【MRI認定 24】SSFP、17問

前回標識の記事で1ターン挟みましたがGREの続きです。

内容はあっさりめです。

目次

過去問からの出題

第5回-27

第5回-27
balanced SSFP について、正しい文章を解答して下さい。

a.balanced SSFPの画像コントラストは √T1/ T 2 * である。
b.同一断面を連続で撮像する場合の saturation 効果を防止するためには、TR を延長 する必要がある。
c.TR<<T2 で TE=TR/2 に設定するのは、各エコーの位相を合わせるためである。
d.TRとTEが短いと、resonance offset angleによるbanding artifactが出やすくなる。
e.linear オーダーに対し centric オーダーの画像は、定常状態移行期の画像コントラストになりやすい。

a.×T2/T1
b.×
c.○
d.×短い方が良い
e.○linear オーダーはk空間端から順に埋め、centric オーダーはk空間中心から埋める、COSMICは移行期を利用したシーケンス

第6回-21

第6回-21
SSFP(steady state free precession)でのブラックバンドアーチファクトに ついて、正しい文章を解答して下さい。(正解 3 つ)

1. 縞の間隔は TR に反比例する。
2.スライス厚を薄くすると軽減できる。
3.対処法の1つに Phase Cycle 法がある。
4. このアーチファクトは,磁場の不均一に起因する。
5.off-resonance での磁化の信号強度の上昇が、バラックバンドを発生する。

a.○短いTRが望ましい
b.×
c.○複数の加算回数の各加算ごとにRFの位相を変えて撮像し、画像再構成後にMIPして加算しアーチファクトを抑制する
d.○
e.×オフレゾナンスでの位相差により信号を打ち消し合い発生
ブラックバンドアーチファクト=バンディングアーチファクト

第6回-35

第6回-35
心臓 MR 検査について、正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1.遅延造影は心筋のバイアビリティーの評価ができる。
2.シネタギング撮像では一般的に心拍出量が評価できる。
3.シネ撮像には SSFP 法を用いると心機能の評価ができる。
4.造影剤を用いたパーフュージョン撮像は虚血性心疾患が評価できる。
5.Black(Dark) Blood 法は心筋信号を無信号にして心筋の性状を評価する。

a.○
b.×局所の動きを観察(機能診断)
c.○
d.○
e.×心内腔(血液)を低信号にし心筋の厚さなどの形態診断

第7回-33

第7回-33
第6回-21と同問

第8回-12

第8回-12
次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.radial scan は、k 空間における軌跡が放射状であり、3D 高速撮像で利用できない。
2.3D 高速 SE 法において、再収束パルス角を小さく変更しても画像コントラストは変化しない。
3.3D 高速 SE 法において、再収束パルス角を小さく変更した場合、血管内(血液)信号強度は低下する。
4.spiral scanとSSFPシーケンスと組み合わせることで更にSNRが向上し、現在心臓 MRI で頻用されている。
5.spiral scan は、k 空間における軌跡がスパイラル(渦巻き)であり、parallel imagingを併用することでさらに高速撮像化できる。

1.×可能
2.×変化する
3.○
4.×
5.○

第8回-13

第8回-13
心臓 MRI について正しい文章を選択してください。(正解 1 つ)

1.Perfusion MRIには、ガドリニウム造影剤をボーラス注入し、ファーストパスによる T2*信号減衰効果を利用する。
2.Coronary MR Angiography では、通常 SSFP シークエンスに脂肪抑制や T2 prepを併用することで明瞭に描出できる。
3.心筋タギング法は、スライス内の磁化を空間的に変調させる非選択的励起パルス(SPAMM パルス)を用いてシネ撮像を行う。
4.Late Gadolinium enhancement MRI に用いられる phase-sensitive inversion recovery(PSIR)法は、IR 法よりも短時間に3D 撮像が可能である。
5.心電図同期法には、プロスペクティブ同期法とレトロスペクティブ同期法があり、フラッシュアーチファクトが発生するのは、レトロスペクティブ同期法である。

1.× T1短縮効果
2.○
3.×SPAMM法ではシネ撮影しない?
4.×遅延造影撮像中に造影剤濃度が変化するため至適TIの設定が困難であるがPSIRでは最適コントラストが得られる
5.×レトロスペクティブでは発生しない

第8回-26

第8回-26
Gradient echo(GRE)シーケンスについて正しい記述を選択してください。(正解3つ)

1.balanced SSFP の信号強度は T1/ T2 にほぼ比例するので hydrography に適する。
2.3 個の α パルスを異なった間隔で印加すると 3 個の FID と 5 個のエコーが形成される。
3.第 2 の化学シフトによると 1.5 T の磁場において TE=4.5ms,9 ms であれば水と脂質中のプロトンは逆位相になる。
4.balanced steady –state free precession (balanced SSFP)では 3(X Y Z)方向の流速補償が成り立ち、流入効果とともに血管内が高信号になる。
5.第 2 の化学シフトアーチファクトは、周波数あるいは位相エンコード方向とは関係ないので、どの方向にも現れ筋肉や腸管全体を取り巻くように描かれる。

