【第9回】MRI専門技術者認定試験 過去問

2014年出題、問題数40問

目次

第1部

1)室温で強磁性を示す単体の物質を3つ選択してください。(正解 3 つ)

1.Cr
2.Fe
3.Co
4.Ni 
5.Ga

解答
1.×反強磁性
2.○
3.○
4.○
5.×個体では反磁性、液体では常磁性

2)基本条件:TR=3000ms 、TE=90ms、加算回数=2 回、マトリクス=256×256、スラ イス数=10枚、スライス厚=10mm、FOV = 300mm、BW=130Hz/pixel、撮像シーケ ンスは Spin Echo 法を使用する。この条件で撮像した時の SNR について、次の記述で 正しいものを選択してください。(正解 2 つ)

1.加算回数を3回に変更したときの SNR は 1.225 倍になる。
2.BW を 65Hz / pixel に変更したときの SNR は√2 倍になる。
3.スライス厚を 5mm に変更したときの SNR は 1/√2 倍になる。
4.スライス数を 5 枚に変更したときの SNR は基本条件の 1/2 になる。
5.FOV を 150mm に変更したとき,スライス厚を 20mm すると同じ SNR になる。

解答
1.○
2.○
3.× 1/2
4.×変わらない
5.×


解説

3)Boltzmann 分布則によって求まる偏極率について正しい説明を選択してください。(正解 3 つ)

1.絶対温度に反比例する。
2.磁気回転比に比例する。
3.プロトン密度に比例する。
4.静磁場強度に反比例する。
5.1Hは静磁場強度1.5Tで0.5*10-5である。

解答
1.○ Nα/Nβ=exp〔ΔE/(kT)〕=exp〔(γħB0)/(kT)〕
2.○
3.×比例関係にはない
4.×比例
5.○
原理1

4)核磁気共鳴現象を示す核種を選択してください。(正解 3 つ)

1.2H
2.12C
3.23Na 
4.31
5.40Ca

解答
1.○ p:1 n:1 陽子と中性子が共に偶数だと非磁性核→核磁気共鳴現象を示さない
2.× p:6 n:6
3.○ p:11 n:12
4.○ p:15 n:16
5.× p:20 n:20
解説

5)脂肪抑制法について、正しい文章を選択してください。(正解2つ) 

1.CHESS 法は周波数差を利用する方法である。
2.1.5 T での脂肪の中心周波数は水よりも 224 Hz 高い。
3.選択的脂肪抑制法は静磁場強度が高い方が有利である。
4.局所磁場変動に最も影響されないのは、水選択励起法である。
5.STIR 法は IR パルスを用いる方法で、脂肪のみを抑制することができる。

解答
1.○
2.×224 Hz脂肪が低い。
3.○
4.×局所磁場変動には弱いがRF磁場不均一には強い。局所磁場変動に強いのはSTIR。
5.×脂肪と同じT1値のものを抑制する。
類似問題6-10

6)前立腺 MR 検査について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.前立腺がんは一般的に T2 強調像で高信号を呈する。
2.前立腺がんの MRS は乳酸とコリン(Choline)で評価する。
3.前立腺がんは ADC マップでの見かけ上の拡散係数は低値となる。
4.前立腺がんは拡散強調像で T2-shine through の影響を受け難い。
5.前立腺がんは拡散強調像で高信号に描出する場合,b 値は小さく設定する。

解答
1.×低信号
2.×クエン酸とコリン
3.○
4.○
5.×高いb値を用いる。
解説(MRSピーク)解説(DWI所見)

7)MRS ピークについての正しい説明を選択してください。(正解 2 つ)

1.幅は横緩和時間に反比例する。
2.高さはプロトン密度に比例する。
3.右側のピークが共鳴周波数は高い。
4.幅はシミング精度が良くなると広くなる。
5.静磁場強度とケミカルシフト(ppm)は比例する。

解答
1.○共鳴周波数幅とT2
2.○
3.×左に行くほど高い。
4.×シミング精度が良くなると幅は狭くなる。
5.×比例しない、Hz表記では比例関係。
解説(MRS)解説(化学シフト)

