【第19回】MRI専門技術者認定試験 過去問

2023年10月出題、問題数50問

目次

第1部

問題 1 頭部MRI画像を示す。最も考えられる診断はどれか。

1. 脳梗塞
2. 神経膠芽腫
3. 悪性リンパ腫
4. 多発性硬化症
5. びまん性星細胞腫

解答
1.×
2.×神経膠芽腫=グリオブラストーマ、T1:低信号(出血あれば高信号の場合あり)、T2:高信号、DWI:高信号、造影:リング状・花弁状の増強効果
3.×T1:低〜等信号、T2:様々、DWI:高信号、造影:造影効果あり
4.×多発性硬化症
5.○T1:低信号、T2:高信号、造影:なしor若干あり

問題 2 子宮筋腫症例の骨盤部MRI画像を示す。最も考えられる変性はどれか。

1. 赤色変性
2. 脂肪変性
3. 嚢胞変性
4. 水腫様変性
5. 粘液様変性

解答
1.×赤色変性 静脈の閉塞による出血性の梗塞、これによる変性。T1:辺縁高信号、T2:辺縁低信号、造影:閉塞により造影効果はなくなる。
2.×脂肪変性 T1:高信号、T2:高信号、造影:脂肪はない
3.○嚢胞変性 T1:低〜等信号、T2:高信号、造影:なし
4.×水腫様変性(浮腫)T1:等信号、T2:高信号、造影:中等度〜高度
5.×粘液様変性 T1:低〜等信号、T2:高信号と低信号が混ざる、造影:T2low部に造影効果あり
ヒアリン変性 T1:等信号、T2:低信号、造影:なし
石灰化 T1:無信号、T2:無信号、造影:なし
子宮筋腫の変性

問題 3 乳房MRI検査について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 病変側のみを撮像する。
2. 正常乳腺は漸増性の造影効果を示す。
3. 単純MRIで乳癌のスクリーニングを行う。
4. 拡散強調画像はルーチンでは撮像しなくてよい。
5. ダイナミック撮像では脂肪抑制法を併用する。

解答
1.×両側を撮像
2.○
3.×
4.○乳癌を検出するのに便利ではあるが、BI-RADSには用いられていない(T1,T2,dynamic)。
5.△必須ではないが可能であれば背景脂肪信号の抑制をした方が増強効果を捉えやすい。できなければ差分処理を行う。
解答はおそらく2,4

問題 4 各部位と関連する症候群について正しい組み合わせはどれか。

1. 唾液腺ーーSAPHO症候群
2. 胸鎖関節ーーMarfan症候群
3. 総胆管ーーMirizzi症候群
4. 末梢神経ーーMallory-Weiss症候群
5. 副腎ーーGuillain-Barre症候群

解答
1.×SAPHO症候群:Synovitis(滑膜炎)、Acne(ざ瘡)、Pustulosis(膿疱症)、Hyperostosis(骨化過剰症)、Osteitis(骨炎)。主な症状に胸鎖関節の炎症や異常骨化による痛みがある。
2.×Marfan症候群:心臓、大動脈、骨格、眼、肺、皮膚などの全身の結合組織が脆弱になる遺伝性疾患。大動脈瘤・解離、気胸、網膜剥離、側弯などが生じる。
3.○Mirizzi症候群:胆囊頸部へ結石が嵌頓したり、炎症の波及により総肝管を圧排し総肝管狭窄・閉塞をきたした病態。
4.×Mallory-Weiss症候群:嘔吐などにより腹圧、胃食道内圧が急激に上がることで食道と胃の境目の表面が縦に裂けて出血する疾患。
5.×Guillain-Barre症候群:ウィルスや細菌感染症により免疫機構が活発になった結果、自分自身の末梢神経を攻撃してしまうことが原因と考えられている。手足に力が入らなかったり、感覚がわかりにくいなどの症状がある。