1.× T2/T1
2.○
3.× 2.2:逆位相、4.4:同位相、6.6:逆位相、8.8:同位相
4.○
5.○

第8回-27

第8回-27
balanced SSFP について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.balanced SSFP の画像コントラストは T1/ T 2 * である。
2.TR<<T2 で TE=TR/2 に設定するのは、各エコーの位相を合わせるためである。
3.TR と TE が短いと、resonance offset angle による banding artifact が出やすくなる。
4.同一断面を連続で撮像する場合の saturation 効果を防止するためには、TR を延長する必要がある。
5.linear オーダーに対し centric オーダーの画像は、定常状態移行期の画像コントラストになりやすい。

1.× T2/T1
2.○
3.×長いほどbanding artifact が出やすくなる
4.×
5.○

第8回-29

第8回-29
第6回-21と同問

第9回-26

第9回-26
Gradient echo (GRE)シーケンスについて 正しい記述を選択してください。(正解3つ)

1.3個のαパルスを異なった間隔で印加すると3個の FID と5個のエコーが形成される。
2.1.5 T の磁場において TE=4.5msec、9 msec であれば水と脂質中のプロトンは逆位相になる。
3.Balanced SSFP では3(X、Y、Z)方向の流速補償が成り立ち、流入効果とともに 血管内が高信号になる。
4.第2の化学シフトアーチファクトは、周波数あるいは位相エンコード方向とは関係 ないので、どの方向にも現れる。
5.Balanced SSFP(steady-state free precession)の信号強度は T1/T2 に ほぼ比 例するので hydrography に適する。

1.○
2.×同位相
3.○
4.○
5.× T2/T1

第9回-36

第9回-36
SSFP での banding artifact の軽減について正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.TE を TR/3 に設定する。
2.TR を長く TE を短く設定する。
3. オーバサンプリングを用いる。
4. Phase cycling による除去法は有効だが体動に弱い。
5. Phase offset が 2Πの場合,off-resonance frequency は 1/TR(Hz)となる。

1.× TE=TR/2
2.× TR短く
3.×折り返しアーチファクト抑制
4.○
5.○1/TRの周期で信号消失(黒)→バンディングアーチファクト、TRを短くするとバンディングアーチファクトの間隔は広がる

第10回-23

第10回-23
グラディエントエコー(GRE)法について正しい記述を選択してください。(正解2つ)

1.TR を短縮すると SSFP になる。
2.Balanced SSFP の信号強度は T1/ T2 に比例する。
3.Ernst angle(エルンスト角)は、T2 と TR から得られる。
4.Balanced SSFP(steady-state free precession)は動きに強い。
5.スポイルド GRE では、縦磁化の影響を無視することができる。

1.○
2.×T2/T1
3.× cosαE=exp(-TR/T1)
4.○
5.×横磁化を消失させる

第10回-47

第10回-47
Balanced SSFP で撮像した下の画像について正しい記述を選択して下さい。<写真あり> (正解 3 つ)

1.in-coherent 型のシーケンスである。
2.矢印のアーチファクト部は位相が分散している。
3.リワインダー傾斜磁場が必要となるシーケンスである。
4.矢印のアーチファクトは、TR が T2 値より長い場合に目立つ。
5.矢印のアーチファクトを防ぐためには stimulated echo の発生を抑制する。

画像がないため解答不可能

第12回-10

第12回-10
グラディエントエコー法(GRE)について正しい文章を選択して下さい。 (正解 3 つ)

  1. Ernst angle は T1 値と TR から求まる。
  2. DESS(dual echo in the steady state) は動きに強い。
  3. Balanced SSFP 法の信号強度は T1 値/ T2 値に比例する。
  4. スポイルド GRE は残留横磁化の影響を無視することができる。
  5. TR を短縮すると SSFP(steady-state free precession) になる。

1.○cosαE=exp(-TR/T1)
2.×弱い
3.×T2/T1
4.○横磁化をスポイル(消失)する
5.○

第12回-25

第12回-25
Balanced SSFP シーケンスについて正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

  1. Gd 造影剤により造影効果を示す。
  2. リワインダー傾斜磁場を必要とするシーケンスである。
  3. 図中の矢印に示すアーチファクトの間隔は TR に依存する。
  4. 図中の矢印に示すアーチファクト対策としてスポイリングが有効である。
  5. 図中の矢印に示すアーチファクトは、TR 間の位相オフセットが±π/2 になると顕著になる。

1.○
2.○
3.○TRが短い程バンディングアーチファクトの間隔は広がる
4.×Balanced SSFPにスポイルは使用しない
5.×±πで顕著

第13回-23

第13回-23
撮像シーケンスに関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)

1. CISS(constructive interference in steady state)は動きに強い。
2. ASL(arterial spin labeling)で算出できるのは局所血流量である。
3. Dixon 法にて((In-phase) – (Opposed-phase))/2 を計算すると水画像が得られる。
4. Balanced SSFP(steady-state free precession)の信号強度は T1/ T2 に比例する。
5. SWI(susceptibility weighted image)で Gd 系造影剤を用いると細い静脈が見えやすくなる。