8)EPI を用いた拡散強調像において動脈瘤クリップによる画像歪を改善するパラメー タで正しいものを選択してください。(正解 2 つ)

1.加算回数を増やす。
2. TR を大きく設定する。
3. TE を大きく設定する。
4. 長方形 FOV を用いる(位相方向の FOV を小さくする)。
5.Parallel imaging factorを可能なだけ大きく設定する。

解答
1.×歪み改善にはならない。
2.×歪み改善にはならない。
3.×TEはEPI歪に関係ないが、クリップによる位相分散が大きくなるため悪化すると考えられる。
4.○
5.○
解説(DWI)

9) 次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.スピンエコー法の 180 度パルスは横磁化成分のみを反転させる。
2.スティミュレーテッドエコーを得るには4つの RF が必要である。
3.FOV 一定の場合、リードアウト傾斜磁場強度が強いほうが SNR は高い。
4.グラディエントエコー法の信号強度はピクセルサイズに影響を受ける。
5.同じ形状の RF の場合、印加時間を短縮すると励起周波数帯域は広がる。

解答
1.×縦磁化、横磁化どちらも反転。
2.× 3つ
3.×FOV=BW/Gにより、BWも大きくなりSNRは低下する。
4.○
5.○
類似問題8-10

10)位相コントラスト MRA 撮像方法について正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.「VENC」の単位は cm/sec である。
2.「VENC」はそのシーケンスで正しくエンコードされる最小速度である。
3.血液が傾斜磁場に沿って移動した場合の縦磁化の位相変化を検出している。
4.移動したスピンだけが信号を出すので TOF 画像で見られるような T1 値の短い血液崩壊産物の描出という問題はない。
5.位相コントラストシーケンスでは二極性の傾斜磁場を付加して血流速度と MR 信号の位相の間に線形関係が形成されるようにしている。

解答
1.○
2.×
3.×横磁化
4.○
5.○
PC法

11)図は頭部の T2 強調画像と FLAIR 画像を示す。症状は頭痛である。正しいものを選択してください。(正解 2 つ)<写真あり>

1.硬膜下に出血が認められる。
2.くも膜下に出血が認められる。
3.中脳水道に出血が認められる。
4.中脳被蓋に出血が認められる。
5.シルビウス裂に出血が認められる。

解答
画像がないため解答不可能

12) 受信バンド幅について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.サンプリン時間に反比例する。
2.大きくなると SNR が上昇する。
3.大きくなると化学シフトが大きくなる。
4.大きくなると磁化率アーチファクトが小さくなる。
5.大きくなるとリンギングアーチファクトが大きくなる。

解答
1.○
2.× SNRは低下する。
3.×化学シフトは小さくなる。
4.○
5.○トランケーションアーチファクト
解説(化学シフト)

13)図は慢性硬膜下血腫の T2 強調画像である。血腫が脳脊髄液(水)よりも高信号となる理由を選択してください。(正解 1 つ)<写真あり>

1.MTC 効果
2.表皮効果
3.Inflow 効果
4.表面コイルによる影響
5.TR による縦磁化の影響

解答
1.脳実質の信号が下がる
2.高磁場装置においてRFが体内に侵入しにくくなりB1不均一となる
3.血流など流入することにより高信号となる
4.コイルの感度分布によりコイル付近で高信号となる
5.TRの長さによって強調される組織が変わる
画像がないため解答困難ではあるが、1、3は考えにくい。

14)膵臓病変について正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.膵癌は膵実質に比べて T1 強調像で高信号を示す。
2.膵癌の診断に脂肪抑制を併用した T1 強調像が役に立つ。
3.Solid and cystic tumor は被膜が T2 強調像で高信号を示す。
4.粘液性嚢胞腺腫は T1 強調像で嚢胞液が高信号を示すことがある。
5.Solid and cystic tumor は嚢胞内の出血が T1 強調像で高信号を示す。

