MRI認定試験過去問解説 第5回-8【IR】

インバージョンリカバリーについてです。

目次

問題

8)インバージョンリカバリーにて T1 値 500ms の組織の信号を null にするのに最も適切なインバージョンタイム(TI)は以下のうちどれですか。ただし、TR=∞とし、ln(0.5) =-0.693 とします。

1. 173ms
2. 346ms
3. 360ms
4. 693ms
5. 721ms

 

解答

2

解説

インバージョンリカバリー

180°パルスを用いて任意のT1値を持つ組織の信号を抑えることが出来ます。

①はじめに180°パルスを照射します。すると縦磁化は反転します。

②反転した磁化はマイナスから徐々に回復します。

抑制したい組織が0まで回復したところで90°パルスを照射します。

抑制したい組織は縦磁化が0だったので横磁化は発生しません。他の組織は縦磁化があるので90°パルスを受けると磁化は倒れ横磁化が発生するため信号を取得できます。

 

180°パルス照射後の縦磁化の回復は

で表されます。

M0は最初の縦磁化、MzはTI後の時間です。
抑制したい組織の縦磁化が0になる時間がわかれば好きなように抑制をすることが出来ます。

〔〕内が0であれば良いので

抑制したい組織のT1値さえ知っていれば T1×0.693をTIに設定すると任意の組織を抑制できます。

まとめ

TIの算出は簡単なので覚えた方がいいと思います。またIRは式であったり原理であったり様々な形で出題されますのでチェックしておくべきです。

参考書籍・文献

MRI完全解説第2版 P279
など

 

解答に関して、今まで培った知識や書籍・文献を参考に導出したもので、私の認識不足により間違っている可能性もございます。ご理解いただいた上でご参考ください。

MRI認定試験の合格を目指している方のお手伝いができればと思っています。

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