問題 5 正常解剖について正しいのはどれか。

1. 子宮頚部は膣側2/3部である。
2. 前立腺は2つの領域からなる。
3. 直腸の下部1/3は腹膜がない。
4. 尿管は2箇所にやや細い狭窄部をもつ。
5. 前脊髄動脈は脊髄の腹側1/3に灌流する。

解答
1.×膣側1/3部
2.×①移行域、②中心域、③辺縁域、④前線維筋性間質
3.○
4.×①腎盂尿管移行部、②総腸骨動脈交叉部、③膀胱壁貫通部 
5.×前脊髄動脈は腹側2/3、後脊髄動脈は背側1/3

問題 6 MRIにおいて温度による影響を最も受けにくいのはどれか。

1. 拡散係数
2. 共鳴周波数
3. スライス厚
4. 横緩和時間
5. 水との化学シフト

解答
1.×
2.×
3.○多少は温度の影響を受けると考えられるが、他選択肢に比べると最も受けにくい。
4.×
5.×

問題 7 ラーモア周波数と比例関係にあるのはどれか。

1. 縦緩和時間[s]
2. 横緩和時間[s]
3. フリップ角[°]
4. 繰り返し時間[s]
5. 水と脂肪の共鳴周波数差[Hz]

解答
ラーモア周波数ω=γB
1.×静磁場強度が大きくなると縦緩和時間は延長するが、比例ではない。
2.×静磁場強度が大きくなると横緩和時間は短縮する傾向があるが比例しない。
3.×
4.×
5.○水と脂肪の共鳴周波数差[Hz]= CS(3.5ppm)×ω
1.5Tの場合
3.5ppm×64MHz=224Hz

問題 8 GRASEについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1. FSEよりSNRが高い。
2. FSEよりSARが高い。
3. FSEより高速撮像ができる。
4. T2/T1のコントラストになる。
5. FSEより静磁場不均一の影響を受けやすい。

解答
SEとGREを合わせた撮像法(gradient and spin echo)、
1.×SEより信号の低いGREが混ざっているためSNRは低下。
2.×RFパルスは減るためSAR低下。
3.○各SE信号の前か後または前後にGRE信号を取得するため高速化できる。
4.×
5.○GREの特徴
※初見でGRASSと見間違えました。注意です。
GRASE

問題 9 MRSについて正しいのはどれか。

1. Mixing timeを伸ばすとTEが延長する。
2. STEAM法はPRESS法に比べて信号強度が高くなる。
3. PRESS法はSTEAM法に比べて短いTEを設定できる。
4. PRESS法はスピンエコー 法を使用して信号収集を行う。
5. 加算回数を上げることでスペクトルの信号強度が高くなる。

解答
1.×TEとは関係ない
2.×STEAMでは励起されたスピンの半分しか情報が得られず信号強度は小さい。
3.×STEAM法の方が短いTEを設定でき、短いT2値を持つ代謝物の測定に適している。
4.○PRESS法(90-180-180パルス)、STEAM法(90-90-90パルス)
5.×

問題 10 QSMについて正しいのはどれか。

1. 計測値は温度に依存しない。
2. Multi echoでの収集が必要である。
3. 鉄沈着と石灰化で計測値が異なる。
4. ミエリンは常磁性体として検出される。
5. 3D撮像に比べて2D撮像は測定精度が高い。

解答
Quantitative Susceptibility Mapping 定量的磁化率マッピング、磁化率を定量的に算出した画像。SWIは磁化率を定性的に強調した画像。
1.×依存する
2.○
3.○
4.×ミエリンは反磁性体
5.×3D GREのmulti echoで撮像。実画像と虚画像から強度画像と位相画像を再構成する。位相画像から位相折り返し除去→背景磁場除去→双極子磁場の推定を行いQSMが完成される。

問題 11 GRE法について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. Spoiled GRE法はT1強調画像である。
2. TRを延長することで定常状態になりやすくなる。
3. 横磁化を温存した定常状態をコヒーレントGREと呼ぶ。
4. 定常状態においてFID信号のみではT1強調画像となる。
5. 定常状態においてHE+STE信号のみではT2強調画像となる。

