドーシスの好発部位は心筋内層である。
3. 冠動脈の血流は安静時には 85%狭窄しないと低下しない。
4. 薬剤負荷を行うと,安静時では判断できない冠動脈狭窄の存在を知ることができる。
5. 心臓サルコイドーシスでは造影剤を使用すると血流欠損はほとんどなく、遅延造影を示す。
15) 前置胎盤の MRI 検査に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. EPI を使用し動きに対応する。
2. 癒着胎盤を合併することがある。
3. T1 dark band がみられることがある。
4. 血管増生や血栓などがみられることがある。
5. Steady state free precession にて低信号を確認する。
16) 関係のある正しい組み合わせはどれか。(正解 2 つ)
1. 脂肪肝 ― Focal spared area ― T2 強調像
2. 脳梗塞 ― Intra-arterial sign ― 拡散強調像
3. 前立腺癌 ― 神経血管束 ― T1 強調像
4. 子宮頸癌 ― Stromal ring ― T2 強調像
5. 粘膜下筋腫 ― Bridging vascular sign ― T2 強調像
17) 脳疾患の拡散強調像の所見に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 出血性脳梗塞では、高信号となることがある。
2. 低悪性度の脳腫瘍では、高信号となることがある。
3. 脳膿瘍では、多くの場合脳脊髄液と同程度の信号強度を呈する。
4. 多発性硬化症では高信号となっている部位のみに炎症反応がある。
5. クロイツフェルトヤコブ病では、脳皮質のみに高信号を認める症例がある。
18) MRI の造影検査や造影所見に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. eGFR は糸球体1分間あたりの濾過能力である。
2. 本邦で認められている消化管用造影剤は、T1 強調像で低信号を呈する。
3. Gd 系造影剤による T1 強調像での造影効果は、水の T1 時間延長効果を利用している。
4. Gd-EOB-DTPA 投与後の肝細胞相で、原発性肝癌はすべて肝細胞より低信号を呈する。
5. Gd 系造影剤を用いた灌流画像である dynamic susceptibility contrast 法では、T2*強調系の画像による信号低下を利用している。
19) Proton MR spectroscopy(MRS)に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 乳酸(lactate) は虚血で上昇する。
2. コリン(Cho)は多発性硬化症で上昇する。
3. 放射線壊死のような病態では脂質(lipid)が低下する。
4. Cho/NAA の上昇は悪性腫瘍に高い感度と特異度を示す。
5. NAA(N-acetyl-aspartate)はびまん性軸索損傷で上昇する。
20) MRI の組織コントラストに関する正しい記述はどれか。(正解3つ)
1. 線維成分の多い組織では、T1 強調像、T2 強調像ともに低信号となる。
2. Magnetization transfer contrast(MTC)法は結合水の信号が増強する。
3. プロトン密度強調像は、半月板の描出に優れ膝関節の評価に有用である。
4. Arterial spin labeling(ASL)法の定量画像はプロトン密度強調像で信号補正を行う。
5. Blood oxygenation level dependent(BOLD)法は酸素化ヘモグロビンによる信号変化を利用する。
21) Single-shot EPI(echo planar imaging)に対する multi-shot EPI の特徴に関する 正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 撮像時間が短い。
2. 傾斜磁場への負荷が少ない。
3. 磁化率アーチファクトが増加する。
4. 動きによるアーチファクトを生じやすい。
5. エヌハーフゴースト(N/2 ghost)を生じやすい。
22) 脂肪抑制技術としての反転回復法に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
※ CHESS: chemical shift selective saturation
1. CHESS 法より信号雑音比が向上する。
2. CHESS 法より撮像時間が延長しやすい。
3. CHESS 法より加熱効果の影響を受けやすい。
4. CHESS 法より磁場の不均一性に左右されやすい。
5. 脂肪と同様の T1 値をもつ組織はすべて抑制される。
23) 撮像シーケンスに関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. CISS(constructive interference in steady state)は動きに強い。
2. ASL(arterial spin labeling)で算出できるのは局所血流量である。
3. Dixon 法にて((In-phase) – (Opposed-phase))/2 を計算すると水画像が得られる。
