【MRI認定 34】モード、9問

操作モードに関する問題は度々みられますが、ここは暗記してしまう解くことができます。

しかし数値だのモードだの紛らわしいものが多いので簡単にまとめてみました。

全てをカバーし切れていませんがご活用いただければと思います。

 

一応ゴロも作りました。

目次

過去問からの出題

第7回-22

第7回-22
JIS Z 4951 で規定されている SAR(比吸収率)について、正しい文章を選択してください(正解2つ)

1. 第二次水準管理モードについては、SAR 上限値はない。
2. SAR 上限値は、検査室の周囲温度が 24°Cよりも低ければさらに高い値が許容される。
3. 頭部 SAR 上限値は、通常操作モードの値よりも第一次水準管理モードの値のほうが大きい。
4. 局所 SAR とは、一定時間及び患者の任意の身体組織 10g にわたって平均化した SARのことである。
5. SAR 決定方法にはパルスエネルギー法と熱量測定法があるが、パルスエネルギー法は、温度センサーを使用して人体等価な試験物の RF 照射による温度上昇値を計測し、SAR 値を算出する方法である。

1.○
2.×関係ない
3.×通常も第一次も上限値は3.2W/kg
4.○
5.×温度センサーシステムは熱量測定法

第8回-21

第8回-21
最新の JIS Z 4951:2012 で規定されている SAR(比吸収率)について、正しい文章 を選択してください。(正解 2 つ)

1.SAR 上限値は 15 分間の一定時間で平均化された値である。
2.第一次水準管理操作モードの全身 SAR 上限値は、4W/kg である。
3.RF 送信コイル内に使用しないコイルがあってもコネクタは接続しておく。
4.全身 SAR の上限値は、環境温度が 22 °C以下であることを前提としている。
5.局所 SAR とは、一定時間に任意の身体組織 1g にわたって平均化した SAR のことである。

1.× 6分間の平均
2.○
3.○
4.× 25℃
5.× 10g

第11回-47

第11回-47
人体に照射するラジオ波(RF)について正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1.人体の体表よりも中心部のほうが加熱されやすい。
2.同一のスキャン設定でTRを長くするとSARの値は大きくなる。
3.内股火傷を防止するには両方の太ももを接触させないようにパッドなどをはさむ。
4.JIS Z 4951:2012で規定している通常操作モードの平均SAR上限値は、頭部よりも全身のほうが小さい。
5.JIS Z 4951:2012 で規定している局所 SARとは、一定時間に任意の身体組織 10 g にわたって平均化した SAR のことである。

1.×中心よりも表面で加熱されやすい
2.×デューティサイクルはTRに反比例
3.○
4.○
5.○

第12回-26

第12回-26
操作モードの記述で正しい文章を選択して下さい。(正解 3 つ)

1.静磁場、傾斜磁場出力、比吸収率(SAR)、騒音の全てを管理する。
2.静磁場強度が 3T を超え 4T 以下の場合は、常に通常操作モードで運転する。
3.通常操作モードを超える事の決定は、患者に対する潜在的なリスクと効用との 関係から医学的に判断しなければならない。
4.通常操作モードのレベルを超える場合には、患者及び MR 作業従事者に与える 可能性のある影響を説明しなければならない。
5.1 つ又は複数の出力が患者に医療管理を必要とする生理学的ストレスを引き起こす可能性がある値に達する MR 装置の操作モードは、第一次水準管理操作モ ードである。

1.×騒音はない
2.×第一次水準管理モードの範囲
3.○
4.○
5.○

第12回-30

第12回-30
取扱説明書に記載されている撮像を避けなければならないケースを選択して下さい。(正解 3 つ)

  1. 環境温度が 25°Cを超過する場合の撮像。
  2. 確実な医療管理を行った上での第一次水準管理操作モードでの撮像。
  3. 体内深部温度が 39.0°Cを超えている患者の第一次水準管理操作モードでの撮像。
  4. 妊娠している患者の全身用 RF コイルによる第一次水準管理操作モードでの撮像。
  5. 国家規制に従って承認された人体に関わる調査研究プロトコルの医療責任者の許可がある場合の第二次水準管理操作モードでの撮像。