解答
1.×スポイルドGREは基本的にT1強調画像となるがT2*も撮像可能である。しかしアンスポイルドGREに比べ残存横磁化がスポイルされT2*ではSNRが低下したりする。
2.×TRを短縮することで定常状態になりやすくなる。
3.○
4.×T2*強調画像
5.○

問題 12 拡散強調像について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. b値の単位は拡散係数の単位の逆数である。
2. IVIMは灌流の影響を除外した拡散モデルである。
3. FA値を得るためには3軸以上のMPG印加が必要である。
4. 拡散係数が大きい組織を評価する場合はb値を大きくする。
5. Axial diffusivityは異方性が最も強い方向の拡散係数である。

解答
1.○b値[s/mm2]、拡散係数[mm2/s]
2.×拡散と灌流の影響を考慮したモデル。
3.×6軸
4.×
5.○アナイソトロピック拡散の長軸方向。

問題 13 流れの影響について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. FSEの偶数番目の信号は流速の影響を受けやすい。
2. 流れによる位相シフト量は流速の変化に依存しない。
3. 流れによる位相シフト量は正負の傾斜磁場の積算印加時間に依存する。
4. 流速が一定の時は流れによる位相シフトの影響が傾斜磁場の印加時間に比例する。
5. 流速が一定の時は同じ傾斜磁場強度を1:−2:1の時間で印加することで流れによる位相シフトを補正できる。

解答
1.×偶数番目では流速による位相シフトが再収束されるため影響を受けない。奇数番目で影響を受けやすい。
2.×依存する。
3.○
4.×2乗
5.×時間に-2?傾斜磁場強度を1:−2:1とし、印加時間を1:1:1とすると位相シフトを補正できる。→流速補正

問題 14 パラレルイメージングについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1. SENSE系とSMASH系に大別される。
2. SMASH系は折り返し画像を展開する。
3. 複数のコイルの空間的な感度差を利用する。
4. Reduction factorが小さいほど高速化できる。
5. Geometry factorが小さいほどSNRが減少する。

解答
1.○
2.×折り返し画像を展開するのはSENSE
3.○
4.×Reduction factorが大きいほど高速化できる。
5.×Geometry factorが大きいほどSNRが減少する。

問題 15 TOF-MRAについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1. T1値の長い組織は高信号に描出される。
2. 撮像断面に平行な走行の血管の描出に優れている。
3. TEを短縮することで血管内腔の高信号が得られる。
4. MTパルスを利用して脳実質の信号を低下させることができる。
5. 傾斜フリップ角法はスラブへの流入側のflip angleを高く設定する。

解答
1.×TOF-MRAはT1WIとなるので、TEの短い組織で高信号となる。
2.×撮像断面に垂直な走行の血管の描出に優れている。
3.○
4.○
5.×TONE、ramped RF:流入側でFAを小さく、流出側でFAを大きくする。

問題 16 EPI法について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. T2フィルタリング を生じる。
2. Functional MRIに利用される。
3. 磁化率・不均一磁場の影響が小さい。
4. 周波数エンコード方向にNハーフゴーストが現れる。
5. 周波数エンコード方向に化学シフトアーチファクトが現れる。

解答
1.○
2.○
3.×影響が大きい。
4.×位相エンコード方向に現れる。
5.×位相エンコード方向に現れる。化学シフト

問題 17 アーチファクトについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 折り返しアーチファクトは受信バンド幅を大きくすると改善する。
2. 打ち切りアーチファクトはzero fill interpolation処理で改善する。
3. マジックアングルアーチファクトは撮像断面を変更しても消失しない。
4. クロストークアーチファクトはインターリーブ法を使用することで改善する。
5. 化学シフトアーチファクトは脂肪が周波数の高い方へシフトする現象である。

解答
1.×改善しない。
2.×見かけの空間分解能は向上するが打ち切りは改善しない。
3.○ マジックアングル
4.○
5.×脂肪が周波数の低い方へシフトする。化学シフト

