前回、高速スピンエコー について扱ったためその流れで今回は3D高速スピンエコーについて記載しようと思います。
特に書くこともなかったため詳しくはないです。あっさりめの記事となっております。
過去問からの出題
第6回-14
第6回-14
3D 高速 SE 法について、正しい文章を選択して下さい。(正解2つ)
1.再収束パルス角を小さく変更した場合、SAR と SNR は低下する。
2.再収束パルス角を小さく変更した場合、parallel imaging は併用できない。
3.再収束パルス角を小さく変更した場合、画像コントラストは変化しない。
4.再収束パルス角を小さく変更した場合、血管内(血液)信号強度は上昇する。
5.再収束パルスを非選択的パルスに変更した場合、最短エコー間隔が短くなる。
a.○
b.×併用可
c.×コントラストに影響する
d.×低下する
e.○
第8回-12
第8回-12
次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)
1.radial scan は、k 空間における軌跡が放射状であり、3D 高速撮像で利用できない。
2.3D 高速 SE 法において、再収束パルス角を小さく変更しても画像コントラストは変化しない。
3.3D 高速 SE 法において、再収束パルス角を小さく変更した場合、血管内(血液)信号強度は低下する。
4.spiral scanとSSFPシーケンスと組み合わせることで更にSNRが向上し、現在心臓 MRI で頻用されている。
5.spiral scan は、k 空間における軌跡がスパイラル(渦巻き)であり、parallel imagingを併用することでさらに高速撮像化できる。
1.×使用可能
2.×変化する
3.○
4.×
5.○
第8回-14
第8回-14
第6回-14と同問
第13回-49
第13回-49
頸動脈の black blood imaging に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 呼吸性アーチファクトを軽減するため脂肪抑制を付加して撮像した。
2. プラークの性状を得るために拡散強調画像(b 1000s/mm2)を撮像した。
3. 2 次元データ収集 FSE 法で撮像する場合は心電同期もしくは脈波同期が必須である。
4. 3 次元データ収集再集束フリップアングル法で撮像する場合は心電同期もしくは脈波同期が必須である。
5. 3 次元データ収集再集束フリップアングル法で撮像する場合は血管走行に対して垂直に撮像断面を設定する必要がある。
1.○高信号の脂肪が低信号となり動いてもアーチファクトとして現れずらくなる、腹部などでも有効
2.×性状評価にDWIは用いらない
3.○
4.×3Dでは同期は必要ない
5.×必要ない、垂直に気をつけるのはTOFなど
まとめ
3D高速スピンエコーは簡単にいうと『高速スピンエコーのスライス方向にも位相エンコードを用いたもの』です。
2Dのとき位相エンコード方向はNyのみでしたが、3Dではz軸にも用います(Nz)。
そうすることでスライス方向においても高分解能な撮像が出来て再構成も可能となります。
また2Dと比較しSNRも高くなります。
しかしスライス方向にも位相エンコードを用いたため撮像時間はその分延長し、
撮像時間=(TR×NEX×Ny×Nz)/ETL
となります。
可変フリップ角(variable FA)
FSE法に戻りますが、90°パルスのあと再収束パルスとして180°パルスを用いていました。
しかし3Tなど静磁場が高いと短時間に180°パルスを繰り返すことでSARも高くなります。
そこで180°以下のパルスで再収束させる方法があるのですが、それを可変フリップ角と言います。
これは3D FSEにも採用されています。
可変フリップ角は小さくすることでSARが下がりますがSNRも低下します。また血管内信号強度も低下します。
出題
参考書籍
MRI完全解説 P230
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