MRI認定試験ではおなじみの問題ですね。
第5回〜第15回で5問出題されています。
解き方は簡単ですし、今後も出る可能性があるのでしっかり覚えておきましょう。
核磁気共鳴(NMR)
NMR(Nuclear Magnetic Resonance)は日本語で核磁気共鳴と言います。
磁場中でラジオ波を与えることにより、そのラジオ波と同じ周波数(共鳴周波数)のものが共鳴しエネルギー吸収、NMR信号の発生から分析を行います。
このNMR現象を示すのは一部の核種だけにとどまり、磁性を持っていることが条件となります。
磁性核と非磁性核
磁性をもつ原子核を磁性核といい、磁性を持たないものを非磁性核と言います。
例えば、1H原子核(陽子)は正の電荷を持ち自転しているのですが、それにより円電流が発生し磁場を形成します(磁気モーメント)。これが磁性核というものです。
もし陽子が2つの場合、反対方向の磁気モーメントにより磁性を打ち消し合います。
これは中性子でも同じことが言えます。
そのため、磁性核になるには「陽子数が奇数」「中性子数が奇数」「陽子数と中性子数どちらも奇数」のどれかを満たせばいいのです。
反対に非磁性核は「陽子数も中性子数も偶数」となります。
この様な非磁性核はNMRの対象にはなれません。
過去問からの出題
問題を解く上で大事なこととして原子番号を知っておく必要があります。
問題では原子番号は省略されるため、ここだけは暗記しなければなりません。
第9回-4
核磁気共鳴現象を示す核種を選択してください。(正解 3 つ)
1.2H
2.12C
3.23Na
4.31P
5.40Ca
解答
1.○ p:1 n:1
2.× p:6 n:6
3.○ p:11 n:12
4.○ p:15 n:16
5.× p:20 n:20
第10回-4
核磁気共鳴現象を示す核種を選択してください。(正解 2 つ)
1.2H
2.12C
3.24Na
4.40Ca
5.129Xe
解答
1.○ p:1 n:1
2.× p:6 n:6
3.× p:11 n:13
4.× p:20 n:20
5.○ p:54 n:75
24Naに関しては詳しくわかりませんが、天然存在比が極めて低く、半減期も短い放射性同位体のため×?
第11回-1
核磁気共鳴現象を示す核種を選択して下さい。(正解 2 つ)
1.2H
2.4He
3.16O
4.28Si
5.129Xe
解答
1.○p:1 n:1
2.×p:2 n:2
3.×p:8 n:8
4.×p:14 n:14
5.○p:54 n:75
第12回-1
NMR で用いられる核種を選択して下さい。(正解 2 つ)
1. 2H
2. 4He
3. 12C
4. 28Si
5. 59Co
解答
1.○p:1 n:1
2.×p:2 n:2
3.×p:6 n:6
4.×p:14 n:14
5.○p:27 n:32
類似問題
第15回-6
スピン量子数が 1/2 の核種はどれか。3つ選べ。
1. 1H
2. 2H
3. 23Na
4. 31P
5. 129Xe
解答
1.○1/2
2.×1
3.×3/2
4.○1/2
5.○1/2
ここでは核磁気共鳴を示すものではなく、スピンが1/2のものを問われています。
1段階上の問題といった感じでしょうか。
スピンと質量数、原子番号には以下の関係があります。
質量数が偶数であれば0もしくは整数をとるため問題では×となります。
あとは質量数奇数のもののスピンが1/2か3/2か5/2かといったところですが、
ここはもう暗記してしまいましょう。
1H,3He,13C,15N,19F,29Si,31P,77Se,113Cd,129Xe,199Hg これらは1/2
ハラヘッタ カンフーショップ シークレット クセーハゲ
この語呂に意味は全くありません。
どうでしょう、覚えられそうでしょうか。
安心してください、質量数は覚えなくともこの原子核が出たらそれは1/2です。ただし偶数のものは選ばない様に注意。あくまで奇数の場合です。
また、197Hg(RI)の様な意地悪な選択肢が出たら対応できません。
今後は核磁気共鳴を示す核だけを問うのではなく、この様にスピン量子数を問われる可能性もあります。
知っていれば確実に稼げる問題ですので一応チェックしておきましょう。
まとめ
原子番号を覚えておく。
ハラヘッタ カンフーショップ シークレット クセーハゲ →スピンが1/2と覚えておく。
出題
第9回-4、第10回-4、第11回-1、第12回-1、第15回-6
参考書籍
MRI完全解説第2版 P16
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