4. Balanced SSFP(steady-state free precession)の信号強度は T1/ T2 に比例する。
5. SWI(susceptibility weighted image)で Gd 系造影剤を用いると細い静脈が見えやすくなる。
24) 化学シフトに関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 水の 1H 原子核の化学シフトは脂肪より約 3.5ppm 大きい。
2. 化学シフトアーチファクトは受信バンド幅を広げると強くなる。
3. 第 2 の化学シフトアーチファクトはあらゆる方向に出現する。
4. 第 2 の化学シフトアーチファクトは逆位相画像だけに見られる。
5. EPI を除き化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に現れる。
25) MR 画像撮像時に発生する騒音に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 患者が接触できるあらゆる領域において 99dB より高いピーク音圧レベルの 騒音を生じてはならないとされている。
2. 静磁場中で傾斜磁場コイルに流れる大パルス電流をオンオフさせることで傾斜磁場コイルが振動し、騒音が発生する。
3. 1 時間の等価騒音レベルが 140dBA を超える場合は、聴力保護具を適切に 使用するべきだと JISZ4951 に記述されている。
4. 騒音の測定方法としては NEMA MS4 が用いられ、MR 装置最大の傾斜磁場騒音を MGAN、臨床画像撮像条件で発生する最大騒音を MCAN と定義されている。
5. 聴力低下に対する保護の規格は、職業的に長期にわたって騒音にさらされ る人が永久的に難聴となるリスクに基づいており、24 時間平均として 80dBA が限界値として広く受け入れられている。
第2部
26) JISZ4951:2017 における比吸収率 SAR(W/kg)に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 静磁場強度の2乗に比例し、傾斜磁場強度の2乗に比例する。
2. 最大エネルギー量(SAR×検査時間)は、リスクマネジメントによって制限される。
3. 成人に4W/kg の高周波を照射した場合、体内深部温度が 1°C上昇するというのが基本的な考え方である。
4. 第一次水準管理操作モードでの全身 SAR 上限値は、周囲温度が1°C上昇する毎に 0.25W/kg 低下させるべきである。
5. 任意の 10 秒間にわたる SAR の上限値(短期 SAR)は、既定値(各身体領域と操作モードにより決められた上限値)の 5 倍を超えてはならない。
27) クエンチに関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. 緊急減磁装置を動作させるとクエンチが発生する。
2. 永久磁石型 MR 装置でもまれにクエンチが発生する。
3. クエンチが発生しても磁力が保たれているので吸引に関して注意が必要である。
4. 野外のヘリウムガス排気口の付近では通行人などが近づかないように警告表示板などを設置する。
5. クエンチ発生時 MR 室(撮像室)内の圧力は少し高くなるため、ドアは外開きもしくはスライドドアであることが望ましい。
28) 以下の記号を説明した記述に関して正しいものはどれか。(正解 2 つ)
1. (A)は MR 適合を示している。
2. (B)は MR 条件付適合を示している。
3. (A)は撮像した画像に影響を及ぼすことがある。
4. (C)は能動的植込型心臓デバイス装着者の立ち入り禁止を示している。
5. (A)(B)(C)全ての記号は安全のため MR 撮像室の入口に掲示する。
29) JISZ4952:2012 (IEC62464-1:2007)「磁気共鳴診断装置 第 1 部 基本画質パラ メータの決定方法」に規定されているのはどれか。(正解 3 つ)
1. 比吸収率(SAR)
2. 2 次元幾何学的歪
3. ゴーストアーチファクト
4. 末信号比ノイズ(SNR)
5. 梢神経刺激(PNS)閾値レベル
30) 下図は傾斜磁場(赤線)と dB/dt(磁場の時間変化率、青線)の波形である。傾斜磁場強度 10mT/m、実効刺激持続時間(立上り時間)0.1ms とした場合、dB/dt お よび SR(スリューレート)を求めた時の適切な組合せはどれか。ただし dB/dt は磁場中心から 0.2m の位置で算出する。
1. dB/dt:100T/s SR:100T/m/s
2. dB/dt: 20T/s SR:200T/m/s
3. dB/dt: 40T/s SR:100T/m/s
4. dB/dt: 20T/s SR:100T/m/s
5. dB/dt: 20T/s SR: 20T/m/s
31) 条件付き MRI 対応ペースメーカを植込んだ患者の MRI 検査を実施するための要件に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 磁気共鳴専門技術者でないと実施できない。
2. 呼吸停止のシーケンスを撮像してはならない。
3. 検査時は生体モニタを装着しなければならない。
4. 所定の研修を受講していなければ実施できない。
5. ペースメーカの MRI 対応モードは自己脈より長く設定する。
32) MRI 用造影剤に関する正しい記述はどれか。(正解3つ)