解答
1.×低信号となる。
2.○
3.×低信号
4.○基本はT1low、T2highだが信号形態は様々。
5.○

15)拡散強調像に関して正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.「b 値」の大きさと MPG 印加の時間間隔は関係する。
2.ADC の単位は mm2/sec で、「b 値」の単位は sec/mm2 である。
3.拡散係数「D」は、温度「T」と粘性係数「 η 」に比例する。
4.受信バンド幅に関係なく実効 TE を短縮すると画像歪みは低減する。
5.FOV を変えない場合、位相エンコード数によって画像歪みに変化はない。

解答
1.○ b=γ2G2δ2〔Δ-(δ/3)〕 G傾斜磁場強度、δMPG印加時間、ΔMPG間隔
2.○
3.× D=(kBT)/(6πηr) kBボルツマン定数
4.×変わらない。
5.○
解説(DWI)

16)脂肪抑制法の臨床画像利用について正しいものを選択してください。(正解 2 つ)

1.水と脂肪の共鳴周波数差は 15.3 ppm である。
2.周波数選択的脂肪抑制法によってメチル基(CH3)の信号は抑制される。
3.周波数選択的脂肪抑制法によってメチレン基(CH2)の信号は抑制される。
4.周波数選択的脂肪抑制法によって不飽和脂肪酸(CH=CH)の信号は抑制される。
5.脂肪選択反転パルスに断熱パルスを使用することによって SAR を小さくすることができる。

解答
1.× 3.5ppm
2.○
3.○
4.×不飽和脂肪酸の共鳴周波数は水に近いため抑制されない。メチル、メチレン、メチンはどれも水と3〜4ppm程度差があるのでこれらは抑制される。
5.×断熱パルスだとSARの上昇が抑えられると思う。選択肢2,3が確実に○なので

17)functional MRI について正しいものを選択してください。(正解 3 つ)

1.信号値は灰白質容積に影響される。
2.脳活動を間接的に観察する技術である。
3.拡散強調画像を用いた functional MRI は利用されていない。
4.functional MRI では Task 画像と Rest 画像が加算された画像を得ている。
5.撮像の一つに blood oxygen leveldependent (BOLD) 効果を利用した手法がある。

解答
1.○
2.○
3.×利用されている。
4.×差分する。
5.○
解説(DWI所見)

18)ガドキセト酸ナトリウム注射液(EOB・プリモビスト)について正しい記述を選択 してください。(正解 2 つ)

1.臨床における通常投与量は 0.1mmol/kg である。
2.血漿中の R1 は、Gd-DTPA 造影剤の約 1/2 倍である。
3.健常人の場合、造影剤の約 4 割は糞中から排泄される。
4.投与後、約 1 分から肝臓の細網内皮系細胞に取り込まれる。
5.NSF(腎性全身性線維症)に対して Gd-DTPA 造影剤と同様の取扱いを行う必要がある。

解答
1.× 0.1ml/kg
2.×血漿中EOBはアルブミンと可逆結合するためGd-DTPAに比べて約2倍のT1短縮効果がある。
3.○投与後4日目までに投与したGdの 57%が尿中に、39 %が糞中に排泄。
4.×肝細胞
5.○
解説

19) 静磁場強度変化について正しいものを選択してください。(正解 3 つ)

1.プロトンの共鳴周波数は静磁場強度に比例する。
2.静磁場強度が増加すると白質の T1 値は短縮する。
3.静磁場強度が増加すると灰白質の T1 値は延長する。
4.1.5 T における 90 度 RF パルスと 3.0 T における 90 度 RF パルスは、同じ RF 強度 である。
5.1.5 T において 4.6 msで Opposed phase が観察された場合、その Opposed phase は 3.0Tにおいて2.3 msで観察される。

解答
1.○ ω0=γB0
2.×延長する。
3.○
4.×
5.○正解としていいと思うが、実際1.5Tの4.6msで観察されるのはin phase、3Tの2.3msもin phaseである。

20)卵巣腫瘍の MRI について正しい記述を選択してください。(正解 2 つ)

