MRI認定技師を取ってみたいと思えたなら、その気持ちが熱いうちに行動しましょう。
でもまだ、がむしゃらに走らないでください。やるべき事はまずレールに乗る事です。
この資格は受験資格を得る必要があるため、まずはそこをクリアしていきましょう。
ひとまず受験資格を得るためのレールにさえ乗ってしまえばそのあとは走るだけですので。
このレールに乗るという作業が最も挑戦者のやる気を削ぐポイントなのだと思います。
この記事ではMRI認定を取得したいという気持ちが熱いうちにやれることと、受験資格を得るために何が必要かを書いています。
受験資格を得るために
MRI認定技師とは、正しくは磁気共鳴(MR)専門技術者と言い、日本磁気共鳴専門技術者認定機構によって認定されます。
こちらが試験要項となります。→ https://plaza.umin.ac.jp/~JMRTS/exam/exam1.html
長いので無理に読まなくても大丈夫です。安心してください、最後にはやるべきことをスッキリ解説します。
認定試験申請資格
(1)構成団体への在籍:申請時に構成7団体のいずれかに在籍して丸2年以上を経過した者。
学生会員での在籍期間も含む(申請時の備考欄にその旨を記載してください)。(2)MR操作経験:経験年数については不問
(3)装置の精度管理:機構が提示した装置の精度管理に関する性能評価ならびに指定の科目の測定結果を提出する。(提出項目は、性能評価試験項目で確認して下さい)
(4)施設の安全管理:被検者ならびにスタッフのための施設が備えている安全管理マニュアルを提出する(これを機に施設の安全管理マニュアルを作成していただければ結構です)
(5)安全管理講習会の受講:ホームページの「認定試験受験のためのMR安全管理講習」から受講してください。
※受講証明を試験当日にお持ちください。(6)学術成果:MRに関する学術研究発表を3回以上、もしくは学術誌への論文1編以上を有すること。
学術研究発表:JSRTの地方支部またはJARTの地域学術大会以上の学術大会を指す。
研究会や県・地方会の技師会での発表は含まない
論文:査読のある学術誌(地方支部や研究会、紀要、院内雑誌、商用雑誌に掲載されたものは含まない)※JARTの会員については、2022年度から開始された新生涯教育システムにおいてレベル2以上の取得をもって上記(6)が免除される特例となります。但し、レベル2であっても申請時には基礎技術講習「MRI検査」を修了したことを判明できなければなりません。
2022年7月現在、JARTの新生涯教育システムがまだ整っていませんので、磁気共鳴専門技術者認定機構では2024年度まで、これまでのJART会員の特例資格でも申請ができる救済措置を講じます。
A) 生涯教育の診療放射線技師基礎講習 医療基礎コースの3科目を受講している方、もしくはアドバンス診療放射線技師以上を取得している方。
B) 基礎技術講習の「MRI検査」を受講している方、もしくは旧MRI検査技能検定を取得している方。◆ JARTの基礎技術講習「MRI検査」受講について
2022年7月現在、JARTでは基礎技術講習「MRI検査」のe-learningコンテンツが完成していません。基礎技術講習の対面研修が受講できない方、旧技師格からレベル2以上に移行された方で基礎技術講習「MRI検査」の受講が必要な方は、本機構の動画講習の視聴と確認試験で基礎技術講習「MRI検査」を受講修了とみなします。● 受講対象者
A)の要件を満たしていて 基礎技術講習「MRI検査」が未受講の方
「レベル2」以上に移行された方で 基礎技術講習「MRI検査」を受講していない方● 基礎技術講習「MRI検査」の受講方法
1)認定機構のホームページのバナー「動画で学ぶMR専門技術者に必要な基礎知識」から下記の6つの講座を視聴してください。
①NMR現象と信号の取得
②パルスシーケンスと画像コントラスト
③アーチファクト[1]呼吸性
④アーチファクト[2]フロー
⑤アーチファクト[3]ケミカルシフト
⑥アーチファクト[4]磁化率2)視聴終了後にコチラから確認試験を受けてください。
全部で20問あります。選択肢は5つです。正答数は問題に記しています。
選択肢は出題の度に順番が入れ替わります。3)申請資格の獲得
● 確認試験が満点(20/20)でないと修了を認めません。
● 送信後の「スコア表示」からご自身の点数を確認してください。
※ブラウザを閉じる前に結果が表示された画面をキャプチャしてpdf形式で保存して下さい。
● 満点が採れるまで動画を見直し何度も挑戦してください。
● 修了証は発行しません。
● すべての送信データと申請書のメールアドレスと所属・氏名を整合しますので正しく入力してください。4)提出期限
第18回磁気共鳴専門技術者認定試験(2022年10月)の認定試験を申請される方は、2022年9月8日(木)までの送信結果を有効とします。
注)救済措置における上記の講習および技能検定は一度受講、取得していれば2024年度迄申請可能となります。
以上、不明な点があれば、まずコチラ(FAQをダウンロード)をご覧ください。
※ご自分の取得資格はJARTのwebサイト(JART情報システム)で確認してください。
またJART関連についてのご質問などはJARTの事務所へお問い合わせください。
本機構の事務所では取り扱いません。(7)一度受験された方は、上記(3)(4)(6)を免除します。
日本磁気共鳴専門技術者認定機構/認定試験要項 https://plaza.umin.ac.jp/~JMRTS/exam/exam1.html より
上記が2023年1月24日現時点での認定試験申請資格です。
要するに、
(1)構成団体への2年在籍
(2)MRI操作経験
(3)装置の精度管理
(4)安全管理マニュアルの提出
(5)安全管理講習会の受講
(6)学術成果 or 「医療安全学・救急医療学・医療社会倫理学」「MRI検査」受講
これが必要となります。