問題 18 T2*強調像について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 磁化率効果は静磁場強度に比例しない。
2. TEを延長することで磁化率効果は小さくなる。
3. 過去に発症した脳内における無症候性微小出血の検出に優れる。
4. 局所的な磁場不均一による磁化率差を強調した撮像法である。
5.SWIは位相画像にフィルター処理を加えて高周波成分の除去を行う。 

解答
1.×比例
2.×TEを短縮して位相分散の影響を小さくする。
3.○
4.○
5.×ハイパスフィルターにより低周波成分の除去をする。

問題 19 2D-FSE法について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 磁化率効果に影響するのは主に受信バンド幅である。
2. MT効果やJカップリングにより脂肪は低信号となる。
3. スピンエコー法と比べて一般的に受信バンド幅は狭い。
4. 再収束パルスに可変フリップ角を用いるとSARが上昇する。
5. ETLが大きい場合T2減衰時間の延長によりブラーリングが起こる。

解答
1.○
2.×脂肪は高信号となる。
3.×FSEの方がエコースペースを小さくするためにバンド幅は広く設定されている。
4.×180°パルスを多用するとSARが上昇しやすくなるため、低いFAを用いてSARを低減している。
5.○

問題 20 PC法について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. VENCの単位はcm2/sである。
2. PC-MRAでは流入効果を利用している。
3. 流速の測定精度は測定断面に依存する。
4. VENCの設定が高いほど高い双極傾斜磁場強度を必要とする。
5. 撮像対象血管の流速がVENCを超えると速度折り返し現象が起こる。

解答
1.×cm/s
2.×位相シフトを利用。
3.○
4.×VENCは傾斜磁場強度・時間2に反比例する。VENCが低いほど高い傾斜磁場強度が必要。
5.○逆向きの低い速度とみなされる。

問題 21 頸髄のT2強調横断像を示す。矢印が示す付近の脳脊髄液の信号低下について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 拍動が原因である。
2. 低磁場ほど影響が大きい。
3. T2*強調像の方が顕著である。
4. 回避には流速補正法が有用である。
5. 回避にはインターリーブ撮像が有用である。

解答
1.○拍動によるflow void。
2.×
3.×GRE(T2*)では短いTRにより、流速が速い事による信号損失が起こらないためflow voidが生じづらい。
4.○
5.×

問題 22 NEMAにおける均一性の評価について正しいのはどれか。

1. スライス厚は10mmより厚く設定する。
2. 不均一度は100×(Smax + Smin)/(Smax – Smin)で計算される。
3. T1値が400msのファントムを用いた場合、TRは1200msで問題ない。
4. 画像のノイズの影響を少なくするために9点ローパスフィルタ処理をおこなう。
5. NAAD(normalized absolute average deviation)はROI内の各ピクセル値の標準偏差から均一性を評価する方法である。

解答
1.× スライス厚は10mm以下。
2.×100×(Smax – Smin)/(Smax + Smin)
3.×T1値×5以上 この場合はTR=2000ms以上とする。
4.○
5.×絶対偏差から均一性を評価する方法。


問題 23 IECにおけるゴーストアーチファクトの評価について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 2D-SE法で撮像する。
2. FOVはファントムの大きさの1.5倍程度とする。
3. SNRが低いとノイズでアーチファクトが認識できなくなる。
4. ゴースト信号比、ゴースト雑音比および信号雑音比の値を評価する。
5. バックグラウンド領域に設定するROIはファントムに対して位相エンコード方向の背景で測定する。

解答
1.×GRE法で撮像。
2.×ファントムはFOVの50%を超えない。
3.○ゴーストを検出できない可能性があるためSNR≧100とする。
4.○
5.×位相エンコード方向ではゴーストアーチファクトが発生しているため、周波数エンコード方向の背景で測定する。

問題 24 TR 200ms、周波数エンコード数 256、位相エンコード数 128、加算回数 2 および心拍数 80/min の場合に発生するゴーストアーチファクト間隔に最も近いピクセル数を選べ。