1. ガドリニウムは原子番号 64 の重金属で生体に対して強い毒性がある。
2. CT と MRI では造影剤を禁忌とする推算糸球ろ過量(eGFR)の基準値が異なる。
3. 超常磁性酸化鉄製剤(SPIO)はヘモクロマトーシスなど鉄過敏症の患者に禁忌である。
4. 線状型キレート構造のガドリニウム造影剤を繰り返し使用すると小脳歯状核に蓄積する。
5. 高濃度(1.0mol/L)造影剤を急速静注すると造影剤濃度が高くなるため超早期相でより高信号に造影される。
33) 安全基準として添付文書に記載される静磁場における空間の傾斜磁場(空間勾配磁場)に関する正しい記述はどれか。(正解2つ)
1. 単位は gauss/cm または tesla/m で表す。
2. ガントリ Z 軸方向の開口部より中心部の方が強い。
3. ガントリ X-Y 方向の辺縁部より中心部の方が強い。
4. この値は「磁場による力」×「静磁場」によって求まる。
5. 水平静磁界の磁束密度分布の最大偏向角点である。
34) 添付文書の記載内容に関する正しい記述はどれか。(正解2つ)
1. 添付文書は電子化して公開しなければならない。
2. MRI 検査に関する記載事項がなければ MRI 検査は施行可能である。
3. 被検者のいかなる状況においても添付文書を逸脱すると刑事責任を問われる。
4. 条件付 MRI 対応ペースメーカの添付文書には患者への教育の徹底が記載されている。
5. 添付文書は医療機器や医薬品の製造者が遵守しなければならない事項が記載されている。
35) 発熱の危険性を高める因子はどれか。(正解2つ)
1. 造影剤
2. 高周波強度
3. 静磁場強度
4. 超電導冷媒量
5. 傾斜磁場強度変化率
36) MR 血管撮像(MRA)に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 飽和効果を減少させるにはフリップ角を増加させる。
2. PC(phase contrast) MRA 法は血流方向を示す画像を強度画像で示す。
3. VENC(velocity encoding) が小さすぎると速度折り返し現象が起こりやすい。
4. MT(magnetization transfer) パルスは脳では流れの速い血管の描出をよくする。
5. TONE(tilted optimized non-saturating excitation)は異なる励起フリップ角を用いて飽和効果を減少させる。
37) FLAIR 画像に見られる脳脊髄液信号の抑制不良(矢印)に関する正しい記述はどれか。(正解3つ)
1. 長い TI が原因である。
2. 縦緩和時間が短いことが原因である。
3. スライスギャップが広いと顕著になる。
4. Inversion pulse の励起帯域が狭いと顕著になる。
5. Acquisition 数(concatenation 数、package 数)を減らすと顕著になる。
38) 3D TOF-MRA MIP 画像の内頚動脈の信号欠損(矢印)に関して血管狭窄以外に考えられる影響はどれか。(正解 2 つ)
1. 乱流
2. 飽和効果
3. 位相分散
4. MTC 効果
5. In-flow 効果
39) 画像のアーチファクト(矢印)に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. エイリアス信号によるものである。
2. 受信バンド幅を狭くすることで防ぐことができる。
3. 飽和パルスを印可することで発生を防ぐことができる。
4. ナイキスト周波数以上でサンプリングしたときに発生する。
5. サンプリング間隔が標本化する周期の半分より大きい場合に発生する。
40) Gradient Echo 型 T1 強調画像の大動脈由来のアーチファクト(矢印)に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. TE を短くすると間隔(D)は狭くなる。
2. 加算回数を増やすと間隔(D)は狭くなる。
3. 心拍周期が短くなると間隔(D)は狭くなる。
4. 流速補正傾斜磁場を用いると軽減できる。
5. プレサチュレーションパルスを用いると軽減できる。
41) 高速撮像法に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. スパイラルスキャンは信号取得時の k 空間座標が極座標系になる。
2. 圧縮センシングとはエルミート対称性を利用してk空間の一部をサンプリングする方法である。
3. Parallel imaging は k 空間を間引いて信号を取得し複数コイルの空間的感度差を用いて画像を作成する。
4. SENSE(sensitive encoding)法を用いた場合の SNR は用いない場合の 1/√R(reduction factor)倍となる。
5. SMASH(simultaneous acquisition of spatial harmonics)法はフーリエ変換後に複数コイルの空間的感度差を用いて展開する方法である。
42) メタルアーチファクト対策に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. スライス厚を厚くする。
2. 空間分解能を高くする。
3. 受信バンド幅を広くする。
4. 空間飽和パルスを用いる。
5. 送信 RF のバンド幅を広くする。