1.×動きに弱い
2.○
3.×((In-phase)+(Opposed-phase))/2=((水+脂肪)+(水-脂肪))/2=水
4.×T2/T1
5.○

第13回-43

第13回-43
Balanced SSFP に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)

1. 信号強度は T1/ T2 に比例する。
2. TE と TR はコントラストの指標とはならない。
3. Banding artifact は TR を短くすると低減できる。
4. 血液を高信号にするにはフリップ角を浅くすると良い。
5. 各 k-space order の shot 間隔が長いほど軟部組織と血液の信号が減少する。

1.×T2/T1
2.○
3.○
4.×深くする、Balanced SSFPでは3方向の傾斜磁場により3方向に流速補正がかかる
5.×間隔を長くとるほど血液を高信号化することが出来るがT1緩和により軟部信号も高くなる



まとめ

GREの復習として

前回はスポイルドGREについてでしたが今回はSSFPについて記載していきます。

“ダイナミックや通常のGRE”というとスポイルドGREを指し、”SSFP”というとコヒーレントGREを指すと僕は認識しています。

スポイルドGREでは残留横磁化を消失させますが、SSFPでは残留横磁化を残します。

 

SSFP状態ではFID(S +と言います)とSE(S-と言います)が重なっていますがこの二つを同時取得するのがbalanced SSFPとなります。

しかし昔はハードウェアの進歩が追いついておらず、S +とS-の同時取得でSNの良い画像が得られるという概念があったにもかかわらず実装できませんでした。
S +とS-の信号を同時取得するには二つの信号の位相を揃えなおかつフラッシュバンドを避けなければなりません。

そこでS +のみの取得を行うGRASSやFISPS-のみの取得を行うPSIFが開発されました。
※PSIFはSE信号を取得するためGREシーケンスにも関わらずT2減衰します。

そして同時取得ではなくこれらS +S-の信号を後処理として位相を合わせて合成させたDESSというシーケンスがあります。

また、位相を変えた二つのRFを用いて撮像しその合成を用いてフラッシュバンドを消すCISSというシーケンスがあります。

DESS、CISSともに動きに弱いシーケンスです。

balanced SSFP

ここでフラッシュバンドは共鳴オフセット角βに依存するのですが、βは静磁場の不均一性やTR、RF位相、傾斜磁場による位相変化、血流などによる位相変化に関わります。

CISSでは傾斜磁場と血流による位相変化を0にし、二つのRFによって静磁場不均一性によるβを相殺していました。

balanced SSFPでは静磁場不均一性を最小に抑えた状態で、TRごとに位相を反転させたRF、短いTR、3軸の傾斜磁場を相殺し1回の撮像でS +S-を同時に取得します。

ハードウェアの進歩によりS +とS-の同時取得を実現しました。

 

balanced SSFPの特徴として

3方向の傾斜磁場がTR中に相殺されているので流速補正が成り立ち血管内が高信号となります。

TR、TEはコントラストの指標とならず、信号強度はT2/T1となります。

また、造影効果があります。

stop bandとphase cycling

磁場不均一の場合、TR間に位相のズレが生じ蓄積されます。

位相のズレがπ(180°)の場合は横磁化とRFが同じ位相となり信号が消失します。

これをstop bandと言い、バンディングアーチファクトの原因となります。

このstop bandの周期は1/TRでありTRが長いほど周期が短くなるためバンディングアーチファクトの間隔が短くたくさん現れます。

これを抑制するためにphase cycling法というものがあります。

複数加算回数の各加算ごとにRFの位相を変えます。

加算回数2の場合、1回目を通常通り、2回目はstop band位置を180°ズラして撮像し再構成後にMIPを加算することでバンディングアーチファクトを抑制します。

 



そして

SSFPにしてはあっさりした内容になってしまいました。

もっと詳しく説明しようとするとまだまだ記載することがあると思います。

ご自身で勉強されるなら『MRI応用自在』にとても詳しく、出題にも合致する内容が載っています。おそらくここから出題していたなと思えます。

今回は認定試験で必要そうな部分だけにしました。というかまとめるのがしんどいです。とても、、

補足的に今後も記事を書いていきます。

 

また、改めて自分が解答した過去問を見ていると稀に○✖️間違って付けているところがあります。

みなさんこのサイトの解答にはくれぐれも注意してください。

いずれしっかりと見直し認定試験までには完全な解答にしますので今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

ラジエーションハウス2期始まりましたね!

まあまあブチとんでる内容ですが好きです。

知り合いに「マンウィズのfly againってラジエーションハウスから出来たんだよ」って教えてあげたら「違うよ」って言われました。確かに違いました。
このサイトもそんな感じで作っているので気をつけてください。

出題

第5回-27,第6回-21,第6回-35,第7回-33,第8回-12,第8回-13,第8回-26,第8回-27,第8回-29,第9回-26,第9回-36,第10回-23,第10回-47,第12回-10,第12回-25,第13回-23,第13回-43

参考文献、サイト

MRI応用自在 P98
MRI完全解説 P260
QUESTIONS AND ANSWERS IN MRI

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