1. 34
2. 38
3. 68
4. 76
5. 136

解答
1.
2.
3.○
4.
5.
ゴースト間隔D=撮像時間÷周期=200ms×128×2÷(60/80)=68.3
※周期に注意 心拍1回に何秒かかるか(s/回)
撮像時間がかかるほど分子が大きくなりDは広がる。心拍数が早いほど分母が小さくなりDは広がる。

問題 25 IEC 62464-1に示されるMRIの空間分解能測定ファントムおよび測定用画像の例を示す。正しいのはどれか。2つ選べ。

1. d/Lは0.5とする。
2. (a)はLの10倍未満とする。
3. (b)はスライス厚の2倍以上とする。
4. この画像から得られるのはy軸に沿った空間分解能である。
5. ROI内の信号値と標準偏差から平均MTFを測定することができる。

解答
1.×d/Lは0.61〜0.70
2.× (a)はLの10倍以上とする。
3.○
4.× x軸に沿った空間分解能。
5.○

第2部

問題 26 頸動脈血管壁イメージングを得るために血流信号を低下させる方法はどれか。

1. FSEではRFAを高くする。
2. MPRAGE法では短いTEを使用する。
3. 心電図同期を使用して拡張期に撮像する。
4. 2D-FSE法では血管走行に平行な断面で撮像する。
5. SE系シーケンスではk空間の充填法としてCartesianではなくradial samplingを選択する。

解答
1.×低く設定する。
2.×TEではなくblack bloodとなる適切なTI設定を行う。
3.○DIRで心電図同期した場合、拡張期にデータ収集する。
4.×血管走行に垂直な断面で撮像する。
5.○頸動脈拍動によるアーチファクトが抑制できる。非同期の場合、血流が遅いと高信号となることがある。

問題 27 Single-shot EPI法の拡散強調像について正しいのはどれか。

1. 低いb値では強いMPGを印加する。
2. 低いb値では灌流の影響を受ける。
3. ケミカルシフトは周波数方向に生じる。
4. b値の組み合わせを変えてもADCは一定である。
5. 受信バンド幅に関係なく画像歪みは実行TEを短縮すると低減する。

解答
1.×高いb値で強いMPGを使う。
2.○b値を高くすると灌流の影響は小さくなる。
3.×各位相エンコードステップが独立しておらず水と脂肪の位相ズレが積算し位相方向へケミカルシフトが発生。ケミカルシフト
4.×高いb値ではSNRが低下しノイズの影響によりADCも低下する。
5.×画像歪みは変わらない。


問題 28 肝臓のMR elastographyについて正しいのはどれか。

1. 3T装置には導入できない。
2. ガントリの振動を利用している。
3. MEGと呼ばれる傾斜磁場を利用する。
4. 得られる硬度の単位は[Wb]である。
5. 心拍動が結果に与える影響は少ない。

解答
1.×問題ない。
2.×パッシブドライバー(振動子)という振動波を発生させる機器を体表に設置する。
3.○motion encoding gradient 
4.×Pa(パスカル)
5.×心拍動による測定値の不確定性があるため可能なら右葉で測定する。

問題 29 造影剤について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. SPIOは副脾に集積する。
2. Gd-EOB-DTPAの緩和度はGd-DTPAより高い。
3. 塩化マンガン四水和物はT1延長効果がある。
4. 造影剤濃度とT1強調像の信号強度は比例する。
5. 脳転移検索の際は造影剤静注後なるべく早く撮像を終了することが推奨されている。

解答
1.○SPIOは肝臓や脾臓に存在する細網内皮系組織(Kupffer細胞)に取り込まれるため。膵内副脾に有用。
2.○
3.×一般名:塩化マンガン四水和物、総称名:ボースデル、T1,T2短縮効果がある。
4.×比例しない。
5.×なるべく早く撮像するのではなく適切なタイミングで撮像する(投与直後と比較し投与20分後で小さな病変の検出能が上がったなどの報告がある)。

問題 30 左膝のT2強調横断像を示す。内側支帯はどれか。

1. a
2. b
3. c
4. d
5. e

解答
1.○内側膝蓋支帯
2.
3.
4.
5.