43) Balanced SSFP に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 信号強度は T1/ T2 に比例する。
2. TE と TR はコントラストの指標とはならない。
3. Banding artifact は TR を短くすると低減できる。
4. 血液を高信号にするにはフリップ角を浅くすると良い。
5. 各 k-space order の shot 間隔が長いほど軟部組織と血液の信号が減少する。
44) Fast SE 法にて受信バンド幅を広げたときの影響に関する正しい記述はどれか。(正解 1 つ)
1. SNR が増加する。
2. SAR が増加する。
3. 最短 TE が長くなる。
4. サンプリングタイムが長くなる。
5. モーションアーチファクトが増加する。
45) SWI(susceptibility weighted imaging)に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 動脈系の描出に適している。
2. 磁化率による周波数分散の違いを強調している。
3. 静磁場強度は低いほうが微細な磁化率の違いを捉えやすい。
4. ボクセルサイズは小さいほうが微細な磁化率の違いを捉えやすい。
5. 微量な鉄沈着や酸素飽和度(デオキシヘモグロビン量)の違いを描出できる。
46) Arterial spin labeling (ASL)に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)
1. Pseudo CASL(pCASL)では RF パルスを連続状に印加する。
2. Pseudo CASL(pCASL)は pulsed ASL(PASL)と比較して SNR が高い。
3. Continuous ASL(CASL)の代表的な手法として FAIR、STAIR、PICORE などがある。
4. 脳虚血がある場合は post labeling delay(PLD)によって描出されるイメージは異なる。
5. ラベリングの方法は,大別して pulsed ASL(PASL)と continuous ASL(CASL)に分けることが出来る。
47) 頚部の撮像技術に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. Motion artifact を軽減するため、受信バンド幅を広く設定した。
2. Metal artifact を軽減するため、T1 強調像を spin echo 法から fast spin echo 法に変更した。
3. 検査依頼内容が脊椎転移性腫瘍の検索目的であったため、T2 強調像から撮像した。
4. 腕神経叢を評価するため、拡散強調像の脂肪抑制法は局所磁場均一性の高い CHESS 法を選択した。
5. CSF の flow void artifact 軽減のため、T2 強調横断像に fast spin echo 法を選択した。
48) 乳腺の撮像技術に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 血性乳汁分泌の診断に T2*強調像を追加撮像した。
2. 両側乳房撮像において脂肪抑制法は使用すべきでない。
3. 非浸潤性乳管癌の診断に高い b 値の拡散強調像を追加撮像した。
4. 拡散強調像は single-shot EPI 法よりも multi-shot EPI 法の方が歪みは小さい。
5. 造影ダイナミック検査は時間分解能よりも空間分解能を優先した撮像条件を構築する。
49) 頸動脈の black blood imaging に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 呼吸性アーチファクトを軽減するため脂肪抑制を付加して撮像した。
2. プラークの性状を得るために拡散強調画像(b 1000s/mm2)を撮像した。
3. 2 次元データ収集 FSE 法で撮像する場合は心電同期もしくは脈波同期が必須である。
4. 3 次元データ収集再集束フリップアングル法で撮像する場合は心電同期もしくは脈波同期が必須である。
5. 3 次元データ収集再集束フリップアングル法で撮像する場合は血管走行に対して垂直に撮像断面を設定する必要がある。
50) 心臓の撮像法に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. レトロスペクティブ心電図同期シネ撮像法はフラッシュアーチファクトが発生する。
2. 心臓 perfusion MRI は Gd 系造影剤をボーラス注入してファーストパスによる T2* 減衰効果を利用する。
3. Double-inversion recovery 法を用いた black blood 法は2つの選択的 inversion pulse を用いて血液信号を抑制する。
4. 遅延造影に用いる phase-sensitive inversion recovery(PSIR)法は通常の IR 法 よりも TI の影響が少ない撮像法である。
5. 心筋タギング法はスライス内の磁化を空間的に変調させる選択的励起パルス (SPAMM パルス)を用いてシネ撮像を行う。
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