1. 卵巣癌の充実性部分は T2 強調像で高信号を示す。
2. 漿液性嚢胞腺腫は拡散強調像(b=1000)で低信号を示す。
3. 成熟嚢胞性奇形腫は脂肪を含むので T1 強調像で高信号を示す。
4. 内膜症性嚢胞は高蛋白含有の液体を含むので T1 強調像で高信号を示す。
5. 粘液性嚢胞腺腫は粘調度によって T2 強調像で低~高信号の多様な信号形態を示す。

解答
1.×充実性部分は低信号。
2.○
3.○
4.×出血によるメトヘモグロビンのT1短縮効果によりT1高信号。
5.×T2WIで高信号。(粘調度により低信号化することも考えられる。)
解説(DWI所見)

第2部

21)Willis の脳底動脈輪を選択してください.(正解4つ)

1.椎骨動脈
2.前大脳動脈
3.前交通動脈
4.後大脳動脈
5.後交通動脈

解答
1.×
2.○
3.○
4.○
5.○
解説(脳血管)

22) 下図のグラフで示される傾斜磁場コイル X 軸方向の傾斜磁場について、正 しい文章を選択してください。(正解2つ)

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より

1.傾斜磁場強度の slew rate は 200 T/m/s である。
2.dB/dt の値は磁場中心(原点)からの位置によって変化する。
3.傾斜磁場強度の slew rate を大きくすると dB/dt の値は小さくなる。
4.磁場中心(原点)から 0.2m 離れた点での dB/dt の値は 4 T/s である。
5.傾斜磁場強度が 20 mT/m 一定の間に患者体内に電場が誘導されて電流が流れる。

解答
1.× SR=Gp/τr  Gp:プラトー部分 τr:rise time プラトーに達するまでの時間
20/1=20T/m/s
2.○
3.×大きくなる。 dB/dt=x・SR  x:原点からの距離
4.○ 0.2・20=4T/s
5.×一定のため電流は流れない。傾斜磁場のon、offにより誘導電流が発生。

24)SAR(比吸収率)値について、正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.静磁場強度に比例する。
2.被検体の半径に比例する。
3.高周波磁場強度の二乗に比例する。
4.被検体組織の電気伝導率に反比例する。
5.高周波パルスのデューティサイクルに比例する。

解答
1.× 2乗
2.× 2乗
3.○
4.×比例する
5.○
SAR∝(σD(B0θR)2)/ρ
σ:電気電導度、D:デューティーサイクル、θ:フリップアングル、R:半径、ρ:密度
水分含有量の多い組織はσ電気伝導率が高くなる

25)心臓ペースメーカ植込み者に対して MRI 検査を実施する場合に、静磁場によって ペースメーカが受ける障害を選択してください。(正解1つ)

1.火傷
2.心室細動の誘発
3.アンダーセンシング
4.オーバーセンシング
5.ペースメーカリセット

解答
1.× RFパルスによる。
2.×RF、傾斜磁場による。
3.×正常に自己脈を感知できない現象。RF、傾斜磁場による。
4.×自己脈ではない信号を誤認識することによりその間ペーシングが行われなくなる現象。RF、傾斜磁場による。
5.○静磁場による。

26)Gradient echo (GRE)シーケンスについて 正しい記述を選択してください。(正解3つ)

1.3個のαパルスを異なった間隔で印加すると3個の FID と5個のエコーが形成される。
2.1.5 T の磁場において TE=4.5msec、9 msec であれば水と脂質中のプロトンは逆位相になる。
3.Balanced SSFP では3(X、Y、Z)方向の流速補償が成り立ち、流入効果とともに 血管内が高信号になる。
4.第2の化学シフトアーチファクトは、周波数あるいは位相エンコード方向とは関係ないので、どの方向にも現れる。
5.Balanced SSFP(steady-state free precession)の信号強度は T1/T2 にほぼ比例するので hydrography に適する。

解答
1.○
2.×同位相
3.○
4.○
5.× T2/T1
解説(化学シフト)解説(GRE)解説(SSFP)

