【MRI認定 15】歪み測定について

認定試験の性能評価項目の中にはありませんが試験で出題されているため記事としました。

出題数は少なく、数年に1問程度の出題ペースです。

IECとNEMAの測定方法がありますが、認定試験ではNEMAから問われているためNEMAに絞ってまとめました。

目次

撮像条件

ファントム(NEMA)

装置の保証範囲をカバーできる大きさ
(装置の保証範囲が立方体や球形であればそれと同じ形状の大きさをもつファントム)
汎用性のあるファントムとして内部にリング、穴、ピンなど保証範囲の境界を定義できる構造物を含むものでも可

撮像条件

シーケンス

シーケンス:2D SE法
TR:臨床的に使用される範囲
TE:臨床的に使用される範囲
スライス厚:10mm 以下
スライス:シングルスライス、アイソセンターを画像中心としたAx,Sag,Cor3断面
matrix:指定はないが、ピクセルサイズは大きすぎると測定誤差が生じるため最大保証範囲の1%以下正方形となるように設定
FOV:装置の最大保証範囲を含むように設定
歪み補正フィルタ:装置上外せない場合があるため使用の有無をレポートに記載

測定条件

室温とファントム温度:22±4℃
ファントムはRFコイルの中心に配置する

測定方法

得られた各画像上で、ファントム中心を通るファントム壁面から壁面までの距離を測定する。

測定間隔は45°以下4本以上測定し、間隔は等しくする。

ピンなどを使用する場合には、保証範囲に相当する位置のピンを利用して測定する。

それぞれ測定された値と、ファントム実寸サイズとの誤差割合を算出し、最大誤差を表記する。

まとめ

過去に出題されている内容は毎回ほぼ同じです。

使われすぎている内容のため今後も出題されるかはわかりません。

一応よく出るものについて、、

ファントム:装置の保証範囲に合わせるor内部にピンや穴など保証範囲の境界を定義できる構造物を含むもの
ファントム温度:22±4℃
シーケンス:SE法
スライス厚:10mm以下
ピクセル形状:正方形
ピクセルサイズ:最大保証範囲の 1%以下
測定間隔:45°以下で4本以上
歪率の表記:最大誤差
歪率の許容範囲:±5%

過去問を解くだけなら↑だけで十分戦えます!

過去問からの出題

17-問題 25 画像のようなファントムを用いた NEMA の歪み測定を行う際の正しいものはどれか。2 つ選べ。

1. スライス厚は 5 mm 以下とする。
2. ファントム温度は 20±4°Cとする。
3. 長方形ピクセルで測定可能である。
4. 距離の測定間隔を 30°で 6 本として測定してもよい。
5. 測定値と実寸の誤差割合を算出し、最大誤差を表記する。

1.×10mm以下
2.×22±4℃
3.×正方形ピクセル
4.○測定間隔は45°以下で4本以上
5.○

15-24) NEMA における歪みの性能評価法に関する正しい記述はどれか。3つ選べ。

  1. 長方形ピクセルでも測定可能である。
  2. ファントムは円柱形もしくは球形である。
  3. 距離の測定間隔は45°以下で4 本以上とする。
  4. ピクセルサイズは最大保証範囲の1%以下とする。
  5. 測定値と実寸の誤差割合を算出し,最大誤差を表記する。

1.×ピクセル形状は正方形。
2.×装置の保証範囲が立方体や球型であればそれと同じ形状と大きさをもつファントム。もしくは内部にリング、穴、ピンなど保証範囲の境界を定義できる構造物を含むものでも可。IECなら円柱形もしくは球形。
3.○
4.○
5.○

13-4) NEMAにおける歪みの性能評価法に関する正しい記述はどれか。(正解2つ)

1. スライス厚は 5mm 以下とする。
2. 歪率の許容範囲は±10%である。
3. EPI や GE の測定時は周りを水溶液に浸す。
4. 距離の測定間隔は 45°以下で 4 本以上とする。
5. 測定値と実寸の誤差割合を算出し、最大誤差を表記する。

1.×10mm以下
2.×±5%
3.×スピンエコーで測定
4.○
5.○

12-5)NEMA の歪みの性能評価法で正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)

  1. スライス厚は 10mm 以下とする。
  2. 歪率の許容範囲は±10%である。
  3. EPI の測定時は周りを水溶液に浸す。
  4. 測定値と実寸の誤差割合を算出し、平均誤差を歪とする。
  5. 測定ファントムは、リング、穴、ピンなど、保証範囲の境界を定義できる構造物とする。

1.○
2.×±5%
3.×スピンエコーで測定
4.×ファントムの測定値と実寸から誤差割合を算出し、最大誤差を歪とする。
5.○

10-34)性能や精度に関連する事項について、正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.受信バンド幅が狭いほど SNR は大きくなる。
2.画像の均一性には、傾斜磁場の直線性が大きく影響する。
3.画像の幾何学的なひずみと静磁場の不均一性は大きく関係する。
4.不変性試験は、不具合が起きた場合に問題箇所を特定するために行う。
5.スライス厚の評価には、信号が発生しない材料の大きさが異なるピンやプレートをいくつか並べたファントムを使用するのが一般的である。

1.○
2.×RFや静磁場不均一などが影響する。傾斜磁場の直線性が影響するのは画像歪み(空間直線性)。
3.○
4.×機器の性能が設定基準を満足することを確認するため。機器の構成要素の性能変化を早期に発見するために行う。
5.×スライス厚にはくさび板などを用いる。ピンを用いるのは歪み試験。

10-37)NEMA における歪みの性能評価法で正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.スライス厚は 5mm 以下とする。
2.ピクセルサイズは最大保証範囲の 1%以下とする。
3.測定値と実寸の誤差割合を算出し、平均誤差を歪とする。
4.測定はファントム中心を通る壁面間距離を 90 度以下で 4 本以上測定する。
5.測定ファントムは、リング、穴、ピンなど保障範囲の境界を定義できる構造物とする。

1.× 10mm以下
2.○
3.×最大誤差
4.× 45°以下
5.○

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