1.○ 
2.×撮像可
3.○避けなければならない、通常モードでは撮像可
4.○避けなければならない、通常モードでは撮像可
5.×撮像可

第12回-32

第12回-32
ボリューム送信コイルを使用した場合、通常操作モードにおける全身 SAR の上限値を選択して下さい。(正解 1 つ)

1.2.0 W/kg 
2.3.2 W/kg 
3.4.0 W/kg
4.10.0 W/kg 
5.20.0 W/kg

1.○
2.×
3.×第一次モード
4.×
5.×

第13回-26

第13回-26
JISZ4951:2017 における比吸収率 SAR(W/kg)に関する正しい記述はどれか。(正解 3 つ)

1. 静磁場強度の2乗に比例し、傾斜磁場強度の2乗に比例する。
2. 最大エネルギー量(SAR×検査時間)は、リスクマネジメントによって制限される。
3. 成人に4W/kg の高周波を照射した場合、体内深部温度が 1°C上昇するというのが基本的な考え方である。
4. 第一次水準管理操作モードでの全身 SAR 上限値は、周囲温度が1°C上昇する毎に 0.25W/kg 低下させるべきである。
5. 任意の 10 秒間にわたる SAR の上限値(短期 SAR)は、既定値(各身体領域と操作モードにより決められた上限値)の 5 倍を超えてはならない。

1.×SAR∝(σD(B0θR)2)/ρ
2.○
3.○
4.○
5.×2倍を超えてはならない

第15回-40

第15回-40
下図はJISZ 4951:2017の傾斜磁場出力上限値を示している。正しい組合せはどれか。横軸(ts、eff)は実効刺激持続時間(ms)とする。

1.○2.3.4.5.
A:心臓刺激、B:第一次水準管理操作モード、C:通常操作モード

第15回-44

第15回-44
正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. 短期 SAR とは任意の2分間の SAR 上限値として規定されている。
  2. SAR は静磁場強度に比例し,高周波磁場強度の2乗にも比例する。
  3. 成人に高周波照射4W/kg で体内深部温度 1°C上昇が規格上の考え方である。
  4. SAR×検査時間で示す最小エネルギー量がリスクマネジメントにより制限される。
  5. MR 装置は 140dB より高いピーク音圧レベルの騒音を生じてはならないと規定されている。

1.×10秒間
2.静磁場強度の2乗に比例
3.○
4.×最大エネルギー量
5.○



まとめ

操作モードには通常操作モード、第一次水準管理操作モード、第二次水準管理操作モードの3段階があります。

これらは静磁場、傾斜磁場、高周波出力が患者に与える可能性のある生理的ストレスのレベルに対応して分けられています。

表にすると以下の通りです。

わかりづらいので簡単に説明します。

通常操作モード

患者がストレスを感じることなく検査できるモード。

もちろん、うるささや閉塞感などの環境的ストレスはありますが、過剰な熱感や神経刺激を与えない状態のことを言います。

通常の患者へのモニタリングを行えば良い。

操作モード、最大傾斜磁場出力、SARの予測値をコンソールに表示しなくても良い。

第一次水準管理操作モード

一部の出力が患者に生理的ストレスを与える可能性がある。

このモードに入る前にSAR、dB/dtに関する情報が表示されるのでその都度操作者はモードの確認を行う必要がある。

患者に対して医療管理を行う必要がある。

このモードは過度な生理学的ストレスを与える可能性があるため、患者の利益を操作者が判断しなければならない。

第二次水準管理操作モード

さらに過度の生理学的ストレスを与える可能性がある。

各施設の倫理委員会などの承認を得た人体に対する臨床研究のみに許される。通常臨床では使用できない。

このモードで動作させるためにはパスワードなどの安全手段を講じ、許可された研究者のみしか操作できない。

中二心がくすぐられますね。

 