27)画質性能の維持に関係するものを選択してください。(正解3つ)

1.冷却装置の水量
2.静磁場の均一性
3.中心周波数の変動
4.検査室の電磁シールド性能
5.マグネットの液体ヘリウムレベル

解答
1.×
2.○
3.○
4.○
5.×

28)次の記述について正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.直腸の下 1/3 部では腹膜がない。
2.子宮頚部は子宮の下 2/3 部である。
3.尿管は 3 箇所にやや細い狭窄部をもつ。
4.前立腺は辺縁域・中心域の 2 つの領域からなる。
5.解剖学的に分けられる正常の左右の肝臓は、ほぼ同体積である。

解答
1.○
2.× 下1/3:頸部、上2/3:体部
3.○腎盂尿管移行部、総腸骨動静脈交差部、尿管膀胱移行部。
4.×前線維筋性間質、中心域、移行域、辺縁域
5.× 左1:右5

29) 下図に対し正しいものを選択してください。(正解2つ) <写真あり>

1.棘上筋
2.肩甲下筋
3.僧帽筋
4.棘下筋
5.小胸筋

解答
画像がないため解答不可能

30) 脊椎の靭帯について正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1.軸椎より上と仙椎間には黄色靱帯がない。
2.頚部において棘上靭帯は項靭帯といわれる。
3.環椎十字靭帯は環椎横靭帯と後縦靭帯からなる。
4.椎体は脊柱の全長にわたって前縦靭帯と後縦靭帯で強く結ばれる。
5.黄色靭帯・前縦靭帯・棘間靭帯・棘上靭帯は脊柱の屈曲を制限する。

解答
1.○
2.○
3.×環椎横靭帯と縦束
4.○
5.×黄色靭帯・後縦靭帯・棘間靭帯・棘上靭帯

31)EPIでのアーチファクトについて 正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.磁化率アーチファクトは位相エンコード方向がめだつ。
2.化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に出現する。
3.折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向に出現する。
4.N/2アーチファクトは周波数エンコード方向にFOVの半分だけ位置ずれする。
5.T2 フィルタリングによる解像特性の劣化は、位相エンコード方向に出現する。

解答
1.○
2.○
3.×位相エンコード方向
4.×位相エンコード方向
5.×
解説(化学シフト)

32)下の T2 強調画像において,大脳脚の位置を選択してください。(正解1つ) <写真あり>

 

解答
画像がないため解答不可能

33) 次の記述について正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1.下垂体微小腺腫は正常組織よりも少し早く造影される。
2.正常脳下垂体は脳血流関門がないのでダイナミック造影では後期に造影される。
3.脳内には血液脳関門が存在するので、通常は髄膜、脈絡叢、脳室周囲器官以外は造影されない。
4.頭部造影 MRI 検査において、骨転移を判読するために少なくとも横断像には脂肪抑制を負荷する必要がある。
5.聴神経腫瘍と髄膜腫の鑑別が困難な場合は、ダイナミック MRI が有用で髄膜腫の場合は急速に造影信号が高まり、徐々に低下する。

解答
1.×正常組織の方が早く染まる。
2.×早期に造影。
3.○
4.○
5.○

34)次の記述について正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.脊椎転移性腫瘍は T1 強調像で、骨髄内の高信号として認められる。
2.腎臓は T1 強調像では皮質より髄質は低信号となるため皮髄境界が明瞭である。
3.腹部の T1 強調像は血液量を反映し、肝実質、膵臓より脾臓は高信号に認められる。
4.前立腺は T2 強調像では内腺域(移行域と中心域)を高信号に、辺縁域を低信号に描出される。
5.頭部 MRI 検査の特異的信号所見として T2 強調像が低信号を示した場合、急性期血腫(デオキシヘモグロビン)、陳旧性血腫(ヘモジデリン)、鉄(ferritin)、石灰化などが考えられる。