ここから1つずつ解説していきます。
(1)構成団体への在籍
指定されている構成団体に丸2年以上在籍している必要があります。
これは申請時までに2年以上です。そのためまだ在籍していなければ早めに登録してしまいましょう。
構成団体は以下の7つとなり、いずれか1つで大丈夫です。
①日本磁気共鳴医学会
②日本医学放射線学会
③放射線専門医会・医会
④日本診療放射線技師会
⑤日本放射線技術学会
⑥日本臨床衛生検査技師会
⑦日本画像医療システム工業会
断然おすすめするのは④日本診療放射線技師会です。
のちに説明する「(6)学術成果」では発表もしくは論文提出が必要なのですが、日本診療放射線技師会会員では免除される方法があるためです。
もしすでに学術成果があるのであれば好きな団体でいいでしょう。
(2)MR操作経験:経験年数については不問
ここは問題ではありません。
(3)装置の精度管理:機構が提示した装置の精度管理に関する性能評価ならびに指定の科目の測定結果を提出する。
ここが結構鬼門に思われているところではないでしょうか。
しかし今すぐ手をつけられるところではありません。
現在、検索すると性能評価について書かれたサイトやブログがありますので参考にしながら頑張りましょう。
僕も2022年度以内に記事にしようと思っています。
(4)施設の安全管理:被検者ならびにスタッフのための施設が備えている安全管理マニュアルを提出する。
自施設にマニュアルがあればそれを提出してください。
もしなければ、安全管理体制、クエンチや災害時の対応、停電時の対応、造影剤使用についての対応、日常点検、あとは検査業務の一連の流れについてなどを記載して作成するといいと思います。
自施設マニュアルもこれらを踏まえて確認してから提出することをおすすめします。
(5)安全管理講習会の受講:ホームページの「認定試験受験のためのMR安全管理講習」から受講する。
日本磁気共鳴専門技術者認定機構/認定試験要項のページの「受講はコチラ」をクリックで受けられます。
古い試験要項では閲覧期間が終了しましたと出ますので、新しい試験要項が出るまで待ちましょう。
安全管理講習会は以前までは試験と同時に現地で行われ、試験の第1部と第2部の間に行われていました。
コロナによって事前WEB講習となり現在の体制になったと思われます。
ちなみに、ここの安全管理講習から試験問題が出されることがよくあるのでしっかりチェックしておきましょう。
※受講証明は試験当日に持参することを忘れずに!
(6)学術成果:MRに関する学術研究発表を3回以上、もしくは学術誌への論文1編以上を有すること。
なかなかハードルが高いと思います。
しかし以下の方法で免除してもらうことができます!
医療基礎コース「医療安全学・救急医療学・医療社会倫理学」
基礎技術講習「MRI検査」の受講
※これはJART会員でなければいけません。
JARTとは日本診療放射線技師会であり、これが「(1)構成団体の在籍」でおすすめした理由となります。
以下に免除の方法を各ステップにして記載します。
(6)の免除方法
医療基礎コース「医療安全学・救急医療学・医療社会倫理学」
時期によっては申し込み受付期間外で受付終了の場合があります。
受講後には確認テストなるものがあるので、合格します。
この写しを提出することとなります。
基礎技術講習「MRI検査」
6つの動画(上から6つ)を視聴します。
認定試験要項のページで上記をクリックしテストを受け満点をとります。
結果が表示された画面をキャプチャしpdf形式で保存します。
以上が免除方法となります。
以前は救急医療学は実習や上級救命講習を受ける必要があり、MRI検査も対面講習が必要でした。
(7)一度受験された方は、上記(3)(4)(6)を免除します。
再受験には「(5)安全管理講習会の受講」だけで済むということですね。
まとめ
(1)構成団体への2年在籍
(2)MRI操作経験
(3)装置の精度管理
(4)安全管理マニュアルの提出
(5)安全管理講習会の受講
(6)学術成果 or 「医療安全学・救急医療学・医療社会倫理学」「MRI検査」受講
JART未登録で(6)は免除狙いとすると、、、
順にやりやすいものから
JARTへ登録
認定機構から「MRI検査」の動画視聴&テスト→満点取ってキャプチャ
eラーニングで「医療安全学・救急医療学・医療社会倫理学」申し込み&受講&テスト→認定証
認定機構から安全管理講習会を受講→受講証明(※試験当日持参)
安全管理マニュアル作成
装置の精度管理
やるべきことがスッキリしました。
安全管理講習やeラーニングは受講できる期間があるようですので、期間外であれば待ちましょう。
精度管理やマニュアル作成は初めから手をつけてしまう重荷になりますので、まずは簡単にできることを済ませるのがおすすめです。
この記事を全部読んでいただいただけで、片足はレールに乗ったんじゃないかと思います。
コメント
コメント一覧 (2件)
コメント失礼します。
将来、認定試験を受験しようと思っています。
安全管理講習、基礎医学等のeラーニング、認定機構のMRI検査の講習の修了証は有効期限あるのでしょうか。
教えていただけると幸いです。
コメントありがとうございます!
①JART関連の医療基礎コース(eラーニング)は修了証に有効期限はありません。
②MRI検査の講習は現在JARTでコンテンツが未完成のため特例措置でMRI認定機構でその代わりとなるものを受けられることとなっております。
今後JARTでコンテンツが完成すればJARTで受講しなければならなくなったり、対面講習が必要となる可能性もあるため、特例措置の効く認定機構のものをとりあえず修了させるのもありかと思います。
こちらに関しては今後の動向しだいではあります。
③安全管理講習は、確か受験資格を手に入れてからで良かったと記憶しています。またこちらに関しては受験のたびに受けなければならないんじゃないかと思います。
認定試験を受けようという気持ち大事にしてください!
頑張ってくださいね