問題 31 頭頸部の造影T1強調横断像を示す。内側翼突筋はどれか。

1. a
2. b
3. c
4. d
5. e

解答
1.×咬筋
2.×下頭斜筋
3.×頭半棘筋
4.○
5.×頭長筋

問題 32 脳内出血の時期と血腫及び信号強度の関係について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 超急性期ーーオキシヘモグロビンーーT1強調像で高信号
2. 急性期ーーデオキシヘモグロビンーーT2強調像で低信号
3. 亜急性期ーーメトヘモグロビンーーT1強調像で低信号
4. 亜急性後期ーーメトヘモグロビンーーT2強調像で高信号
5. 慢性期ーーヘモジデリンーーT2強調像で高信号

解答
1.×
2.○
3.×
4.○
5.×


問題 33 脳・頭頸部腫瘍について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 髄芽腫は拡散強調像で低信号を示す。
2. びまん性星細胞腫の多くは造影後の増強効果が見られる。
3. 類表皮嚢胞(類上皮腫)は拡散強調画像で高信号を示す。
4. グロムス腫瘍のダイナミック撮像では豊富な血流が確認できる。
5. 下垂体微小腺腫のダイナミック撮像では正常組織よりも早期濃染される。

解答
1.× DWI:高信号
2.×造影効果は乏しい。
3.○
4.○グロムス器官:主に手足の指にあり血流の調節を行う器官。グロムス腫瘍はそこから発生し爪下によくできる。造影では早期から造影効果あり。
5.×正常組織が早期に染まる。

問題 34 MRI画像を示す。最も疑わしい疾患名はどれか。

1. 上衣腫
2. 髄膜腫
3. 神経鞘腫
4. 多発性硬化症
5. 椎間板ヘルニア

解答
1.×脊髄内腫瘍で頻度の高い腫瘍。画像では髄外腫瘍と思われる。
2.○脊髄外腫瘍で頻度が高い。造影脂肪抑制T1WI(右)でdural tail signが見られる。
3.×脊髄外腫瘍で頻度が高い。T2WIで高信号、造影では不均一に染まることが多い。
4.×脊髄ではSpinal cord lesionが見られ、T2WIで高信号となる。多発性硬化症
5.×

問題 35 肝臓疾患(造影剤)と典型的な造影効果の組み合わせについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 肝転移(SPIO)ーーT2強調像で取り込みなし
2. 肝内胆管癌(細胞外液性)ーー門脈相で低信号
3. 肝海綿状血管腫(Gd-EOB-DTPA)ーー肝細胞相で低信号
4. 低分化型肝細胞癌(Gd-EOB-DTPA)ーー肝細胞相で高信号
5. 限局性結節性過形成(Gd-EOB-DTPA)ーー肝細胞相で低信号

解答
1.○正常部位ではクッパー細胞により造影剤が取り込まれた所はT2WIで低信号となり、肝転移部分では造影剤は取り込まれずT2WIを撮ると高信号となる。
2.×早期でリング状に染まり徐々に染まっていく。
3.○
4.×低信号
5.×高信号
EOBの造影パターン

問題 36 前立腺のMRI検査について正しいのはどれか。

1. ADC値は撮像条件に依存せず値は変わらない。
2. 前立腺癌ではT2強調像において高信号を示す。
3. 前立腺癌のMRSはクエン酸のピークが高くなる。
4. 正常組織の辺縁域はT2強調像において低信号を示す。
5. 前立腺癌の多くは造影ダイナミック撮像により後期相でwashoutを呈する。

解答
1.×SNRが低い場合ADCも低下する。
2.×低信号
3.×コリンのピークが高くなる。クエン酸は低くなる。
4.×高信号
5.○

問題 37 女性骨盤のMRI検査について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 子宮筋腫の多くはT2強調像で高信号を示す。
2. 漿液性嚢胞腺腫は拡散強調像で高信号を示す。
3. 子宮内膜は生理周期の増殖期に最も薄く描出される。
4. 成熟嚢胞性奇形腫の鑑別には脂肪抑制法が有用である。
5. 子宮腺筋症ではT2強調矢状断像でjunctional zoneに連続する境界不明瞭な低信号が認められる。

解答
1.×低信号
2.×低信号
3.×月経期で最も薄い。子宮の変化
4.○
5.○

問題 38 矢印で示す病変が存在する肝区域(Couinaud分類)はどれか。

1. S4
2. S5
3. S6
4. S7
5. S8

解答
1.
2.
3.
4.○
5.

