スパイラルスキャン

目次

用語

k空間を螺旋状にスキャンする方法。

解説

k空間の中心部から外側に向かってデータを充填します。

基本的にスキャンは直行座標ですが、スパイラルスキャンは極座標となります。

極座標系で取得するので、受信した信号は直行座標系に変換しなければなりません

直行座標では1スキャンで周波数エンコード磁場勾配Gx、位相エンコード磁場勾配Gyが時間的に変化しないが、極座標では変化することとなります。
時間tによって変化する関数をGx(t)、Gy(t)とすると、以下となります。

Gx(t)=g・cos(ωt)-gωt・sin(ωt)
Gy(t)=g・sin(ωt)+gωt・cos(ωt)

g=a/γ、a原点から遠ざかる速さ、ω原点を中心に回転する角速度

メリット

k空間中心の低周波成分が高密度でサンプリングされるためモーションアーチファクトが目立ちにくくなる

k 空間中心側より振幅の大きなエコーのデータが充填されるためSNRが高い

各傾斜磁場の変化により血流等のフローアーチファクトの影響を受けにくくなる

1回の励起あたりの収集データ数が多いため高速撮像が可能

デメリット

磁場の不均一性によりブラーリングが発生する

遅い流れには強いが、速い流れではアーチファクトが発生し、螺旋状に現れる

周波数エンコードに相当する傾斜磁場の方向が常に変化するため、ケミカルシフトアーチファクトが周波数および位相の両方向に発生する

リードアウト時間が長いためブラーリングが発生しやすい。(ケミカルシフトが全周性に出現することと関係)

折り返しアーチファクトが全周性に渦巻状に出現する

出題

16-10)スパイラルスキャンについて正しいのはどれか。3つ選べ。 

1. 流れや動きの影響を受けにくい
2. 渦電流の影響を考慮すべきである
3. 空間分解能が等方性な画素が得られる
4. 磁場の不均一性が画像全体へのボケの原因となる
5. 受信した信号を極座標系 k 空間に変換する必要がある

1.○
2.○
3.×
4.○
5.×

15-17) Compressed sensing MRI に関する正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. 収集データを間引いて画像を圧縮する方法である。
  2. k 空間をコヒーレント(coherent)にサンプリングする。
  3. MRA や MRCP といったコントラストの高い画像に有用である。
  4. ラジアル法やスパイラル法などの非直交座標系にも応用できる。
  5. スパース性が高いとは画像におけるゼロ成分が少ないことである。

1.×
2.×インコヒーレント
3.○スパースな画像
4.○
5.×ゼロ成分が多い

13-41) 高速撮像法に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)

1. スパイラルスキャンは信号取得時の k 空間座標が極座標系になる。
2. 圧縮センシングとはエルミート対称性を利用してk空間の一部をサンプリングする方法である。
3. Parallel imaging は k 空間を間引いて信号を取得し複数コイルの空間的感度差を用いて画像を作成する。
4. SENSE(sensitive encoding)法を用いた場合の SNR は用いない場合の 1/√R(reduction factor)倍となる。
5. SMASH(simultaneous acquisition of spatial harmonics)法はフーリエ変換後に複数コイルの空間的感度差を用いて展開する方法である。

1.○螺旋状にスキャンするため円軌道となる
2.×多くの圧縮技術は大容量の観測データを取得後圧縮するが、圧縮センシングはスパース性を利用し観測データを少なくしk空間でのランダムサンプリングから圧縮を行う
3.○
4.×S/NSENSE=(S/Nfull)/(g√R)
5.×k空間内での展開

12-19)高速イメージング技術について正しい文章を選択して下さい。(正解 2 つ)

  1. スパイラルスキャンの信号取得 k 空間座標は極座標系である。
  2. 圧縮センシングは収集データから少数サンプリングによって画像を圧縮する方法である。
  3. SENSE(sensitivity encoding)法を用いた場合、SNR は用いない場合の √R(reduction factor)倍となる。
  4. Parallel imaging は k 空間を間引いて信号を取得し、複数コイルの空間的な感度差を利用して画像を作成する。
  5. SMASH(simultaneous acquisition of spatial harmonics)法はフーリエ変換後に折り返しを展開する方法である。

1.○螺旋状にスキャンするため円軌道となる
2.×多くの圧縮技術は大容量の観測データを取得後圧縮するが、圧縮センシングはスパース性を利用し観測データを少なくしk空間でのランダムサンプリングから圧縮を行う
3.×S/NSENSE=(S/Nfull)/(g√R)
4.○
5.×k空間内での展開

8-12)次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.radial scan は、k 空間における軌跡が放射状であり、3D 高速撮像で利用できない。
2.3D 高速 SE 法において、再収束パルス角を小さく変更しても画像コントラストは変化しない。
3.3D 高速 SE 法において、再収束パルス角を小さく変更した場合、血管内(血液)信号強度は低下する。
4.spiral scanとSSFPシーケンスと組み合わせることで更にSNRが向上し、現在心臓 MRI で頻用されている。
5.spiral scan は、k 空間における軌跡がスパイラル(渦巻き)であり、parallel imagingを併用することでさらに高速撮像化できる。

1.×可能
2.×変化する
3.○RFAが低いほどflow voidが強くなるため。
4.×
5.○

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次