解答
1.×T1 強調像で低信号として認められる。
2.○
3.×脾臓の方が低信号。
4.×内腺(移行域と中心域)が低信号、外腺(辺縁域)が高信号。
5.○

35)画像均一性の測定法について、正しい文章を選択してください。(正解3つ)

1.NEMA ではファントム温度は 22±4°Cである。
2.NEMA ではスパンと中央値から不均一度と均一度を算出する。
3.IEC の測定方法は平均絶対偏差から算出するためノイズの影響を受けにくい。
4.NEMA のグレイスケールマップは平均値からの信号差によって9段階に割り振る。
5.NEMA のグレイスケールマップは雑音の影響を少なくするため、Gaussian フィルタを加える。

解答
1.○
2.○
3.×
4.× 5段階
5.○
解説(均一性試験)

36)SSFP での banding artifact の軽減について正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1.TE を TR/3 に設定する。
2.TR を長く TE を短く設定する。
3. オーバサンプリングを用いる。
4. Phase cycling による除去法は有効だが体動に弱い。
5. Phase offset が 2Πの場合,off-resonance frequency は 1/TR(Hz)となる。

解答
1.× TE=TR/2
2.× TR短くする。
3.×折り返しアーチファクトの抑制法。
4.○
5.○
解説(SSFP)

37)化学シフトアーチファクトについて 正しい文章を解答して下さい。(正解2つ)

1. EPI では、位相エンコード方向によく見られる。
2. 化学シフトはスライス選択方向には見られない。
3. 受信バンド幅を大きくすると化学シフトも大きくなる。
4. 3 T では化学シフトが 7 ppm となるため、1.5 T よりずれが大きくなる。
5. 32 KHz の受信バンド幅で 256 ピクセルの場合、3.0 T の化学シフトは 3.6 Hz である。

解答
1.○
2.×スライス選択方向にも見られる。
3.×BW大きくすると小さくなる
4.× 3Tも1.5Tも3.5ppm
5.○1pixelあたりのBWを算出し、化学シフトがどれだけずれるかを計算する。
1pixelあたりのBW=32000/256=125Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/125=3.576pixel
解説(化学シフト)

38) 3 T 装置で、1 ピクセルあたりのバンド幅が 62.5 Hz、ETL=3、256 サンプリングで 収集したシーケンスでのケミカルシフトアーチファクトは画像上で約何ピクセルとなるか。(正解1つ)

1.1ピクセル
2.2ピクセル
3.3ピクセル
4.5ピクセル
5.7ピクセル

解答

1.×
2.×
3.×
4.×
5.○37問と同様に
1pixelあたりのBW=62.5Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/62.5=7.152pixel
解説(化学シフト)

39) 下記1~6の MR に関する学術研究を行う場合、当該施設の倫理委員会の承認 を得なければならない研究の組み合わせについて、選択してください。(正解1つ)

1 動物を使って実験を行う場合
2 ボランティアを用いて MR 画像のデータを取得する場合
3 当該施設の過去の臨床データを匿名化して評価を行う場合
4 撮像条件について無作為に選んだ施設にアンケート調査をする場合
5 ファントム実験データを用いて観察者実験(例:ROC)を行う場合
6 患者に対して撮像条件の比較検討のために追加の MR 撮像を行う場合

解答
1.×ヒトを対象とする研究でないもののため承認不要。
2.○ボランティアを用いると承認必要。
3.○匿名化しても臨床データは承認必要。
4.○無作為でもアンケート解答施設が匿名化されていないため承認必要、特定されなくアンケート調査間に上下関係がない場合は承認不要。
5.×ファントム実験では不要、ただし観察者が同定されないことが前提。
6.○臨床画像を用いるため承認必要。

40) 下図の矢印のアーチファクトについて正しい文章を解答して下さい。(正解2つ)

1. エリアシングエラーに起因するものである。
2. 生データフィルタを加えることで軽減できる。
3. 原理的に位相エンコード方向のみに発生する。
4. 他条件は同じで FOV を小さくすると軽減できる。
5. 受信バンド幅を増加させることによって抑制できる。

解答
画像がないため解答不可能
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