では次に、これら操作モードの具体的な規格値についてです。

静磁場

静磁場の生理学的影響は、磁場内で急激に頭を動かした時に、めまい、ふらつき、口内の金属味、磁気閃光があります。

*セイジさんのサバ読み*

静磁場、(通常)3T、(第一次)3T〜8T
ちなみにセイジさんは昔働いていたところのお世話になった方です。

高周波磁場

RF照射により誘導加熱が生じ、体温が上昇します。

そのため患者の体内深部温度の上昇および局所組織の温度上昇を制限します。

実際に検査中の体内深部温度を測定するのは難しいため、SARの上限値を用いて制限しています。

成人に4W/kg以下のSARで30分照射すると体内深部温度が1℃上昇すると考えています。

照射される部位により体温上昇の程度は異なるため、ボリュームRF送信コイルと局所RF送信コイルに分けて考えられています。

 

*アゲアゲなレコード1つ、新曲の作詞また一緒かよ*
体温限値 0.5 1 部温度・所温度 39 40 一緒

ボリュームRF送信コイル

全身SAR、身体部分SAR、頭部SARについて規定されています。

身体部分SARとは、RF送信コイルによる照射が身体の一部に限定される場合、照射部位に相当する部分体重でSAR上限値を決める考え方です。

頭部は温度上昇の影響を受けやすく、3W/kgの照射で眼の温度上昇は1.6℃、脳は1℃を超えないという測定結果と実験結果から3.2W/kgという値となっています。

*全身ほりにしまみれ、部分部分にもほりにし体中、でも頭には砂鉄砂鉄*
全身 ボリューム 2 4  身体部分 2 4 〜10 頭 3.2 3.2
ほりにしとは僕がキャンプでよく使う調味料です。おいしいです。
ここのゴロは覚えづらくてごめんなさい

局所RF送信コイル

局所SARについて規定されています。

*急所に当たると倍のダメージ、頭と体に10のダメージ、四肢に20のダメージ*
局所 第一次は通常の2倍  体幹部 10 四肢 20

短期SAR

SARは6分間平均で表されていますが、それとは別に短期SARという概念があり任意の10秒間の出力が規定値の2倍を超えてはならないとなっています。

周囲温度とSAR

各操作モードの上限値は周囲温度が25℃以下であることを想定して決められており、
周囲温度が1℃上昇するごとにSARは0.25W/kg下げることが望ましいとしています。

例えば、第一次モードの全身SARは4W/kgですが、周囲温度33℃の場合、
SAR上限値は2W/kgとなります。

SARの測定方法

パルスエネルギー法

高周波負荷の小さい試験物1と患者の負荷と同等の試験物2を、順次コイル内に入れてピーク高周波電力を直接測定する。その差から物体に吸収される総平均電力を求めSARを算出する。

熱量測定法

上記同様2種類の試験物を用意。高周波と静磁場に影響されない光ファイバー温度センサを使った温度計測システムを用いて、患者等価の試験物への高周波照射による温度上昇からSARを算出する。

傾斜磁場

傾斜磁場をON-OFFさせることで誘導電流が発生し人体に影響を及ぼします。

撮影中心よりも、やや離れた傾斜磁場強度が最大となる部位で刺激されます。

通常操作モードにおいて、不快なPNSの発生が最小となるように上限値が設定されています。
PNS:抹消神経刺激

第二次水準管理操作モードを含むいかなるモードでも、耐えられないPNSおよび心臓刺激が起こる範囲まで傾斜磁場を作動させてはなりません。

 

上限値設定はデフォルト値と直接測定によるものがあります。

デフォルト値

全身用傾斜磁場システムによって測定した結果

ゴロ思いつきませんでした

直接測定

11人以上のボランティアにより測定を実施し、最悪の位置で観察された閾値から平均PNS閾値を導きます。

 *ケチでぷんすか八時髭*
斜磁場 PNS 80 100

 

 

以上がモードのまとめとなります。

所々に載せた表は覚えなければなりませんが、第二次モードは第一次モードの「それ以上」ということとなるため、通常モードと第一次モードだけ覚えればなんとかなります。

 

年末年始に解答を一通り見直しましたがいくつか間違えて記載している箇所がありました。それもケアレスミスとか笑

訂正しました、今後なるべく気をつけます。

試験まであと2ヶ月くらいですか、頑張りましょう!

確認

出題

第7回-22,第8回-21,第11回-47,第12回-26,第12回-30,第12回-32,第13回-26,第15回-40,第15回-44

参考書籍

MRI完全解説 P666
MRI安全性の考え方 P138

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