問題 39 Gd-EOB-DTPAを用いたダイナミックMRI(左から動脈相、移行相、肝細胞相)を示す。矢印で示す病変について最も疑われるのはどれか。

1. 肝血管腫
2. 高分化型肝細胞癌
3. 中分化型肝細胞癌
4. 低分化型肝細胞癌
5. 限局性結節性過形成

解答

問題 40 心臓MRI検査で血行再建術を予定している患者の心筋生存能(バイアビリティ)を評価するために最も必要な画像はどれか。

1. シネMRI
2. LGE MRI
3. ECV map
4. Native T1 map
5. 脂肪抑制T2強調像

解答
1.×壁運動を観察できEFがわかる。
2.○遅延造影により壁深達度からバイアビリティ評価する。
3.×ECV
4.×Native T1
5.×梗塞により浮腫となった部位は2~4週間ほど高信号となるため急性と陳旧性心筋梗塞の鑑別に用いる。また浮腫の範囲と遅延造影を比較し救済範囲の評価にも用いる。

問題 41 JIS Z 4952:2022「磁気共鳴画像診断装置-第1部:基本パラメータの決定方法」に記載されている測定項目はどれか。2つ選べ。

1. 空間分解能
2. 折り返しアーチファクト
3. モーションアーチファクト
4. ゴーストアーチファクト
5. Contrast-to-noise ratio(CNR)

解答
1.○
2.×
3.×
4.○
5.×
信号ノイズ比、均一性、2次元のスライス厚及びスライスプロファイル、2次元幾何学的ひずみ(歪)、空間分解能、ゴーストアーチファクト、(上記項目についての不変性試験)

問題 42 JIS Z 4951:2017について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 磁場強度は第一水準管理操作モードの上限が4Tから8Tに引き上げられた。
2. RF送信モードについて操作者が望めば円偏波RFを使用する場合はCPという表示を確認することができる。
3. 長時間MR検査の比吸収エネルギー上限値はMR検査当たり14.4 kJ/kg(=240 W・min/kg)に制限されている。
4. MR条件付適合植込物を装着した患者を撮像する場合は操作者が植込物に応じた上限値を設定できるオプションをつけるように定められた。
5. MR装置の”適合性を記載する技術指示書”には静磁場の空間分布は記載する必要があるが磁石周辺の傾斜磁場分布やRF磁場の分布は記載する必要はない。

解答
1.○
2.○
3.×製造メーカーがそれぞれ行うリスクマネジメントによって決定する。
4.×固定パラメータオプション(FPO:B)
5.×静磁場の空間分布や磁石周辺の傾斜磁場分布、RF 磁場の分布を示すプロット図を記載することになっている。

問題 43 JIS Z 4951:2017でのMR装置の傾斜磁場出力に関する記述について( )に入る言葉の組み合わせで正しいのはどれか。

・どの操作モードでも、患者及びMR作業従事者の(ア)を防止する。
・どの操作モードでも、患者及びMR作業従事者に対して(イ)の発生を最小にする。
・通常操作モードでは、(ウ)の発生を最小にしなければならない。

1. ア:有痛(不快)なPNS イ:心臓への刺激    ウ:耐えられないPNS
2. ア:心臓への刺激    イ:有痛(不快)なPNS ウ:耐えられないPNS
3. ア:有痛(不快)なPNS イ:耐えられないPNS  ウ:心臓への刺激
4. ア:耐えられないPNS  イ:心臓への刺激    ウ:有痛(不快)なPNS
5. ア:心臓への刺激    イ:耐えられないPNS  ウ:有痛(不快)なPNS

解答
1.
2.
3.
4.
5.○

問題 44 静磁場がZ軸方向のMR装置に対して受信コイルとして不適切な配置方法はどれか。2つ選べ。

1. a
2. b
3. c
4. d
5. e

解答
1.○
2.×
3.×
4.○
5.×
受信コイルは静磁場に垂直でなければならない。

問題 45 磁気的変位力が重力と等しい場合までを許容するコンディショナルデバイスの偏向角は何度[°]か選べ。

1. 33
2. 45
3. 63
4. 73
5. 90

解答
1.
2.○
3.
4.
5.

問題 46 dB/dtを低くする条件設定はどれか。2つ選べ。(他の撮像条件は変更なしで撮像時間の延長やコントラスト変更などは考慮しない)。

1. FOVを250mmから120mmに縮小した。
2. マトリクスサイズを256×256から512×512に増やした。
3. 受信バンド幅を130Hz/pixelから100Hz/pixelに減少させた。
4. 送信RFのバンド幅を固定したまま、スライス厚3mmから6mmに厚くした。
5. EPI法においてデータ収集時間を同時にし、EPI factorを64から128に増やした。

解答
dB/dtは磁場(磁束密度)/時間、磁場の変化がどれだけ早いかを表し、「いかに早く強い磁場勾配を作るか」を表すSR(スルーレート)と座標の積となる。dB/dt=SR・x
選択肢から傾斜磁場が低くなるものを選ぶ。
1.× FOV=BW/γG
2.×
3.○
4.○磁場勾配を緩くするとスライス厚は厚くなる。
5.×

問題 47 患者に聴力保護が必要となる騒音レベル[dB(A)]はどの値を超えた時点から必要となるか選べ。

1. 80
2. 90
3. 99
4. 120
5. 140

解答
1.×
2.×
3.○ 騒音
4.×
5.×

問題 48 SARを低減する撮像条件設定はどれか。2つ選べ(他の撮像条件は変更なしで撮像時間の延長やコントラスト変化などは考慮しない)。

1. GRE法のFAを90°から60°に減少した。
2. SE法のTRを500msから600msに延長した。
3. 高速SE法の実効TEを120msから100msに短縮した。
4. 高速SE法のETLを9から15に増やした(エコースペースは不変)。
5. 撮像枚数を19枚から25枚に増やした(TRの延長や分割撮像はなし)。

解答
1.○フリップ角θの減少はSAR低減となる。
2.○TRの延長はデューティサイクル(D=ΣERF/TR)の減少となりSAR低減となる。
3.×
4.×
5.×
SAR∝(σD(B0θR)2)/ρ
パルスシーケンスとSAR

問題 49 「MRI検査時の鎮静に関する共同提言(2020年2月23日 改訂版)」について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. どの鎮静薬も危険である。
2. モニターで監視すれば十分である。
3. パルスオキシメーターは換気のモニターである。
4. 鎮静の深さに応じた安全基準を設けることの意義は大きい。
5. 小児患者のMRI検査のための鎮静をより安全にするための基準を示している。

解答
1.○
2.×パルスオキシメーターや目視、カメラにより呼吸状態を監視する。目視が難しい場合はカプノメータが有用。
3.×酸素化のモニターであり換気のモニターではない。
4.×
5.○
MRI検査時の鎮静に関する共同提言

問題 50 「前立腺癌の骨転移検出のための全身MRI撮像の細則(2022年3月9日 一部改訂)」にて必須のシーケンスなどはどれか。

1. 全身T1強調像
2. 全身T2強調像
3. 白黒反転表示像
4. b値3000s/mm2の全身拡散強調像
5. 拡散強調像と他のシーケンスとの融合画像

解答
1.○
2.×オプション。
3.×白黒反転表示は必須ではない。
4.×b値は800〜1000s/mm2 。3000は高すぎる。
5.×融合画像は作ることが望ましいとだけ言われている。
全身MRI撮像の指針
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